仕事が6時に終わって、あしたは休み。
神保町シアターをグググっと。オアが、ツラエでやって来た。
7:15 藤田敏八 『リボルバー』
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神代辰巳と藤田敏八。
同じ時代の監督でありながら、ベクトルは 180° 違う。
ニンゲンで云うと、神代辰巳は、あさっての方向に向かって、何かをボソボソ呟いているヒトである。
いっぽう、藤田敏八は、みんなの中心にいて、こんな面白い話があってさぁ、と、身振り・手振り・声色を駆使して喋るヒトである。
クラスで投票を行なったら、藤田くんの勝ちだろう。
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1988年の映画。
バブルのドマンナカである。
冒頭あたりの水着は、むしろ、面白い。
手塚理美さんがハイレグなのだが、そうか、バブルの頃のハイレグは、単に角度がある、ということでなく、脚ぐりがえぐれているんだと、思い出した。
話はホステスだらけなのだが、ボディコンスーツというのは、あんなムチャな着方をしていたんだと。
すなはち、パンティー(混乱を避けるために明石家用語を使用)の上にパンストを穿いて、上はブラ。
で、その上にスーツを着ちゃう。
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藤田敏八は、分身の術で、
沢田研二
柄本明
小林克也
を登場させ、巧妙に語ってゆく。
単純に言うと、拳銃を奪われた警官の物語である。
テレ朝で、年中やってるモチーフである。
しかし、藤田は、拳銃探索の物語にはしなかった。
拳銃探索をめぐる、実は、喜劇である。
何人かは犯罪者になり、ひとりは銃弾に倒れる。
それでも喜劇である。
おそらく、原作は喜劇でないような気がする。
藤田敏八という語り部の特質なんだろう。
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バブルのころ、テレビで活躍していたメンツが懐かしい。
映画は、たとえどんな監督が撮ろうと、(ドキュメンタリーでないかぎり)俳優のメンツという 「時代」 から逃れることはできない。
そういえば、柄本明のわき腹あたりから、さらに分身した
尾美としのり
も捨てがたい味がある。
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最後に、傑作だったセリフ。
尾美 「蜂矢さんは何で結婚したんですか?」
柄本 「誰も止めてくれなかったから」
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