医学の進歩は目覚しいものがあるわけでして、臓器移植の分野においても、
不可能だとされてきた事が、どんどん可能になってきている印象はありますよね。
会社の社長などが辞めて新たな人が就任するのを【首をすげ替える】などと言ったりしますが、
それはあくまでも比喩の表現であって、本当に人の首をすげ替えたりする事はできません。
ところが以前、イタリア人と中国人の医師らが、
世界初の【頭部移植手術】を中国で計画していたなんて事がありました。
これは難病を患っている男性の頭部を、ドナーとなる人の胴体に移植するというものでして、
SFやホラーの世界でしかあり得ない事だと思われてきた事ですよね。
まさに【リアル・アンパンマン】という感じなんですが、
普通の内臓移植と違って、移植される部分が大きすぎますよね。
つまりは頭部以外を全て移植するという理屈になるわけですから、
出来上がった人間の主体は、頭部にあるのか胴体にあるのか、議論を呼びそうですよね。
人間の頭や脳に関しては、まだまだ判らない事も沢山あるようですよね。
頭の良さというのは外見では判りませんが、
今の自分よりも頭が良くなりたいと思う人は結構いらっしゃるでしょうね。
「よく『バカに付ける薬はない』と言いますが、ついに【バカに付ける薬】ができたようですよ」
「本当ですか!?ください!是非、五本くらい飲みたいです!」
こういう人は、救いようがないですけどね。
日常生活においてはもちろんの事、
大切な会議や商談中にも構わず眠ってしまう【ナルコレプシー】という病気があります。
【居眠り病】とも呼ばれていて、つい今の今まで会話してた人が、
いきなり熟睡してたりするもんですから、回りの人は驚くのですが、
このナルコレプシーの治療に使われる薬で【頭が良くなる】という事が判ったそうですね。
この薬が、記憶力や思考力を向上されるという事が証明されたからなんですが、
現在専門家たちの間で、倫理性について議論されているそうですね。
「この【頭の良くなる薬】を飲んだら、今まで判らなかった事が、随分判るようになってきたぞ!」
「・・・あら、薬を飲んでも、その程度なの?」
これは傷つくでしょうね。
皆が皆、頭が良くなりたいと思ってるかというと、そうでもないのかもしれませんね。
「俺は別に頭が良くなりたいとは思わないね」
「どうして?頭がいい方が、色んな事が判って楽しいだろ?」
「そうかな。ほら、アホな連中って、みんな幸せそうだろ?
だから【頭が良くなる】ってのは【苦しみが増える】って事なんだよ。無駄に頭が良くなっても、
人生悲しい事が増えるだけだと思わないか?」
こんな哲学的な問いかけをされたら、明確に反論できる人はいないんじゃないですかね。
微笑亭さん太
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