「ワシの若い頃は、人が寝静まった頃を見計らって、よく【夜這い】に行ったもんだ」
なんて事を、まるで良い話をするかのように、
遠い目で語っているお爺ちゃんが、昭和の頃にはいましたよね。
昔の話でよく聞くこの【夜這い】ですが、
実際にあったのかどうかというのは非常に気になるところですよね。
調べてみると夜這い自体は、江戸時代まで普通に行われていたようですね。
平成生まれの若者にとっては、これがもう驚きですよね。
しかしこれ、明治に入ると禁止され【夜這い禁止令】が発動していたようですね。
それはなぜかというと、西洋の価値観に合わせるためだったと言われていますね。
当時欧米では、こと性に関してはかなり厳しかったんですね。
何しろ信仰されていたのが、あのキリスト教です。
キリスト教とエロって、何か関係あるのって思われるかもしれませんが、
そもそもキリスト教は婚前性交を禁止しています。
夜這いはもう押しも押されもしない、どこへ出しても恥ずかしくない婚前性交ですから、
それが当たり前に存在している日本を見て、欧米人は驚いたわけです。
『今から夜這いに行ってきます』なんてツイッターにアップしたら
【イイね!】はゼロでも【ヤバいね!】の数がヤバくなりそうですよね。
だから夜這いが禁止されたというわけです。
しかしこれ、あくまでも建前の話として言われていて、
田舎ではこの限りではなかったようですね。
さすがに東京や大阪のように、
当時人口が多かった都会の方では夜這いの風習が消えていく傾向にはありましたが、
田舎だと現役バリバリの風習で、当たり前のように行われていたようですね。
という事は若い女性に関しては、都会よりも田舎の方が進んでいたという事になりますよね。
「私は都会育ちだから、あなたみたいな田舎娘とは一緒にしないでね」
「何言ってる、それはこっちのセリフだ。
おめえまだバージンだろ?オラたち田舎娘は夜這いかけられて、やりまくってるからな。
おめえみたいな、おぼこ娘と一緒にしねえでもらいてえ」
都会娘の方がバカにされちゃったりしましてね。
「田舎の夜這いって、どのくらいの数があったのかな?」
「大体、都会の【四倍】くらい」
源氏物語など見れば判りますが、日本人は本当に夜這いが大好きですよね。
光源氏は、登場するほぼ全ての女性に夜這いしてますから、
むしろ夜這いするのが【紳士のマナー】みたくなってますよね。
そもそもこの夜這いというのは、
今で言うところの『付き合って下さい』みたいな告白と同じ文化だったんですね。
【コクる】じゃなくて【ヨバる】という事ですね。
「いやいやそういう事するのは、付き合って三ヶ月くらい経ってからする事でしょう?」
そんな事言ってる真面目な男性は、明治時代の田舎に生まれていたら悲惨ですよ。
何しろ『夜這い=告白』です。
『今日夜這いに行ってもいいかな?』は
『あなたの事が好きです。付き合ってください』と同じ意味ですから、
早く夜這いをかけないと、気になる女の子がどんどん他の男に取られてしまうという事ですからね。
我先にと忍んでいくと、
別の男性とタイミング被って鉢合わせしちゃうなんて事も当然あったでしょうね。
「俺が先だ!」
「いや、俺の方が先だ!」
なんてんで争いになって、刀を抜いたりしましてね・・・夜這いなのに、
別の【抜き身】を抜いてはマズイですよね。
微笑亭さん太
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