mixiユーザー(id:4535387)
2022年01月13日18:37
107 view
「維新」とは極右勢力の合言葉−「日本維新の会」はファシズム政党ではないのか？！(前編)
※画像は憲さんのバイブル本、原田 伊織著『明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』
※この随筆は2021年11月半ばに筆を投げたものに加筆修正して完成させました。
※この随筆は「日本維新の会」の党？員、もしくはその政党を心底愛して止まないという方が読むと気分が悪くなりますのでなるべく読まない方がいいと思います。
読む際はどうぞ自己責任でお願いします。
m(_ _)m
【Restoration】
大文字から始まるこの英単語、日本語に訳すと【王政復古】である。
「the Restoration」というと、イギリスでいう1660年の王政復古、すなわち清教徒革命後にチャールズ2世を戴いた王政に戻ったこと、またはチャールズ2世の治世期間を指すそうだ。
参考
↓
【restoration】
https:/
ちなみに小文字の「restoration」は「restore」の名詞形であり、「もとに戻すこと、回復、復旧」という意味である。
では、日本語の【王政復古】とはどういう意味であろうか？
ウィキペディアにはこうある。
↓
【王政復古】
https:/
「王政復古は、共和制や武家支配などによって支配の座を追われていた君主制が再び旧体制を復活させることを指す。」
通常は･･･
�．ぅ鵐哀薀鵐匹砲�ける共和政崩壊後のチャールズ2世の即位
�▲侫薀鵐垢砲�けるナポレオン1世没落後のルイ18世の即位
�Ｆ�本の明治維新
以上三つのいずれかを指すことが多い
なので、いわゆる「明治維新」は「the Meiji Restoration」と英訳される。
では、日本の歴史でいう「王政復古」とは･･･？
すぐに思い出されるのが歴史で学習した慶応3年12月9日（1868年1月3日）の「王政復古の大号令」であろう。
上記の��のことである。
これは薩長の陰謀により、明治天皇から「王政復古の大号令」が発せられ、江戸幕府廃止、同時に摂政・関白等の廃止と三職の設置、諸事神武創業のはじめに基づき、至当の公議をつくすことが宣言され、新政府が成立したことをさすが、憲さんはこれを「王政復古のクーデター」と呼んでいる。
参考
↓
憲さん随筆
歴史教科書に騙されるな！「歴史教育での偽西暦使用について」
https:/
この「Restoration＝【王政復古】」をその政党の党名に使用していた政党がある。
それが「日本維新の会」である。
厳密にいうと現在の「日本維新の会」の前身の「日本維新の会」、(何のこっちゃ？)の英語表記の党名が「Japan Restoration Party」＝直訳すると【日本王政復古党】なのである。」
参考
↓
【日本維新の会 (2012-2014)】
https:/
この政党は現在の「日本維新の会」の前身であり、当時は「大阪維新の会」代表の橋下徹と太陽の党から合流した極右政治家石原慎太郎が共同代表であった。
参考
↓
【太陽の党】
https:/
【石原慎太郎】
https:/
この代表の顔ぶれと英語の党名から言ってもその政党の本質がハッキリと浮かび上がるであろう。
そして、その「日本維新の会 (2012-2014)」は紆余曲折を経て現在の「日本維新の会」へと繋がっている。
参考
↓
【日本維新の会 (2016-)】
https:/
しかし、現在の「日本維新の会」はさすがに英語表記が「日本王政復古党」ではまずいことに気がついたのか、英語表記を「Japan Innovation Party」に変えている。
これを日本語に再訳すると「日本革新党」であり
参考
↓
【innovation】
https:/
「日本維新の会」＝「日本革新党」と「日本」と「新」のみしか共通しない。
これをもってもこの政党の「鵺(ぬえ)」性がよく現れている。
参考
↓
【鵺のような】
https:/
参考
↓
「『維新』の意味を知らない日本維新の会〜RestorationとRevolution」
https:/
閑話休題。
「周雖旧邦其命維新」
(しゅう、きゅうほうといえども、そのめい、これあらたなり)
参考
↓
【維新】
https:/
【周】
https:/
これについての語訳はネットで調べるといろいろある。
�ー�(の国)は古い王朝であるが、その天命は新しさを維持している。
参考
↓
「【今さら聞けない】幕末用語の素朴な疑問：明治『維新』ってどういう意味？その由来も紹介」
https:/
→これは「維」を「維持」と訳しているが正確ではない。「維」の訳は「これ」である。
�⊆�は、歴史ある古い国ではあるが、今、天命を享けて新しい国家「周」が誕生した。
参考
↓
周は旧邦なりと雖も、其の命維れ新たなり（『詩経』）
https:/
→これだと「周」が古い国なのか新しい国なのかで意味不明。
��周は古い国だが天命を新たに受けた
参考
↓
「維新」はテロリストの合言葉
https:/
→これが一番しっくりする。
このサイトにはこうある。
以下、サイト文引用。
その最古の出典は『詩経』の「周雖旧邦、其命維新」（周は古い国だが天命を新たに受けた）という言葉で、単に同じ王朝の中で王が代替わりするという意味だった。これが日本では水戸学で誤解され、藤田東湖が尊王思想のスローガンとして使い始め、吉田松陰がその影響を受けてテロリズムを提唱した。
以上、引用おわり。
参考
↓
【吉田松陰】
https:/
憲さん随筆アーカイブス 「賊軍」よ、永遠なれ！ 安倍晋三の尊崇する吉田松陰とは何者なのか？松陰著『幽囚録』を読む
https:/
このサイトにも書いていてある通り、これは『詩経(しきょう。古代中国の詩集)』の一節である。
古来、中国大陸では「天命をうけたものが天下を支配する」ものとされ、悪政によって天に見放された王朝は滅び、また新たに天命をうけた者がなり代わるという思想がある。
これがすなわち「天命を革(あらた)める」易姓革命の思想である。
参考
↓
【易姓革命】
https:/
この思想は古代中国において起こった孟子らの儒教に基づく、五行思想などから王朝の交代を正当化する理論である。
参考
↓
【五行思想】
https:/
この中国の易姓革命思想に対し日本の尊皇思想家の山鹿素行などは、その著書「中朝事実」の中で「易姓革命は結局臣が君を倒すことで、そのようなことがしょっちゅう起こっている中国は中華の名に値しない。建国以来万世一系の日本こそ中華である」と批判している。
参考
↓
【中朝事実】
https:/
山鹿素行と言えば、赤穂浪士の討入りの際に鳴らしたと言われている「山鹿流陣太鼓」の山鹿流兵法の始祖として有名である。
参考
↓
討入り時の太鼓（江戸検お題「本当の忠臣蔵」
https:/
しかし、彼は『中朝事実』の中で「天地創造の時代から最初の人皇登場までにおよそ二〇〇万年が経ち」と著している。
彼は神武天皇に先立つ皇統の神代段階は200万年前の「天地創造」から続いたと主張している極めて神がかった思想家でもあるのだ。
参考
↓
【山鹿素行】
https:/
神武天皇そのものの存在も懐疑的であるのだが、その即位は紀元前660年だと言われている。(これも明治に入って後づけかつこじつけで計算した！)
参考
↓
【神武天皇】
https:/
そこから遡ること200万年というと地質年代でいうと更新世、史的年代でいうと先史時代、考古年代でいうと旧石器時代、発掘化石人類遺跡でいうと猿人と原人が交わる時代で、「ジャワ原人」より以前、「ホモ・ハビリス」の時代である。
参考
↓
【更新世】
https:/
【ジャワ原人】
https:/
【ホモ・ハビリス】
https:/
山鹿素行はその時代からホモ・サピエンスである「日本人」の祖先の「皇統」が存在したとでもいうのであろうか？
ビックリ！
また「天地創造の時代から最初の人皇登場までにおよそ200万年が経ち･･･」と言うのを額面通り解釈すれば、神武天皇以前200万年前に“天地創造”があったのでそれ以前には天地はなかったとでも言うのか？
だったら、約400万年前〜約200万年前に生存していたとされるアウストラロピテクスはいったいどこに存在していたというのであろうか？
彼の説では400万年前は「天地創造」前で「天地」が存在していないのだから･･･。
彼の言う「200万年前」など当てずっぽうであろう。
こんな「放言」は歴史の検証には耐えられないのである！
いずれにせよ全くもって江戸時代だったことを差し引いてもこれが非科学的な主張であることにかわりはない。
話がだいぶ逸れた･･･。
よって詩経の云うところの「易姓革命思想」と日本の山鹿素行など尊皇家が唱える神がかった「天皇万世一系」論はまったく相容れない思想なのである。
憲さんから言わせれば「易姓革命思想」の方が圧倒的に社会科学的に正しいと思われる。
そして、この「周雖旧邦其命維新」の『詩経』の一節から「維新」という言葉を借りて使ったのが水戸藩の藤田東湖であり、それは藩政一新の決意を述べる際に引用したようだ。
※諸説あり。また、幕末以前にも維新の用例はある。
藤田東湖といえば憲さんから言わせればこれまた神がかったとんでもない御仁である。
それはこちらを参照されたし。
↓
憲さん随筆
日本を破壊した「水戸学」の源流 会沢正志斎の民衆蔑視
https:/
ここで、憲さんは藤田東湖についてこう書いている。
引用する。
ちなみに、藤田幽谷はこの大津浜事件を受けて息子の藤田東湖に対して「異人たちをすべて斬り殺してこい」という私的なテロの実行を命じたのだ。
これに対して東湖は父の教えに従い、異人の皆殺しを決意する。しかし東湖は、今生の別れにと父親の幽谷と酒を酌み交わしているうちに泥酔してしまい、東湖が大津浜に着いた時には、すでに捕鯨船は幕府から食料を得て退去していたというのだ。
いや、まさにそれが実行されていたらば、ペリーの来日を前に日本はイギリスの植民地になっていたに違いない。
藤田幽谷、東湖の親子はこのように狂気じみた親子であり、徳川斉昭はこのような人間から学び、藩政に登用していたのたから水戸藩が“内ゲバ”というテロに明け暮れ、最後は歴史の屑籠に棄てられてしまったというのも頷ける話である
参考
↓
【大津浜事件】
https:/
以上、引用終わり。
しかし、ではこの「維新」という単語、「字義的」にみて思想的意味合いがあるのであろうか？
今からそれをみていく。
辞典を「紐解く」ではなくポチる。
【維】
�い海譟�次の語を強調する言葉。「維新」
とある。
参考
↓
【維】
https:/
また、「維新」は「惟新」とも書いた。
【惟】
��これ。発語の言葉
参考
↓
【惟】
https:/
Σ(￣□￣;)ハッ！
何のことはない！単なる指示代名詞なのである。
参考
↓
【これ】
https:/
なので【維新】とは書き下せば単に「これあらた」となり、単に「これを新しくする」という意味である。
なので、「維新」でも「惟新」でもどっちでもいいのである。
では、次に「維新」という単語の歴史的背景を読み解いていく。
前出したサイト「『維新』はテロリストの合言葉」にこう書かれている。
以下、引用。
しかし明治時代には、維新という言葉はほとんど使われていない。それが頻出するようになるのは、1930年代の昭和維新のときである。テロリストが政党や財閥に「天誅」を下して天皇家の支配に復古しようというとき、この言葉を使ったのだ。その思想的中心は北一輝であり、実行部隊は右翼団体や皇道派青年将校だった。
そうなのである。
参考
↓
【北一輝】
https:/
【皇道派】
https:/
「維新」という言葉にはあの戦前の軍国主義の忌まわしい過去が纏(まと)わりついているのである。
これは、憲さんの幕末史における師匠の原田伊織氏もその著書『明治維新という過ち』の中で指摘している。
以下、引用する。
この、明治精神への回帰運動の背景には、深刻な戦後不況と国際摩擦があった。この運動の代表的な事件が五・一五事件、二・二六事件である。(中略)これらの事件を惹き起こした軍人たちも「討伐」「天誅」という言葉を乱発して暗殺を実行した。この時期に「維新」「維新」と叫ばれ、幕末動乱期への回帰心理から「明治維新」という言葉が一般化したのである。
(中略)
つまり、「明治維新」とは昭和になってから、極右勢力によって一般化した言葉であって、幕末の御一新のその時に使われた言葉ではない。
以上、引用おわり。
参考
↓
【明治維新という過ち】
https:/
斎藤美奈子氏の書評
https:/
【五・一五事件】
https:/
【二・二六事件】
https:/
そうなのだ！
「維新」とは、まさに戦前の極右ファシストが愛用した忌々しい血塗られた過去を持つ言葉であり、それは水戸学から吉田松陰をへて北一輝に受け継がれた右翼テロリストの欺瞞に満ちたスローガンなのだ。
なので、憲さんはこの単語を使用するときは必ず「」の中に入れるし、その言葉を自からの政治的代弁者を選ぶ「投票用紙」に書き込むことなど身の毛もよだつことであり、あり得ないのだ！
ちなみに、平成になって「平成維新の会」なる政策提言型サロンを大前研一氏が結成したが、この時は「歴史を知らない」と世間から嘲笑された。
参考
↓
【平成維新の会】
https:/
しかしここまでくると、この「維新」という言葉を軽々しく使う者たちはこの言葉が包含する「論理を否定する暴力的な意味」を全く知らずに使う単なる無知な人間なのであろう。
※後編に続く
0
0
ログインしてコメントを確認・投稿する