夫の兄から、

たぶん 苦情

横浜に住んでいる 夫の長兄から 着信履歴が3回 あった・・・

夫に電話。
「お兄さんから電話があったんだけど そっちにも何かあった？」

「年賀状に 富津に引っ越しましたって書いといたから電話が来た」

それで？

「 鹿児島の母親も 100歳になったしいつ何があるかわからないから 万一の時は一緒に帰ってくれるだろうなって言われた」

ははあん。
わかった。
夫が「いいよ一緒に帰ろう」 という返事をしたなら、 義兄は私に電話なんかしてこない。

夫は断ったのだ。
私のせいにして。


またか

数年前、夫の同級生で親友の男性が癌の闘病のあげく鹿児島で亡くなった時、
電話をくれたのは 横浜の義兄だった。

夜11時。
夫はショックを受けて すぐ私の部屋に来た。
私はとりあえず手元にあった5万円を テーブルの上に置いておいた
とにかく これで朝一番で 飛行機に乗って帰ることはできる
帰れば空港に迎えにくる友達もいるし なんとかなるだろう
とにかく手元に5万円しかないし。

しかし、私には確信があった。

夫は帰らない。
明日は、この5万円を持って
きっとパチンコに行くだろう。

そして、私の予想は大当たりだった


とんだ 濡れ衣

その後、 葬儀を欠席した事を知った義兄から私に電話が入り、

「 弟は葬式に帰ろうとしたのに お前がお金を出さなくて帰れなかったと言ってたぞ」

「 そんなことありません。 私はその時 手元にあった五万をちゃんと置いておきました」

「五万じゃ足りないだろう 」

「でも夜11時に電話を受けて、
その時は現金がそれしかなかったんです」

「弟は具合が悪いみたいじゃないか。 俺が病院に行くように と言ったら 健康保険証がない と言ったぞ。 お前が健康保険に入らないでいるらしいな お金をケチって。」

はぁ？
今時、そんな人いる？


私は思った

よっぽど弟が可愛いんだなーって
弟の言うことをこれっぽっちも疑わないんだなーって

実の姉に痛めつけられている私は そこがとても羨ましかった


そして今回

母親の葬儀に関して、

夫は、また私を前に押し出して 悪者にして 私の後ろに隠れたに違いないのだ。

でなければ 義兄が私に電話を3回もかけてくるわけがない
鬼のような義兄の顔が目に浮かぶ。

夫は本当にクソみたいな男だなと改めて思う


辛いのは辛いのだろう

暮れに、私と夫の間で 鹿児島の義母の話が出た。

私が、

「どうして今 帰ってあげないの？ 人生の最期の時間に差し掛かっているお母さんが生きている今、どうして4人の子供が誰も鹿児島に帰ってあげないの？ 死んでから帰ったって仕方がないよ。葬式なんか帰らなくていい」

と言ったら

夫は「俺の親だぞ 俺の親の葬式だぞ。帰るのが当たり前だろう」

と言って私を睨みつけたのだ。

それが、いざとなったら
この ていたらく。

呆れた私が、
「もうその話には 私は入らないことにするよ」と言ったら

急に、夫の声が明るくなって、

「 俺、あそこ行きたいんだよなぁ」
と、言う。

どこ？

「あの広い温泉。 サウナは気持ちいいからなあ」

毎週土曜日に 私が車で連れて行っている、「かずさの湯」の事らしい。

おやおや、
わざわざ 今、言わなくても
毎週 行っているのに・・。

夫の心情が手に取るようにわかる。

子供の頃から怖かった 年の離れたお兄さんに きっぱりと拒否をして、

もう葬儀に帰らなくてもいい、
大嫌いな飛行機にも乗らなくて済む

それは、
ホッとしたと共に、
夫にとっても 辛かったのだろう。