不穏な気持ち

今年最後の 母の面会

11時から30分だけ 許可になった。
差し入れは 好物の肉まん。

職員さんが
「今朝は 朝ごはんを食べませんでした」
と言う。

じゃあ、お腹が空いてるだろう。
柔らかくて温かい肉まんはちょうど良かった

「 お母さん、朝ごはん食べてないんだって？ どうしたの 」

「縁談の話が来たの、うちに そんな子がいたかなーと思って」


子だくさん

母が 21才で「中井家」に嫁に来た時、父は22才。
おじいちゃんの 後妻さん(当時 40代)は すでに 父の下に
義理のきょうだいを5人産んでいた。

先妻の息子で、跡取りの 父に嫁いだ母が姉と私を産み、合わせて7人の子供。
合計 12人家族だった。

農家だし、
台所のテーブルは広かったが、
家族全員で同時の食事はできず、席が空くのを待っていた記憶がある。


一安心

私は18才で家を出たが、
その時の 母の気持ちは 寂しいというよりも
「 やれやれ やっと全員を育てあげた」
というものだったと言う 。


今になって

その気持ちが とても強く残っているのに なぜかここに来て縁談の話が来た。(認知症による妄想)

あの子は大阪、 あの子は奈良、
他の3人は町内に嫁ぎ、
長女は徳島、 次女(私)は東京へ

「子供達は 7人全部 片付いたはずなのに また縁談とは。 不思議なことだ、怪しいことだ、誰の思惑、差し金なんだろう 悪い事でなければいいが 」

と 真面目な母は 考え続けているらしい。
表情がとても厳しい。

でも、手に持っているのは
大好きな肉まん。🤣

この後 小さな柏餅も食べた。

もち米で作った柔らかい柏餅も
母の好物だ。

今年、無事に満91歳になってくれて、
どうやら無事に 年を越せそうだ。

ありがたい。
＼(^^)／

お母さん、
その縁談話は無くなりましたよ、
安心してね。
🤣 🤣