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2020年09月12日10:58

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エッセイ集588:「トランプ大統領の米中デカップリング」

<トランプ大統領の米中デカップリング>
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トランプ大統領が「米中をデカップリングすることで米国内の雇用を取り戻す」という短絡的で稚拙な理論を展開しています。

ただこれにより世界経済が停滞すれば人類がより長く生き延びると考えれば、結構なお話かも知れません。(本文おわり)
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参考:
下記、2年前の投稿:エッセイ集547:「トランプ流保護貿易主義の功罪(2018年09月12日)」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1968306721&owner_id=25116933


<トランプ流保護貿易主義の功罪>
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[まえおき]
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トランプ大統領が米国の産業を保護するために、中国を中心とした対米貿易黒字国への関税を大幅に上げ、その対象国からの報復関税と相俟って、貿易戦争が起こりつつあります。

そして、自由貿易の宗主国であるはずの米国が高関税の「保護貿易主義国」になり、統制経済の典型的な国であるはずの中国が「自由貿易主義国」の旗振り役という逆転現象が起きています。

今般の保護貿易主義の事の本質は、トランプ大統領個人の問題というより、トランプ大統領を生み出した米国社会の不寛容さと考えられます。

言い換えると、経済のグローバル化による世界的な資源・エネルギー・市場のひっ迫と、先進国と途上国の従来の格差の減少とにより、先進国が従来持っていた「寛容さ(=余裕度)」を放棄したということです。

私自身30年位前に米国駐在中に、プラザ合意で円高が昂進した時、人件費の安い途上国の典型的な地域である中国の広東省の深圳を訪問したことがあります。

その時、中国の農村からの出稼ぎで深圳の工場の寮に入り、工場で朝の7時から夜の9時頃まで働いて、安い給料でも「田舎の家族に仕送りができる」といって嬉々としていた女性労働者を思い出します。

それはあたかも戦後経済的な貧しさから日本立ち直ろうとする姿が再現されているような光景でしたが、一方でその時の米国人はまさに資源をふんだんに使い、経済繁栄を謳歌して贅沢な暮らしをしていたわけです。

これを思い起すと、現在の米国の貿易赤字(=輸出競争力の減退)の根源は、明らかに経済格差にあぐらをかいた米国の「豊かな暮らし」と「努力不足」の結末で自業自得とも言えると思います。
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[本論]
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いずれにしろ以上のような状況から、米国の保護貿易主義が起こり世界経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。

一方では中国を中心とする途上国の大国が、自由貿易の推進とともに、「一帯一路」による経済拡大、「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」によるアジアのインフラ整備、そして最後の資源や生産拠点でもありまた市場でもある「アフリカへの進出」を企図しています。

米国も「米国第一主義」のトランプ政権でなければ同様な方策をとり、最後のフロンティアであるアフリカを含んだ世界の70億人を対象としたグローバル経済の発展に競合しつつも歩調を合わせることになっていたと思われます。

日本においてもアベノミクスの成功は経済発展にかかっており、世界の経済発展なしには、アベノミクスも破綻し少子高齢化が進む次世代に残るのは1000兆円を超える借金のみになってしまいます。

「ローマクラブ」が資源・エネルギー・環境面から「成長の限界」を指摘したのは40年も前の事ですが、それを裏付けるように人類はアフリカなどの最貧国を含めても「持続可能な生活」を大きく超える生活を送っており、2010年には人類は既に地球1.5個分の生活、2030年には地球2個分の生活を送ることになるそうです。

10年前にリーマンショックで経済成長が大きく停滞しましたが、日本が「京都議定書」の地球温暖化ガスの削減目標を達成できたのは、皮肉にもその経済停滞のおかげです。

今、米国の保護貿易主義により貿易が縮小し、生産や流通が非効率化することで、経済成長が大きく鈍化することが懸念されています。

その最大の被害者は最貧国になるのかも知れませんが、その経済停滞のおかげで人類全体が多少は生き延びる結果になるかも知れないのは皮肉な話ですが、それでも現実的な話です。

二酸化炭素濃度の上昇と地球温暖化は植物の成長にとっては一石二鳥であり、植物が人類を操ってそうしているという逸話もありますが、神様はトランプを出現させることで経済停滞を起こし、人類の種としての寿命を多少なりとも伸ばそうとしているのかも知れません。
(終わり)
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