不殺の誓い

わりと平和な火曜日でした。
終業前に事務作業をしながらブロンドアウトローズの金髪お姉さんと派遣の男性と３人でパソコン作業をしながら話をしてたら・・・。

ブ〜ン・・・ブ〜ン・・・ブ〜ン
こんな季節に蚊ですよ！
しかもここ３階です。
イヤ━━━o(≧◇≦*)oo(*≧◇≦)o━━━ァ!!!!
金髪姉ちゃん、「絶対殺ってやる！」・・・そんな感じです。
だが「ちょっと待て待て待て〜い！」と飛龍革命時の髪を切り落とす藤波を制した猪木のように妾（わらわ）は制止します。

妾と言えば２年前から蚊を殺すこともやめました。（生きもの全般、無駄な殺生はやめました）
理由はヨガ哲学を学ぶ過程で思うところがあったから、それに血を吸う蚊は妊娠してる蚊しか吸わないと知ったから・・・。
自分の立場に置き換えて考えてみぃ〜？
自分が妊娠してる時に腹にパンチとかキックされたらどう思うよ？
・・・って、そんなとこからまた妾の普通の枠の外に出た人間の熱いプレゼンが終業前に始まりました。(笑)


・・・そもそもがだね、蚊の氣持ちになって考えてみたら如何だろうか？
妊娠した蚊、彼女に与えられたミッションとはどんなものだろうか？
幾重にも張り巡らされた（ドアや窓、階層までもです）防御網を見事に突破して、ターゲット（人間、動物）にロックオンする。
そしてターゲットに気づかれないように、巨大な敵の体内の目標物（血液を吸う）を奪う。
それでミッションは終わりではないのです、目標を達成したらそこからさらに防御網を掻い潜って見事に建物の外に脱出して無事に帰還しなければならないのですよ。
そんなハードなミッションを命を懸けて成し遂げるヒロイン、それが妊娠した蚊です。（爆）

妊娠した蚊は高い栄養分を摂取するために動物や人間の血を吸わなければならないんだってさ！
そんな憎たらしい吸血鬼も、わが子のために命を懸ける一途な母親の姿だと思えばそんな躍起になって殺さないでもよくない？
オマエは何様だ！
同じ一つの生命でしょ？

わざわざこの寒い季節に何重にも張り巡らされた防御網を掻い潜ってこの部屋に来たわけですよ。
わが子のために決死の覚悟で人間のいる場所に現れたわけです。
そもそもがだ！
建物の中に侵入するというのがそうとうに困難を極める。
窓もドアも開けっ放しだった昔と違って機密性の高い現代の建物は侵入経路が限られるよね？
出荷口のドアや自動ドアが開閉したのと同時に偶然侵入したのだろうか？
夏ならばそうやってなんとか侵入できたとしても、蚊取り線香や虫よけスプレー剤の罠が待ち受けているかもしれない・・・。
人間にとっては何でもないが蚊にとっては命を奪う強烈な毒ガス攻撃になるだろね？
(||´ロ｀)ｏ=3=3=3 ゴホゴホ

そうやって数々の困難を乗り越えてターゲットのいるこの場所に辿り着いたわけだ。
だけどホントに大変なのはここからなのだ！
一番の大仕事がここから始まるわけですよ。
人間が寝ててくれれば成功率はグッと上がるだろうね、でもそうでなければ気づかれないように人間に近づかなければならない。
もし、飛んでいるところを見つかってしまえば両手でピシャリと打たれてジ・エンドです。
ｺﾜｨﾖ―ﾟ｡･ヾ(｡>д<｡)ﾉ･｡ﾟ―ｯｯ!!!

気付かれないようにそっと人間の肌に着地し、気づかれることなく吸血作業を完了させなければ命がない、お母さん蚊からしたら危険に危険を重ねる吸血作業だよ！
“○(￣￣￣0￣￣￣〃)○” どきどき
もう一回言うけど蚊の気持ちになって考えてみぃ〜？
肌に着地するだけでも相当に危険なのに、さらに肌に針を突き刺さなければならないんだぜ！
姿は丸見えで隠れる場所はないんだよ、貴方にそんな度胸はありますか？
ホントに命懸けのミッションです。
血を吸う作業はきっとどれだけ急いでも２分くらいはかかるのかな？
お母さん蚊にとってはとてつもなく長い時間に感じられることでしょう・・・。

「気づかれないように・・・さあ、もう少し・・・もう少しだ、頑張れ私！ヤッター！」
ﾔｯﾀｧｰ!＼(￣∇＼) (/￣∇)/ﾔｯﾀｧｰ!
とか思ってるかも知れない・・・。

それでも血を吸い終わった後に更に待つ最大のミッション。
何とか血を吸い終わったとしても、ミッションはまだ終わらない。
本当に大変なのは、ここからである。
今度は、産卵のために建物の外へと脱出しなければならないわけだ。
侵入するときには偶然に窓やドアの隙間を見つけたかもしれないけど再び同じ隙間にたどり着ける確率はゼロに近いよね？
しかも奇跡的に３階までやってきたことでしょう、だとすれば新たな脱出場所を見つけなければならないわけだ。
血を吸った分、自分の体もその分重くなるでしょう、重い血液を抱えてフワフワと飛びながら、目の前には刺されて痒さでイライラして殺気立っているさっきの人間に見つからないように帰還しなければならないのだ。

・・・何という困難なミッションなのだろう？
自分で書いてて泣けてきたよ〜。((ﾉ￣■￣)ﾉｱｳｱｳ､､

エピローグ・・・
血をたっぷりと体に詰め込んだお母さんは、重い体でフラフラと空中へ飛び立った。
体がフラついてなかなか姿勢が安定しない・・・きっと思うようにうまく飛べないのだ。
それでもお母さんは、懸命に飛び続ける・・・このミッションを成功させると信じて！

・・・なんてね、こんな熱いプレゼンをしたにも関わらず金髪の姉ちゃんには妾の言葉は届きませんでした。
(￣□￣｜｜｜)がーーん!!････
ｱﾀ ﾍ(￣□￣；)ﾉミヽ(；￣□￣)ﾉ ﾌﾀ

きっとフラフラ飛んでいるお母さんを見つけて、「ピシャリ！」
手の平には、真っ赤な血がベッタリとつき「嫌だ〜、手に血がついちゃった！」
とか言いながら、ペチャンコになったお母さんの体を乱暴にティッシュペーパーで拭き取って無慈悲にゴミ箱に放り捨てるんだろな・・・って、言うビジョンが浮かんでしまったよ・・・。
人間ってホント何様なんだろね？
ちょっとエンパスの気があるので感情移入は得意技です。
文字起こして書いてるとホント泣けてくるわぁ〜！

人間だけが環境に介入できて、自分を意志によって変えられる生き物です。
さぁ〜？貴方はどういう選択をしますか？
おしまい。
じゃ、（⌒０⌒）/〜〜 ほんじゃ！



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