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2019年11月14日08:15

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「強健術」案内72

今回は、「第四練修法 頚部筋肉」の(備考)を見ていきます。

備考 本運動法は(Machdden. The Virile powers of Superb manhood)マチャデンの座式運動法中の 一節にヒントを得てこれにSandowの腹筋運動法、及び柔道の型を参酌し、更に予が独特の法則を加味したるものなり。(心身強健術 P.153〜154)

『マチャデンの座式運動法』とは、春充の体育法、武術、養生法に関する263冊に上る本のリストの57番目に載っている本『坐上運動法』(図書協会 明治38年発行)のことです。この運動法は、床に横になって行う12種類の運動法と、立って行う5種類の運動法から成り立っています。春充が参考にしたというのは、恐らくこの中の「第五運動法」だと考えられます。また、「Sandowの腹筋運動法」とは春充が最も影響を受けた『サンドウ体力養生法』のことです。サンドウのトレーニングでは、床に仰向けに寝て、鉄アレイを持った両手を頭上に挙げて両脚を伸ばしたまま挙げる、現在「レッグレイズ」と呼ばれる腹筋運動法に近い形となっています。また、春充も言っていますように、明らかに柔道の「受け身」の型も取り入れています。

備考 本運動は著しく、頚部筋肉を発達せしむ。予は嘗(かつ)て柔道の咽締(のどしめ)に於(お)いて、相手をしてまづ十分に予が咽喉を括(くく)らしめたる後、徐(おもむ)ろに予より相手の咽喉を締めにかかりて、尚(なお)楽に相手をまいらしむることあり。是れ頚部筋肉鍛錬のために圧迫さるる気管、乃至(ないし)頚部諸機関の苦痛を感ずること少なければ也。(心身強健術 P.154 )

備考 体を倒したる時、脚と上体はとは真っ直ぐになし、正面と垂直をなす様にせよ。(心身強健術 P.154)

備考 体は真横にして、身体の正面と地面とは垂直になる様につとめよ。(心身強健術 P.154)

備考 上げたる脚は地に伸ばしたる脚の真上にあるべし。(心身強健術 P.154)

備考 上げたる脚の足裏と地面は平行する様にせよ。(心身強健術 P.154)

備考 顎は胸につける様にして視線は上げたる脚の爪先に注げ。(心身強健術 P.154)

備考 かくすれば上げたる脚の方の頚部筋肉は自ら緊張す。(心身強健術 P.154)

ここまでの、解説はかえって分かりづらいと思いますので、春充が行っている写真を掲載しますので参考になさって下さい。

備考 足裏が地面と平行になるようにすれば、上げたる足の爪先へは、自ら力は入り来る。この脚力は腹力の維持のため―而(しか)して腹力は頚部筋肉緊張を確りさせるため…然れども。(心身強健術 P.154)

備考 最初腹直筋を緊張せしむるは他方の脚を打ち付けたる時、自然に出来るものにて、腹に、殊更(ことさら)に力を入れしにはあらざることを注意せよ。(心身強健術 P.155)

備考 かくの如く備考をつらね、やれ垂直の水平のと云えば、頗(すこぶ)る煩雑らしくなり、説明上好ましからずと雖(いえど)も、要するに確(しっか)りやるには、どうしても姿勢を正しくせざるべからず。(心身強健術 P.155)

ここまでは、この形を正確に行えば自然に腹筋と頚部筋肉が緊張するように連動していることが説明されています。また床に打ち付けた脚によって、腹筋を緊張させることは『心身強健術』になって登場した「脚の踏みつけ」の応用と言っても良いでしょう。

(写真は、「第四練修法」を行う春充と、春充が参考にした『マチャデンの座式運動法』)
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