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2019年07月25日21:05

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舞台の裏のウラ話 <小劇場のウラの声・その6>

楽屋のスピーカーから聞こえてくる、
先輩に対するすさまじい愚痴。

  ・・・って、

マイクがONになってるんだぞ!
劇場じゅうのスピーカーから流れてるぞ!


笑いながら聞いていた楽屋のみんなが、
はっと我に帰りました。

もし先輩に聞かれたらどうするんだ!

「止めに行く?」

「あ、うん。これはヤバいよね」

みんなが動き始めたところで、

「あと5分で舞台集合でーす!」

という舞台監督さんの大きな声。
そこでぶつっと途切れて、それでおしまい。


注意する暇もなく、
そのまま流れていきましたが、

次の休憩時間にも、
またぼそぼそという話し声が・・・。

「〇〇さん知ってます?」

「あ、△△の演出の?」

「あの人と仕事したことあります?」

「いや、ないな」

「絶対にやめたほうがいいですよ」

おいおい、また愚痴や悪口か?
それも、またまたマイクONだぞ!


それも!
どこかの演出家の悪口はいよいよマズいだろ!

「いやー、もうほんと、ひどいですよ。
 毎日言う事違うっていうか、
 こっちが言われた通りにしてるのに、
 違うって文句言ってくるんだから」

「 まぁ演出もいろいろだしな」

楽屋でちょっとため息が漏れました。

「どうする?止める?」
「止めるしかないでしょ」

と、また動こうとした時に、

今度は聞き役の人(結局誰かわからず)が一言。

「だけど、こういう現場で、
 そんな話はしないほうがいいぞ。
 この仕事は信頼関係で成り立ってるんだから。
 誰かに聞かれたりしたら、これからやりにくくなるぞ」


・・・はい。誰かどころか、みんな聞いてます。


まぁ、止めに行かなくても良さそうだと安心したものの、

これほど人の愚痴や悪口ばかり言っている若手君。

一人前になるにはまだ道は遠いなと、

みんな心の中で思ったのでありました。



いやしかし、ほんとに、マイクというヤツは、
どこで何の声を拾うかわかりません。


数年前。

そこそこ大きな劇場に出たときのことでした。


   <つづく>


【オマケ写真】

とある公演の場当り現場。これが客席です。

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