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2018年09月01日16:25

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声劇台本を作成しました!「ハヤシライス戦争。」

「ハヤシライス戦争。」




※ 金銭が絡まなければ使用自由。
大幅な改変等はツイッター @annawtbpollylaまで要許可申請。

自作発言は厳禁です。 ※







【登場人物】

城ケ崎:男性。じょうがさき。

万千寿ちゃん:男女。まんせんじゅちゃん。

Mr.クリスタルちゃん:男女。みすたーくりすたるちゃん。



【男女比率】

1:2〜3:0




【想定時間】

テンポよくやって10分に少し満たない程度。









【本編】

城ケ崎「まんせんじゅちゃん!大変でござる!!」

万千寿ちゃん「なんだって!?平岡(ひらおか)君が明日の誕生日パーティでハヤシライスを食べたいと言っている、だって!?」

城ケ崎「平岡君が明日の…あ、その通りでござる!」

万千寿ちゃん「だがそれは好都合!何を隠そう、私は氷点下の料理人の異名を取った由比ヶ浜永世天元(ゆいがはまえいせいてんげん)の孫!!今こそ私のハヤシライスパワーを見せる時!!」

城ケ崎「なんだと!?残念だが平岡君の為にハヤシライスを作るのはこのワシでござる!ワシは去年そして一昨年の全国アマチュアハヤシライス竜王!!血筋など関係ござらぬ!ワシこそがアマチュア界で最も最高のハヤシライスを作る事ができる輩(やから)!!」

万千寿ちゃん「貴様の事は買っているのだがな。しかしそれも私が上である前提での話よ!しばらく見ぬ間につけあがりおって!!」

城ケ崎「貴様という奴はァ!!」

Mr.クリスタルちゃん「話は聞かせてもらった!!論より証拠、火を見るより顔を見た方が明らか!じょうがさき君、まんせんじゅちゃん、お二人それぞれ、最高のハヤシライスを作ってくださいまし。私がジャッジしてさしあげますわ!!!」

城ケ崎「てめえはみすたーくりすたるちゃん!!てめえがジャッジをしてくださるのであれば全幅の信頼を置けますでござる!!」

万千寿ちゃん「良いだろう。じょうがさきぃ!私に喧嘩を売った事、後悔させてやるわァ!!ハヤシライス戦争の開戦だぁあぁぁぁぁあああ!!!!」



Mr.クリスタルちゃん「キッチンや材料は私のお屋敷のものを貸してさしあげます!制限時間は今から3時間!レディ・ファイトォォォ!!……見届けさせてもらいますわ。平岡君の二人の親友。どちらがより、平岡君の事を真(しん)に思いやっているのか。」



城ケ崎「あやつが本当に喜ぶハヤシライス…。思えば、ワシはいつも自分が思う最高を作る事に拘り続け、そして勝利し続けてきた。しかし…今、求められるのは…平岡君。あやつを笑顔にできるハヤシライス。そのためには…思い出せ。あやつは何を望み、何に喜びを感じる人間だったのかを。ござる。」

万千寿ちゃん「…と、奴は考えている事だろう。だがこの勝負、実は平岡君の好みなど関係ない。なぜなら食べるのはみすたーくりすたるちゃん。この場はとにかく、みすたーくりすたるちゃんに『勝者、まんせんじゅちゃん』と言わせる事ができればそれで良い。」

城ケ崎「…と、奴は考えている事だろう。しかし、みすたーくりすたるちゃんは情に厚い。実際食べて審査するのが自分であっても、平岡君視点でジャッジを下すのは確実でござる。」

万千寿ちゃん「…と、奴は考えている事だろう。バット、みすたーくりすたるちゃんに『勝者、まんせんじゅちゃん』と言わせるのに、何も奴の自由意志に基づく必要などない。そう、お婆ちゃん秘伝の洗脳薬を使って私の勝ちを宣言させてくれる…。」

城ケ崎「この勝負」

万千寿ちゃん「もらった!!」




城ケ崎「よし、完成だ!食べてくれござる!!」

Mr.クリスタルちゃん「先に完成させたのはじょうがさき君ですね。ではいただきますわ。」

城ケ崎「みすたーくりすたるちゃんの食べてる姿、その所作の美しさもあいまって劣情がかきたてられるでござる。」

Mr.クリスタルちゃん「気持ち悪。…しかしながら、これはなかなか。30年以上、インスタントハヤシライス業界でナンバーワンのシェアと売上を誇り、独走を続けているケンダマーマレード・ジューマッハ社から販売されている、『田舎のお婆ちゃん風ハヤシライス・中辛』。そこに1年前に限定販売された、記念インスタント白米の『天国のごはん』を見事に合わせてきましたか。しかもこれは…恐らく、白米の方を推奨時間より短めに温めましたね?」

城ケ崎「流石はみすたーくりすたるちゃん。一口食べただけで見抜き申したでござるか。『田舎のお婆ちゃん風ハヤシライス・中辛』はその特徴として、全体として柔らかく、食感のある具が少ない。だからこそ白米の方をあえて少し固めにする。そしてこれは平岡君の好みにも合致しているござる。」

Mr.クリスタルちゃん「お見事ですわ!変に奇をてらう事なく安心と信頼のトップシェア商品を選ぶ。これはハヤシライス界での修行を重ねた者ほどできなくなる事。きちんと基本を見失わないその心意気、素晴らしいです!」

城ケ崎「どうだまんせんじゅちゃん!これでワシの勝ちは……はっ!!こいつ…なんて目をしてやがる。」

万千寿ちゃん「くくく…。あれだけ意気込んでいたじょうがさきが、まさかインスタント商品を電子レンジで温めて盛り付けただけのものを提供した挙句、みすたーくりすたるちゃんも普通にそれを絶賛するとは思ってもみなかったが…何をしようと私の勝ちはゆるがん。この、お婆ちゃん特製の洗脳薬がある限りなぁ!!!!」

城ケ崎「とでも考えているような目!!お婆ちゃん特製の洗脳薬だとぉ!?!?!?!?」

万千寿ちゃん「そう、ずっと鍋を見張りながら丹精込めて一生懸命作ったこのハヤシライス!!ごはんも平岡君の好みに合わせてわざわざ飯盒(はんごう)で作った!やはりこういうのは見た目からしてワクワクするからなぁ!!!平岡君は、ああいうワクワクを忘れない少年っぽさもまた、かわいくて素敵なんだ!!この特製ハヤシライスに更に特製洗脳薬が合わさればまさに鬼に金棒よぉ!!!!」

Mr.クリスタルちゃん「ではいただきます!!」

城ケ崎「ああっ!!このままでは、みすたーくりすたるちゃんが洗脳されてしまう!!かくなる上は…みすたーくりすたるちゃんが食べる前に拙者が全部食べるでござる!!!!うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

Mr.クリスタルちゃん「そんな!じょうがさき君!!そんな事をしたら君が洗脳されてしまいますわ!!危険すぎます。なぜそんな事を…。」

城ケ崎「…決まっているだろう。君が洗脳されるくらいなら、ワシが洗脳される方を選ぶでござる…。ワシにとって、みすたーくりすたるちゃん…君は……誰より大切なんでござる。」

Mr.クリスタルちゃん「じょうがさき君…そんな、そんなッ!!!!!!それを言うなら私だって!あなたが洗脳されるくらいなら私が洗脳される方を選びますわ!!だってあなたは私にとって…誰より大切なんですもの…。」

万千寿ちゃん「ようやく素直になったようだな、貴様ら。」

城ケ崎「…?おかしいでござる。全部食べたのに、特に何ともないでござる。」

万千寿ちゃん「ふん。勘違いするなよ。」

Mr.クリスタルちゃん「ま、まさかまんせんじゅちゃん!」

万千寿ちゃん「私はただ、いつまで経っても素直に好意を伝え合わない貴様らに業を煮やしていただけだ。本音を吐き出させるために、この状況を利用できると思ってな。…感謝の思いがあるのなら、せいぜいいつまでもお互いを大切にする事だ。」

Mr.クリスタルちゃん「ありがとう、まんせんじゅちゃん!!」

城ケ崎「ありがとう、まんせんじゅちゃん!!」

Mr.クリスタルちゃん「まんせんじゅちゃんいずごっど!!まんせんじゅちゃんいずぼさつ!!」

城ケ崎「まんせんじゅちゃんいずごっです!!まんせんじゅちゃんいずあまてらす!!」

万千寿ちゃん「あの日の思い出、それはいつの間にか…♪
こんなにもかすんで、かすんで、忘れてしまって…♪
僕はもう、あの日の僕ではいられなくて…♪」(アドリブでもっと続けても可。)





万千寿ちゃん「人を洗脳するのに薬に頼っているようでは二流。私にそんなものは必要ない。私は祖母を超える、最強のハヤシライサーになるのだから。ふーひっははっはっははははははっはっはっはっははあああああああああ!!!!」





完。
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