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2017年12月13日16:17

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my favorite band

橙助が3年生の時から入っている小学校の金管バンドも4年目。
6年生のコルネットパートには4人の奏者がいるけれど、そのうち一人は今までソロを吹いたことがなかった。原因は引っ込み思案のため。
それでも4年目。顧問は彼女に、おいしいおいしいソロを用意したのだった。バラードの冒頭を飾る無伴奏の長ーいメロディ。
ところが彼女、緊張ですぐ音を外してしまう。そして、そのたび泣いてしまう。
泣いて泣いて、でもあきらめず、遂に克服。
自分が見に行った演奏会では立派に吹き上げていた。
そんなある日、彼女はある男の子に告白され、付き合い始めたのだった。
最近の子のそういうのは早い。小6って、どういう風に付き合うんだろう。
でも、今まで小さくなっていて、存在感が薄かった彼女の姿が俄然変わったのだ。
大股でステージを歩き、堂々と吹く、堂々と踊る。全身に自信が溢れている。

蝶が蛹から孵ったとは、まさに。

思えば、このバンドを見続けて自分も4年。
いろいろあった。卒業した子、入ってきた子、辞めてった子。喧嘩、騒動。
でも、その間、常に進化進歩を遂げてきた。ほんとに、聴くたびに音が良くなってゆく。
いわば伸びしろしかないバンドだ。聴いていて楽しくないわけがない。
4年前、発足一週間で初めて仕上げた「きらきらぼし」を覚えている。
よくぞ、ここまで。
自分がどんなプロのバンドよりも4年間ずっとファンだったのは、このバンドだったのだと、改めて思う。

そんな小学校の金管バンド活動も残すところ後3か月。
感慨深いよ、なんて思っていると。

「八作も、兄ちゃんみたいにやる。八作は、長いラッパ」

3年後再び、ちっちゃな坊主頭のトロンボーン奏者がいるこのバンドを、見続ける日が来るかもしれない。



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