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2017年07月13日19:22

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侍戦隊シンケンジャーの魅力(19)ー第20話「海老折神変化」

第20話「海老折神変化(えびおりがみへんげ)」

番組公式サイト 東映 http://www.toei.co.jp/tv/shinken/
第20話 あらすじ http://www.toei.co.jp/tv/shinken/story/1188975_1569.html

脚本:小林靖子 監督:竹本 昇

 志葉家の屋敷。ことはが一人で座敷に入ってくる。
ことは「あれ?おかしいなあ、今日、みんな見いへんけど、どこに…」

 同じく志葉家の別の部屋。千明が障子を閉めながら
千明「なあ、俺たちだけでこもってるとさあ、ことはにばれねえ?」
千明は飾り付け用の花を手に持っている。茉子は、折り紙で、輪ツナギを
作りながら
茉子「でも、準備しないわけにはね。もうあしただし」
流ノ介も満面の笑顔で
流ノ介「ことは驚くぞぉ!」
「ことはちゃん、誕生日おめでとう」と書かれたポスターに紙製の花を飾り
付けている。
 障子に人影がさして、
丈留「入るぞ」
 丈留が入ってくる。
丈留「千明、このケーキに入れるメッセージって、店に行って言えばわかるのか?」
千明「わかるわかる。『誕生日ケーキ』って言えばいいの!」
流ノ介「千明!殿にそんな事を…」
千明「ことはの誕生日なんだから、みんなで準備しなきゃ、だろ」
茉子「そうそう。源太もお寿司もってきてくれるらしいし」
ガッツポーズをする千明。流ノ介はまだ不満そうに、
流ノ介「殿、それは私が…」
丈留「いい。これくらい俺がやる。行ってくる」
流ノ介は少し唖然としているが、千明も茉子も丈留を笑顔で見送る。

 源太の屋台。
源太「誕生日かぁ。気いれて握らねえとな。
ことはちゃん、最初っから、俺のこと仲間に入れてくれて…いい子なんだよ
お!そうだ!!」
屋台の水槽を覗き込んで
源太「エビゾー、お前ももうすぐ動けるし、誕生日、一緒にすっか」
ぷくぷく泡をふきながら、何やら返事をする海老折神ー

 スーパー戦隊シリーズでは、ロボがどんどん増えていくのも、見どころ
(?)の一つなのだが、最近では、新戦士の加入のときに、その戦士専用
の人型ロボがこれまでのロボに追加されることが多い。シンケンジャーも
例外ではなく、新戦士である源太専用の新たなロボの活躍を、「一番年下
のことはの誕生日をみなで祝う」という、戦隊としての絆の深まりに絡め
て描いたこの第20話は、緊張感と明るさに満ちたなかなかの傑作回で
ある。

 夏が近づき、三途の川が荒れて、六門船も揺れている。夏は三途の川も
ドウコクも、いつも以上に波立つ不穏な季節。薄皮太夫とシタリはドウコクの
様子をみているが、ドウコクは下を向いたまま、あふれる力で酒壷を粉々に
してしまう。
 シタリはドウコクの様子に気をつけなければ、と言いつつも、名無しや
アヤカシの力も増すから、三途の川の水も増えやすくなる、と薄皮大夫に
話している。そこへ水音をたてながら川底からあがってくる一体のアヤカシ。
 
ウタカサネ「じゃあ、俺がそれに拍車をかけてあげようか」
薄皮大夫「ウタカサネか。確かにお前のいやらしさなら、拍車はかかる」

 不気味に微笑む、どこか女性的なウタカサネ…

 どことも知れぬ山中。十臓が、手の感触を確かめながら
十臓「ようやくドウコクの縛りも抜けたな。三途の川に入っても、
ままならないのはこの身体か…」
 崖下に跳びおりる十臓。そこへちょうど源太の屋台が山道をやってきた。
何も気づかず無言ですれ違う2人、と思いきや…
源太「あんた、只もんじゃないな」裏正を握りしめる十臓。ところが
源太「屋台を見る目つきでわかる。相当のグルメだ。」
十臓「おもしろい。寿司屋!次に会ったときは食わせろ」
 十臓を見送った源太は、一人で勝手にもしかしたらミシュラン?と期待
している。そこへ、丈留からアヤカシ出現の報が!

 ウタカサネは一人の会社員風の男を捕まえると、「魂離脱」という呪文と
ともに、男の口から黄色い光の球を引き出し、左手の口に飲み込んでしまう。
倒れる男。
 ウタカサネの背後にはたくさんの人々が倒れている。
ウタカサネ「あともう一人くらい食えるな」
逃げ惑う人々。そこへシンケンジャーが駆けつける。

 しかし、ウタカサネに斬りつけると、ウタカサネは「百体分離」という技
をくりだし、バラバラの球体の集合となって、攻撃をかわし、逆にシンケンジャーを襲ってくる。苦戦するシンケンジャー。イエローが攻撃の標的に
なって倒された。
ウタカサネ「締めはお前でいい」
 ことはの口から黄色い光がウタカサネの左手に飲み込まれ、ことはは変身
解除されて倒れてしまう。

ウタカサネ「教えてやる!俺が食ったのは魂だ。魂を食われた人間は、一日
で死ぬ」

 はっとするシンケンジャーたち。ことはは気を失って、ピンクの腕に抱か
れている。

ウタカサネ「助けるには、俺を倒し、魂を解放するしかない。が、俺はこれから
三途の川へ帰り、出てこない。生きた人間の手の届かない世界だ。打つ手もなく、丸一日のあいだ、死ぬほど嘆き悲しんでもらおう」

 激怒するレッドたち。ブルーとグリーンが斬り掛かるが、またもや
「百体分離」を使われて窮地に陥る。そこに立ちはだかったゴールドは、
小型の見慣れぬディスクを魚丸にはめると、レッドとともに「百体分離」
したウタカサネに斬りつけた。ウタカサネはレッドとゴールドを圧倒すると、「あばよ」という捨て台詞とともに、「隙間」に姿を消した。
 空にはビルの谷間に沈もうとする夕陽。呆然とするシンケンジャーたち
だが、ゴールドだけは、なにか考えに沈みながら、ウタカサネが消えた隙間
を見つめている。

 その夜…

 志葉家の屋敷。黒子たちがことはを奥の部屋に寝かせて、介抱している。
 座敷では、彦馬が丈留と侍たちに被害の報告をしている。魂を食われた
人間はことはを含めて54人。病院に収容されたが、当然、手当の方法が
ない。何とか三途の川に乗り込める手はないか…口惜しさといらだちを
覗かせる侍たち。丈留も沈黙するしかない。

 源太の屋台。源太はひとり、寿司チェンジャーに、ウタカサネ戦で使った
小型の見慣れぬディスクをはめ、「活」のモヂカラを寿司桶にいれた
海老折神に注ぎ込んでいる。なにか勝算があるのだろうか…

 六門船。ドウコクの力の影響で三途の川は大荒れ。船は大揺れに揺れている。
ウタカサネ「フフ、どんなに泣いてもわめいても、明日までの命。死ぬほうと
死なれるほう、どっちが苦しいのかな」

 志葉家の屋敷。朝とともに、ことはが意識を取り戻した。枕元に集まる、
丈留、彦馬侍たち。

ことは「みんな、ごめんな。うち、戦われへんくて」
千明「お前が心配すんな!」
茉子「あたしたちで、何とかするから」
ことははなぜか少し微笑んで、
ことは「ほんま、うちだけで良かったわ」
丈留は思わずことはを抱き起こし、
丈留「しっかりしろ!絶対、助ける!だからそれまでー」
ことは「殿様…大丈夫。うち、大丈夫やし。」また気を失ってしまうことは。

 千明がこらえきれない様子で、座敷を飛び出していく。続いて流ノ介と茉子も。
 丈留も、彦馬にことはを託すと、侍たちのあとを追った。

 千明は、ウタカサネが消えた建物のコンクリート柱の「隙間」の前に駆け
つけていた。

千明「アヤカシ!出て来い、出て来いよ」シンケンマルを握りしめると、
千明「出て来いよ。出て来いって言ってんだよ」
 隙間に刀を突き立てる千明。むちゃくちゃに柱に斬りつける。
 流ノ介と茉子がとめに入るが、どうすればよいのか、三人とも途方に暮れる
ばかりだ。
 そこへ丈留が駆けつけてくる。その前に立ちはだかったのは…不破十臓だ。

丈留「お前…」
十臓「俺は勝負運がないのかな。やっと戦えるかと思うと、お前は妙に取り
込み中と来ている」
丈留「わかってるならどけ!お前の相手をしている暇はない」

十臓「生きた人間が、三途の川にいく方法ならある」

 驚いて振り向く丈留。薄皮太夫の三味の音が響く。

千明「ほんとかよ?」
十臓「三途の川に入る。つまり、生きて外道に身を落とす。およそ人の道から
外れたことをして」十臓の横顔。そして、薄皮大夫の三味を弾く姿が浮かび
上がる。

十臓「どれほどのことをするか、それは考えろ。」
丈留「お前…まさかそうやって外道衆に…」
十臓「同じ外道となり(外道衆の姿に変わる)人の命を越えて戦う。それも
また一興だな。楽しみにしてるぞ」建物の屋上へ跳び上がって姿を消す十臓。

 残された丈留と侍たちは…

茉子「生きて…外道に」
床についた、ことはの姿が皆の脳裏にうかぶ。
千明「やってやる。三途の川に入れるなら」
丈留「待て!俺たちにはこの世を守って」丈留のことばを遮って、
千明「建前はいいんだよ。俺がいま助けたいのは、ことはだ。どんなことを
しても」
茉子「あたしも、ことはのためなら…」
丈留「お前たちは侍だ。個人の感情で使命を忘れるべきじゃない」
侍たちに背をむけて、歩きはじめる丈留。
千明「お前ならいいのかよ!また一人でしょいこむつもりか?」
茉子「丈留!」流ノ介「殿!」
流ノ介「確かに私たちは、感情に流されて侍を見失っています。でも、だから
こそ、いま、大切な人のそばにいる人たちの気持ちが痛いほどわかる!」
 病院で意識を失っている人々に取りすがっている家族たちの姿。
茉子「どんなに苦しいか…こんな思いさせたくないって思う。これ以上誰にも」
千明「たぶん、俺らが戦える理由は、それなんだ」
流ノ介「そして、我々が外道に落ちるとしたら、そのためにこそ」
丈留「そのためにこそ」
茉子「丈留。独りじゃ行かせない」うなずく千明。
 丈留は侍たちのほうを振り向いて、一人一人と決意をこめてうなずきかわす。
そこへ、「おーい!」と源太の明るい声。ウタカサネを三途の川から引っ張り
だせるかもしれないというのだ。しかしそのためには巨大なモヂカラが必要
らしい。寿司桶にはまだ小さな海老折神が…

(Aパート終わり)

 六門船。船縁にいるウタカサネ。
ウタカサネ「フフ、もう少し、嘆きも苦しみも、これからが最高潮」
 悦にいるウタカサネだが、突然、身体の一部が黄色く発光しだした。
ちょうど腹のあたりにある球体のひとつに「海老」という文字が浮き出している。
ウタカサネ「なんだ?」

 先ほどの建物の前では、丈留と侍たちがそろって、海老折神に「活」=
モヂカラを注ぎ込んでいる。どんどん巨大になっていく海老折神。

源太「もっとだ。もっとモヂカラ入れねえと、動かねえ」

 必死でもぢからを注ぎ続ける丈留と侍たち。巨大化した海老折神に
ウタカサネが隙間から引っ張りだされて、壁に叩き付けられた!

ウタカサネ「なんだ?あれは」
源太「海老折神のエビゾーだ」
ウタカサネ「お前ら、一体何を?どうして俺が」
源太「実はな、お前の身体に文字を打ち込んどいたんだ。エビゾーを作った
のと同じ文字を」最初の戦いのさなか、ゴールドが用いた見慣れぬディスク
はそのためのものだったのだ。
ウタカサネ「何だと?」
源太「で、仕上げにエビゾーをな」

(Aパート末尾に時間が戻る)

源太「折神は文字のプログラムみたいなもんだ、って言ったろ。エビゾーを
完成させれば、アヤカシに打ち込んだ同じ文字も反応して、エビゾーと
リンクする。いやでもエビゾーに引きつけられて出てくるはずだ」
茉子「とにかく、海老折神を完成させればいいってこと?」
源太「そういうこと」

 源太の言葉どおり、ウタカサネはエビゾーに引っ張りだされてきた。

源太「思ったとーり、お前は引っぱりだされてきたってわけ」

 怒りに燃えるシンケンジャーの変身。「一筆奏上」「一貫献上」

 ウタカサネに斬り掛かるゴールド。ウタカサネはまたもや「百体分離」を
繰り出そうとするが、なぜか分離できない。

ゴールド「わりぃ!余計なもん入れちまったせいかもな」

 ウタカサネの身体の「海老」の文字が発光する。ウタカサネは、逃げよう
とするがブルーとピンクがウォーターアローとヘブンファンで撃ち落とした。
 グリーンがウッドスピアで、ウタカサネを投げ上げると、レッドが烈火
大斬刀でトドメの一撃。ウタカサネの一の目を撃破する。

 巨大化したウタカサネ二の目との戦闘。ことはがいないので、シンケン
オーは使えない。ゴールドは、単独でエビゾーに乗り込むと、海老ディスクを使って海老折神を操縦。単独でウタカサネを圧倒。
 大名無したちが涌いてでるが、そこで海老折神が「侍変形」人型に変形
した。

ゴールド「ダイカイオー、天下一品!」

 ダイカイオーの誕生だ。ダイカイオーは東西南北4つの顔をもつ人型メカ。
大天空が大名無したちを蹴散らして、援護すると、自在に変形してウタカサネ
に斬り掛かる。

ゴールド「お前みたいに陰険な野郎は大っ嫌いなんだよ。みんなの痛みを
ちょっとは味わえ」

「海老刀大名おろし」「海老ばさみ本手返し」と繰り出される決め技で
ウタカサネ二の目を撃破。夕陽が沈もうとするなか、人々の魂がもとの持ち主
に帰っていく。喜ぶ病院の人々とその家族。海老折神は、自分の鋏を打ち
合わせて「一本締め」をする。大天空も喜びの叫びをあげた。

 志葉家の座敷。元気になったことはが、茉子に引っ張られてくる。
ことは「茉子ちゃん、なに?うちもう元気やで」
茉子「わかってる。いいから、いいから」

 サプライズ!クラッカーが鳴り響き、座敷にはことはの誕生祝いが用意
されていた。
 源太が大きな寿司ケーキをことはに手渡し、エビゾーもそばに控えている。
流ノ介がケーキは丈留が買ってきたものだ、と説明する。ケーキには誕生日
おめでとうメッセージと、笛をふく小さなことは人形が飾られている。
 感激することは。照れる丈留。

ことは「うち、こんなん全然。心配かけてなんもでけへんかったのに。
そやのに…」
茉子「ことは、おめでとう」 
ことは「ありがとう、ほんまにありがとう」
茉子に抱きついて、涙を流すことは。彦馬と黒子たちも加わって、にぎやか
なパーティーが始まった…ポスターには、源太がちゃっかりエビゾーの誕生
祝いも書き込んでいる。

 その源太が屋敷をでると、屋台から烏賊折神を盗んで立ち去る男の姿が。
「通りすがりの仮面ライダー」と名乗って姿を消してしまう。あせる源太…

 この第20話は仮面ライダーディケイドとのコラボ回でもあり、結末の
烏賊折神をめぐる騒動はディケイドのほうへ引き継がれる。

 私はあまり、コラボ回が好きではないので、以下も解説は最小限に留め
たい。

 「大切な人を思う気持ちが力になる」これも戦隊の大テーマのひとつで
ある。第20話は、ことはを思うみなの気持ちに、これからも大きな役割
を果たす源太のモヂカラの知識、「はんぱもん」といわれる外道衆、
十臓と薄皮大夫誕生の秘密にも触れられ、全体の流れの中では夏を迎えた
ドウコクの不安定さをついて起こる外道衆内部の争いの前提ともなる重要
な話である。

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