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2017年07月12日21:13

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堤剛&萩原麻未 デュオ・リサイタル  <チェロ界の重鎮ときらめく感性のピアニスト、極上のデュオ>

出演  堤剛(チェロ) 萩原麻未(ピアノ)
曲目  ベートーヴェン:モーツァルトの「魔笛」の“娘か女か”の主題による12の変奏曲 ヘ長調 op.66   フランク:チェロ・ソナタ イ長調   三善晃:母と子のための音楽   1.甘い−子守歌−愛 2.慰め−優しい−やわらぎ 3.想い出−哀しい−癒し 4.お話−幻想 5.さわやか−目覚める    R. シュトラウス:チェロ・ソナタ ヘ長調 op. 6
<アンコール> ラヴェル:ハバネラ形式の小品  カサド:親愛なる言葉  ラフマニノフ:ヴォカリーズ

第1日  日時 7月2日
     会場 さくらプラザ(戸塚)
第2日  日時 7月8日
     会場 Hakuju Hall

チェロのリサイタルが少ないこともあるが、チェロの音色が好きで自分で楽器を弾けるようレッスンも受けているのにもかかわらず、チェロのリサイタルを聴きに行くのは久しぶりだ。自分で弾くのは楽しいが、独奏をわざわざ聴きに行くのも億劫ということでもある。そのチェロのリサイタル(デュオ)を二度も聴きに行く。チェロの巨匠には申し訳ないが、今回もお目当てはピアノの萩原さんだった。

堤氏と萩原さんの共演は一昨年のLFJでのメシアンの世の終わりのための四重奏曲<成田達輝(Vn.)、吉田誠(Cl.)、堤剛(Vc.)、萩原麻未(Pf.)>以来だ。この時は緊張に満ち満ちた演奏でその年の最高の演奏の一つに挙げたものだ。

今回の二度のコンサートは<チェロ界の重鎮ときらめく感性のピアニスト、極上のデュオ>と銘打っているが当に、萩原さんの感性に触発された形でチェロの巨匠が重厚な音楽の世界から感性の世界に移りその世界に浸り楽しみながら演奏している感がした。

2回の演奏会ともに演奏が進むにつれ私だけでなく会場全体が堤さんと萩原さんの演奏に引き込まれ、前半から曲が終わるたびにやんやの喝采が演奏者に送られた。


チェロの巨匠が若手のピアニストとデュオを組んだかについては、以下の<堤剛の萩原麻未評>を

ピアニスト萩原麻未さんの素晴らしさは様々な言葉で説明出来ると思いますが、私が一番強く印象付けられる点は萩原さんが持っていらっしゃる独特の色彩感です。ピアノという楽器からこれ程迄に多くの音色を引き出せるピアニストはおられないのではないでしょうか。それは単に音色の変化だけではなく、萩原さんが作り出すフレーズの中の一音一音として生きているのです。ですから表現の幅が拡がるだけでなく、音楽がそれ本来の生命を持ったものになってきます。
もう一つ萩原さんの演奏を特徴付け他の方の追随を許さないのが秀でたタイミングのセンス(日本語で言う「間」)でしょう。そこでは音楽が呼吸しているだけでなく、鋭い緊張感から逆に全てが穏やかに感じられる静けさまでが含まれていて、聴き手の心を自然につかみ、萩原さんの音の世界に誘い込みます。一緒に演奏する度にそれを感じる事が出来、素敵な音楽世界を楽しめますのは私にとって真に幸せなことだと感謝しています。これからも二人のレパートリーを増やし、新しい音楽芸術の世界を切り拓いていく喜びを皆様と是非分かち合いたい、という強い気持ちを持っております。

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