(つづき)
ぷんすか怒りながら、家の中に入ったワタシをクーちゃんとモンが熱烈歓迎してくれた。
「今日はいつもより長いお留守番だから、骨あげるからいいこでまっててね」
そういってワタシはでかけたのだった。
1階はほとんど荒らされていない。
ハハと王子のオカーチャンがいるので、細かくチェックしているヒマはなかったが、なんかこう、空気は「穏やか〜な時間がすぎました」的である。
王子のオカーチャンが帰って、デイサービスに入れるクレームを考えながら2階に上がったワタシはへなへなへなと座り込んでしまった。
もはや何が被害をこうむったのか分からないほどコナゴナのむちゃくちゃに散らかった床。
一目みて、すごく、いやーな予感がした。
インターネット用のLANケーブルよりももっと嫌な予感だ。
しゃがんで、破壊物のかけらを組み合わせて被害状況を確認したワタシは野太い声で叫んだ。
「モン! ちょっとこい!!」
どきどきと柱の影から見守っていたモンがぴゅーっと階下に逃げていくのが分かった。
(良くある光景だが、普段階下まで逃げていくことはない)
デイサービスへのクレームなんぞふっとんでいた。
とっちらかっているものを片付けて、掃除機をかけて、被害物のまとめをしてから、階下に下りていった。
モンは椅子の下にいた。
椅子の下から引きずり出して2〜3発しばき、クレートの中にぶちこんだ。
虐待である。ふん。
クレートの中にはマットやクッションがはいっていたので、それを取り除き、トイレシート一枚にして、跳んで逃げようとするモンをわしづかみにして扉をしめる。
ハハをつれて食事に行かねばならなかったので、これ以上モンにとっちらかされるのは困るのである。
クーちゃんが困ったように見ている。
ワタシがモンを厳しくしかるときって、自分が子供のときに父祖母にされたしかり方をしている事が多い。ハハはいつも困ったように見ていた。
自分でも父祖母のやり方は子供に対してひどいと思うんだけど、気がついたらモンに同じことをしている。
「・・・まー、それでもワタシ、こんなんやし♪」と思うようにはしているけど、気持ちのいいものではない。
とにかく早急に掃除である。
いらないものは捨てるのである。
かじられて困るものは隠すのである。
わかっちゃいるけど、ワタシはそれが苦手なのである。
ここまでワタシを逆上させた損害物とは。
・温熱灸のもぐさ(高い!)
・低周波治療器(この前壊されて買いなおしたばかり)
・普段使いのかばんの手提げ部分
・ハハが置きっぱなしにしていたカイロ(鉄の粉ばらばら)
怒りながらも被害内容がなんか笑けてくるのであった。
* * * * *
そして、階下でモンが遊んでいるときにすみっこでハハのキーホルダーを見つけた。
キーホルダーが革でできているので、かじるのに具合がいいらしい。
しかし。
なんということであろう。
その直前に外出したときに、ワタシは予備の鍵を作ってしまったのであった。
ミュージカル終わってからの時間が濃密で長かったわ〜。
あぁ、神様はどうしてワタシに「片付けとお掃除」の能力を与えてくださらなかったのかしら。
「セルフ・ネグレクト」という言葉がちらりと頭を掠める今日この頃。
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