多摩美の学祭で「佐野研二郎の葬式ごっこ」が執り行われる
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1902878.html
在校中、僕は芸術祭（学園祭）の実行委員会で展示委員長をしたのだが、その時最高の展示として評判だったのが、グラフィック科の有志によるインスタレーションだった。それは教室を一部屋使ったもので、オーディエンスが暗い部屋に入ると目の高さの小さい窓があり、それを覗き込むと眼前には葬式の風景が広がるというもの。涙を流したりしている喪服姿のハリボテで作られた人形がズラッと並んでいる場面を見せられたオーディエンスは、教室のもう一つの入口（教室には必ず前後に出入り口がある）から再度その状況を確認すると、自分が覗き込んだ窓が葬式の祭壇の遺影のフレームで、まさしく自分の葬式だったことを知ると言うもの。
こういうブラックジョークは多摩美のグラデに連綿と受け継がれているのかもしれない。
学園祭でのこういった企画は就職の際に大いにアピールになるので、デザイン科は結構気合を入れる。
今回のこれも彼らとしては自己宣伝のためとだろうから、こうして話題に登っただけで十分成功と言えるだろう。
しかし、造形的な面白さが無い点で、僕の時のそれと比べて全く見劣りするように思う。
パクリでもなんでもいい。とにかく見栄えのするものを見せてみろと言いたい。その点佐野氏の方が随分得点が高い。君らのやったことだって前例があるんだよ。
所で話は違うが、多摩美の学園祭は学生による自主運営で、学校側はノータッチ。ただ場所を貸しているだけというもの。学生運動盛んな頃多摩美もお盛んだったようで、その影響があってかちょっと京大に近いような学生自治の気風が残っていた。
それが学校側としてはあまり面白くないようで、学園祭に代わる大学のアピールの場として大学主催のオープンキャンパスを始めて、学園祭を止めるように推し進めていたと聞いた。
あの自由で何でもありの芸祭が無くなってしまうのかとさみしく思っていたのだが、こうして残っている記事を読んで少しホッとした。
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