2012年4月25日(水)
NHK交響楽団第1726回定期演奏会。
指揮はロジャー・ノリントン。
ピアノが河村尚子。
サントリーホール。
ベートーヴェン:序曲「コリオラン」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調
ブラームス:交響曲第2番ニ長調
これは素晴らしかった。
ノン・ヴィヴラートのピリオド奏法。
ベートーヴェンの序曲からして、それがはなはだ効果的。
河村さんが協奏曲の出だし、和音をアルペジオで弾いたのにもびっくり。
第2楽章での、オーケストラとピアノの対話。
オーケストラは早いテンポでノン・ヴィヴラート。
ピアノはとても柔らかい音。
この対比は美のきわみ。
だけどブラームスは、もっと素晴らしい。
ノン・ヴィヴラートのピュア・トーンが、ブラームスの音符をむき出しにする。
それの美しさったらない。
かさぶたのようなヴィヴラートまみれの演奏が、ブラームスの音楽をこれまで覆い隠してきた。
それを取り去った無垢のブラームスに、われわれは初めて出会った。
ヴェールの向こうに、音楽の真の美の世界があった!!。
しかもこのブラームスは、われわれがひそかに予感してきたそのブラームスでもある。
ブラームスの音楽にわれわれが、抱いてきたイメージを裏切らない。
そうしたイメージが「さらにその先」にあるはずのものとして、暗々裏に指し示していたもの。
今までに体験したさまざまなブラームス演奏が「本当はこうでありたい」と願望してきた「理想の音の響き」を、あっさり実現してしまった。
とにかくとにかく素晴らしい!!。
終演後、T氏と「ライオン」でビール。
大いにおだをあげる。
(2012年4月30日17時記)
ログインしてコメントを確認・投稿する