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2016年07月31日11:20

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依頼「自慢したい気持ちは抑えて」

以前から気になっていた本屋さんに行ってきた。

同人誌や個人出版の本を中心に品物を揃えている特殊書店で、フリーペーパーの類も多く配布されている一風変わった本屋さんである。

以前、友人から、そのお店自身が発行しているフリーペーパーを貰って読み、そこから同書店を気にしていたのだが、当時私が住んでいた所からかなり遠かったため、足を運ぶのをためらっていた。

ところが昨年、今の場所に引っ越してきて、件のお店が比較的近い距離となったため、満を持して遊びに行ってきたという訳だ。


街の中心から一駅離れた商店街にあるそのお店は、予想していた通り、実に素朴な場所にあった。

商店街のほとんどはシャッターを下ろし、営業している店も、細々と商いを営んでいるような状態の中、オーナーが採算度外視で好きな事をやっているような印象がとても強い。

私以外のお客さんなんていないだろうと思い、お店の前に立って記念撮影していると、中からガヤガヤと声が聞こえてきた。

その声がだんだん大きくなり、入り口に近づいてくると、男女4名が中からドアを開けて出てきた。

どうやら先客だったらしい。

お客の入りは私の予想とは逆に、思いのほかあるようだ。


中に入ると私以外にもお客さんが居て、お店の人と何やらお話をしている。

「あのう私、京都から来たんです」

「えぇーほんとですか、わざわざありがとうございます」

遠くから自分のお店にわざわざ足を運んでくれたなんて、店員さんとしてはとても嬉しいだろう。

遠くから訪ねてきたそのお客さんの気持ちも良く分かる。

私も何年か越しにようやく訪れることができたのだから。


サブカル臭たっぷりの店内はとてもアットホームで、それ系の人のホットスポットだという事が確認できた。

商品を手に取り、購入してくるようなものは特に無かったが、長年気にかけていたものが解決されて、ちょっとすがすがしい。

私も店員さんに話しかければ良かったかな「私、京都よりも遠いとこからきました」って。



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