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2016年04月22日22:33

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バロックファゴット、2つのコンサート

同じ中低音域の楽器のモダン楽器とそのご先祖様、モダンファゴットとバロックファゴット、当然音質は似てはいるが以前書いたように、都会的なモダンに対してすこし田舎ぽく茫洋としたところが魅力のバロック。数少ないファゴット奏者の更に希少なバロックファゴット奏者のまた更に希少な女性奏者の永谷さん。彼女が出演する貴重な演奏を立て続けに聴く機会があった。


○「若冲展」プレ・コンサート vol.2 〜ヴィヴァルディと若冲 ― 生きものたちの楽園 <東京・春・音楽祭 ミュージアム・コンサート>
日時 4月14日
会場 東京都美術館 講堂
出演 リコーダー、バロックオーボエ、編曲:江崎浩司、 バロックファゴット:永谷陽子、 チェンバロ:中村恵美
曲目 ヴィヴァルディ: 2本のオーボエと通奏低音のための協奏曲 ト短調RV81、 協奏曲 ヘ長調 《恋人》(原曲:ヴァイオリン協奏曲ホ長調 RV271)、 協奏曲 ニ長調 RV90 《ごしきひわ》、 リコーダーソナタ ト長調 RV806、 ファゴットと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調 より(原曲:チェロと通奏低音のためのソナタ RV45)、 ソナタ第6番 ト短調 RV58 《忠実な羊飼い》 op.13 より、 リコーダー、ファゴットと通奏低音のためのソナタ イ短調 RV86
先日聴いたアントネッロのコンサート同じ東京・春・音楽祭のミュージアムコンサート。前回はカラバッジョ展&アントネッロと同時開催であったが、今回は若冲展に先行した形でのコンサート(音楽祭が終わった後に若冲展が開催するため、苦肉の策か?)。
2月に聴きに行ったタブラトゥーラの公演で配られたチラシにこの演奏会がありチケットを手配した。
単独の平日昼間の公演ということもあってかやや入りが悪い。ヴィヴァルディの名曲を名手が演奏するのにもったいない。
1曲目は2本のオーボエのための協奏曲、オーボエとファゴットに編曲して演奏する予定を、永谷さんがファゴットをオーボエに持ち替えて原曲の2本のオーボエのための協奏曲として演奏する。同じダブルリードの楽器とはいえ構造やキーの指遣いが違うはずの楽器をこともなげに演奏する。
最後に演奏した名曲のリコーダー、ファゴットと通奏低音のためのソナタ イ短調 RV86、曲良し演奏良しで大いに満足する。


○桜サロンコンサート 第10回
日時 4月17日(日)
会場 前川邸(西永福)
出演 飯塚直(リコーダー&パーカッション)、  永谷陽子(バロック・ファゴット&バロック・オーボエ)、 寺村朋子(チェンバロ)
曲目 A.ヴィヴァルディ:ソナタ 変ロ長調(ファゴットソロ)、 G.P.テレマン: トリオソナタ ニ短調、 サン=サーンス:動物の謝肉祭 ほか 
西永福の住宅街にある趣味の良い瀟洒なお宅が会場、聴き手が20名ほどの小さなサロンコンサート。永谷さんから教えていただいたので聴くことができた。自宅の居間にチェンバロを置き、プロの演奏家を招き小さなコンサートを開く、何とも贅沢で粋だ。奈良の佐保山茶論、七尾の旧家でのコンサートなどがあるようだが、都心にもやはりそのようなサロンコンサートがあるのは嬉しい限り(以前青葉台のレストランでやはり20名程度のサロンコンサートがあったが最近やっていないみたいだ)。
飯塚さんと寺村さんの二人が演奏してきたようで永谷さんは今回が初めての登場とのこと。ほとんど人がお馴染みさんらしく飯塚さんも寺村さんもリラックスした様子でお客と話をしていた。
演奏者3名でも小さな空間で間近に聴くので音量の小さな古楽器でも迫力がある。特にファゴットが入ると音に広がりと深みが出てくるように感じられた。

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