先に王子を帰らせたつもりだったが、下でワタシを待っていたので一緒に帰った。
以前はウチから徒歩5分くらいのところに住んでいたのだが(そして毎夜ワタシはワンコの行くがままにそのハイツの前を通っている)、今は徒歩20分くらいのところに引っ越している。
まっすぐ家に帰ると思っていたら、突然「ネーチャン、鯛焼きたべよ!」という。
最初、王子が予定していた鯛焼き屋さんにいくためには、少し距離があった。
王子 「ネーチャン、後ろ(自転車)乗って!」
ワタシ「ええわ」←遠慮します、の意。
王子 「あそこまで歩いていくのン、面倒くさい。乗れって!」
ワタシ (いやいや荷物台に座る)
よく考えてみると、こんなに王子の背中を間近で見るのは初めてだ。
(おっきなったなぁ・・)と感慨にふけるヒマもなく、王子が自転車を漕ぎ出す。
その途端に騒ぎ出すオネーチャン。
ワタシ「わー! コワイコワイコワイ!! 降りるっ」
王子 「腰もたんといて! それから、揺らすな!」
ハハに対する優しい態度とは、エライ違いではないか。
ワタシ「イヤ、ホンマにコワイ! おーろーしーてー!!」
丁度後ろからパトカーが来て、王子がスピードをゆるめたのを見計らって、荷物台から飛び降りたワタシは、そのまま『車に轢かれてペッタンコになっているカエル』のように、道路にベッタンとこけていた。
車道を走っていたので、冗談ではなくピョン吉になってしまうところだった・・・。
王子 「なんでこけるんや・・・」
ワタシ「自転車なんて一人で乗るのも怖いし、自分で制御でけへんと思ったから、
もう4年ほど乗ってないもん。
それに二人乗りでは常に前やったからな。」
王子 「答えになってないし」
ワタシ「・・だから、どんくさなってるからやんか!」
王子 「ちゃんと座ってたらええだけやんか」
ワタシ「安心して座ってられへんわ。
アンタはネーチャンの自転車の前に子供用の椅子くっつけて、そこに乗って
たんやで?
その子がこいでる自転車の後ろはこわいわ」
王子 「そうなん?」
ワタシ「うむ。」
1軒目の鯛焼き屋さんが閉まっていたので、少し離れたところにある鯛焼き屋さんに行くことにする。
王子は最初は乗るように行ったが、ワタシが頑なにそれを嫌がったので、最初は自転車を押して歩き、次に自転車にのってゆっくりこぎ始めて、そして言った。
王子 「ネーチャン、世の中てオモロイな!」
ワタシ「なんで?」
王子 「いろんな人がおって、いろんな考え方がある。 みんな、ちがう。 おもろいわ。」
ワタシ「・・・そやな。」
あまりの羽化っぷりに、留学中にいったい何があったのか、くわしく聞きたいオネーチャンだった。
そして、オネーチャンは鯛焼きをおごらされ、
ウチに帰って両足をみたら、それはそれは見事な擦り傷と青タンがありましたとさ。
とほほ。
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