mixiユーザー(id:23379704)
2015年04月21日18:48
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[趣味・再読] TWELVE.Y.O.
まぁ、再読どころか何度となく読んでるけど。
初出は1998年。
裏表紙の文面をそのまま引用すると
沖縄から米海兵隊が撤退した。それは米国防総省が、たった一人のテロリストに屈服した瞬間だった。
テロリストの名は「12(トゥエルブ)」。最強のコンピュータウィルス「アポトーシス�供廚汎罎諒軸錙屮Ε襯沺廚鮖箸ぁ∧胴駛描躱覆魘芝�しつづける「12」の正体は？真の目的は？
圧倒的スケールの江戸川乱歩賞受賞作。
…という作品。
物語の主要な舞台が昨今何かと騒がしい辺野古だから、ちょいちょい読みたくなって仕方ないのよ。
でね、読み返す度に思うんだわ。
「これは本当にフィクションなのか」ってね。
もちろん、物語を彩るアポトーシスやらウルマやらの「小道具」は、フィクションの範疇ってのは当然として。
その背景にある在沖海兵隊の存在意義の消滅なんかは、紛れもなくリアルだろうからね。
福井晴敏の自称・研究者としては、福井の最大の魅力はこの「リアルなフィクション」って部分だと思うんだけどね。
出版当時から17年も経った今、尚更この作品が「リアル」に思える。
在日米軍が日本を、日本人を護ってくれる。
そんなのが新興宗教並みの妄想だって事が、2011年3月に図らずも彼ら自身によって証明されたからね。
福島から飛来する放射能からさっさと逃げ出したんだから。
基地の周りの人には何も警告しないで、ね。
ああ、そういや大型台風の時もさっさとグアムに避難してたっけ。
話を戻して。
福井作品のもう一つの魅力が、「類型的創作」だというのは、前に書いたかな。
以前にそんな内容で身内の小さな集まりで発表したんだけどね。
福井作品にお決まりのパターンとして登場するのが
「優れた能力を持ちながら組織の中で燻る中年」と
「情報組織の優秀な工作員だけど、人間として歪な若者」。
端的に言い換えると「父と子」(血の繋がりではなく、精神的象徴としての)って事になるんだけど。
この作品については、その意味合いが最大限だと言えるね。
分かる人には分かる、タイトルの意味ってやつで。
未読の方は、是非ご一読を。
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