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2015年04月20日19:16

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4年経ってやっと投入したロボット


 もう、日本では真空管が作られていないので (というか世界のどこかで真空管作っている国はあるんだろうか?)
 回路に半導体を使わなければならないのはやや仕方の無いところ。

 かつては真空管が大量に使われていた時代もあった。
 世界最初のコンピューターと言われるエニアックにも膨大な真空管が使われた。

 現在私たちが、モバイルで持っているような手の中に入るような電子機器であっても、エニアックよりははるかに性能は上。

 エニアックの開発経緯として大きなものは弾道計算。
 大砲の玉がどこに着弾するか、という計算はとっても難しい。
 風向きは一定ではないし、湿度や空気の密度は高度で大きく変化する。

 移動する船の場合、地球のどの場所からどこに狙って着弾させるかという条件の違いが大きく効いてくる。これは地球の自転の影響で生じるコリオリの力による。


 このため、戦艦大和、では、計算室に200人もの計算要員が詰めていて、そろばんと恐らく計算尺を使って手計算で主砲の方位・射角を計算していたのだろう。


 そういう計算がたった一個のチップでおおよそ済んでしまう現代にあって、ロボットを作ること自体はそう難しいものではなくなったが、耐放射線を考慮するのは容易ではない。

 勿論、中性子爆弾のように、電子機器に大きなダメージを与える兵器が現存する以上、軍事目的での回路開発は行われてきた。

 半導体は真空管より早く発見され実用化されたが、その後発明された真空管は半導体の性能を上回り、20世紀のエレクトロニクスを支える素子として重要な位置を占めていた。

 しかし、私が子供の頃にはトランジスタは大量生産される状況で、さらに集積回路としてICも市販されていた。

 CPUそのものをひとつの部品として制作する技術が確立され、コンピューターの進化は劇的な速さで進んだ。現代ではその恩恵を私たちは大きく受けている。

 ロボットのような同じ動作を繰り返す機械には、こうした小型化されたコンピューターと簡易的なプログラミング言語があれば十分だった。このことで、日本はロボット大国と云うまでになる。


 

 けれど、壊れた原発の中で動かすには、少なくとも本体側で動作を担当する信号を受け、モーターを回す、という最低限の仕事が要求される。故、有線で誘導する形を取るのだが、それでもあまりにも放射線が高く、そんな簡易回路でも壊されてしまうのだろう。小さな真空管を作る技術を諦めずやっていれば、この問題は回避できた可能性はある。
 だが、トンネルダイオードまで出現した後で、もはや古い技術、と認識された真空管の性能向上など一体誰がやるだろうか。

 覚えている限り、1970年代まではまだ真空管も作られていたようだが、1980年代になると、それもなかったようである。壊れたら、部品取り用の機材から持ってくるしか無くなっていた。
 今だったら、基盤ごと取り替える、ということになろう。

 2015年の現在、私の家では、シャープと東芝のブラウン管テレビのみが現役。実家に方にはまだ、オシロスコープが現役で使える状態にはある。

 ロボットの事をよく知っている人なら、なぜ原発内部にロボットを投入しないのか、と思うだろうが、本体側に半導体部品があれば、その寿命がロボットの寿命を決めてしまう。通常の環境下で使うのとはちょっと違うのだが、このような事故を想定していなかったのは大きな過ちだったろうと思う。

 臨界状態の原子炉のプール内で自由に動けるロボットの開発、というのは実験的にはいくらでもできたはずである。でも、やっていなかったからこそ、その開発に4年も掛かったのは事実。


 単純に利益追求型、という社会を作ってしまったのがある意味 「敗因」。
 技術や、少なくとも科学は何か利益を出すためにやっているのではない。
 
 役に立つか、役に立たないか、そんなことと無関係に、色々やれる社会、というのは大事だろう。そういう大切さを、政治家や役人が少しぐらいはわかってくれていたら、と思わずにはいられない。


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■格納容器調査、2台目ロボットも回収断念 福島第一原発
(朝日新聞デジタル - 04月20日 14:00)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=3380209

 東京電力は20日、福島第一原発1号機の格納容器内に投入した2台目の調査ロボットについて、回収を断念したと発表した。ロボットとともに投入された監視カメラが、放射線の影響で劣化して使用できなくなり、回収に必要な動作をロボットがとれるのか確認できないためという。

 東電は、1台目のロボットを10日に投入したが、途中で走行不能となり回収を断念。2台目は15日に投入し、16日までに1台目とは別の範囲の調査をほぼ予定通りに終え、18日から1台目が調査できていない範囲を調べようとしていた。

 2台目は、1台目が走行不能となった場所まで到達し、残されたケーブルなどの位置を確認。戻る段階で、監視カメラが使用できないことがわかったという。東電は「無理にロボットの回収を試みると、逆にリスクが大きいと判断した」と説明している。

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