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2015年02月19日16:58

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今回の蜷川さんのハムレット、なんか総決算っぽい感じで大いに楽しめました

先日・・・
クレジットカードの明細書にニホンゲイジユツブンカシンコウカイ
なにこれ、胡散臭そう・・・
ひょっとしてスキミングとかクレジットカード詐欺かなにか?
・・・と思ったが使用日時でよ〜く考えてみたらその日は国立劇場に菊五郎の芝居観に行ってましたわ。
まぁ税金じゃぶじゃぶ使って天下り天国なので胡散臭いのには変わらんのだけれどね。

半ズボンをはいてギターを弾くあのひとのバンドを観に夏に行こうと思う。
場所がよくわからず、車でしか行けそうもないのだが毎度その周辺は鬼のような大渋滞になるらしい。足となりそうな留学していた後輩はすでに帰国してしまっている。
どーにかならないかジレットスタジアム。

遅ればせながら先週の祝日。
埼玉まで芝居なのだが、毎度さいたまスーパーアリーナの最寄の駅と混同しがちでどっちで降りるんだっけとスマホで検索する。まったく学習効果はない・・・・
同行したマイミクさんは神奈川からだったんでほとんど小旅行。
なんか根性試されているようですな。

ハムレット @ 彩の国さいたま芸術劇場

演出家蜷川幸雄生誕80周年を記念しての公演。
昨年の伊東四朗生誕77周年のように高齢になればなるほど記念公演とは・・・?

さて蜷川さんのハムレット、
87年の渡辺謙、荻野目慶子のヴァージョン
98年の真田広之、松たか子のヴァージョンに続いて3度目の鑑賞。
今回は藤原くんと満島ひかりの顔付けでした。

いきなり小屋に入ると貧民街のセットでスクリーンには今回は19世紀末の日本の貧民街の長屋での素人芝居によるハムレットであるとの字幕が・・・
最後まで見通したかぎりでその設定の必然性はあまり感じなかったが、こういう大上段にかまえたこけおどしのようなもの嫌いじゃないです。
80年代の巨大な仏壇のセットの「NINAGAWAマクベス」や能舞台をつくった「テンペスト」とむかしの蜷川さんの芝居を思い出させてくれてます。
(と言うより最近の蜷川さんのシェイクスピア、シンプルなセットが多く淡白で物足りなかったのよね)
このあとロンドン公演もあるので彼の地の人にとってこういうオリエンタルなもんも過去の蜷川公演同様に受けるでしょうね。

解釈としても従来と変わっていたのはクローディアス王の兄殺しを後悔、苦悩する部分もクローズアップさせていました。その辺はベテラン平幹二朗が十分引き出していましたが、さんざん井戸の水をあびて懺悔するのは結構too muchな印象でもあるけど、やっぱり彼の地の人には受けそう。
(そうそう蜷川さんが最初に演出した東宝時代のハムレットは平さんだったんですな)
あとハムレットとガートルード王妃の近親相姦を匂わすような部分も強めていましたかな。
その反面オフィーリアに対するハムレットの感情はセリフの内容に比べるとやや薄くも感じましたな。

最後のノルウェイ王子フォーティンブラスの入場の場、豪勢なことが多い通常と違い静かに終幕という印象を与えたがフォーティンブラス役の俳優は、たぶん蜷川さんの意図なんだろうがあまりにも声が小さく聞き取りにくかった。7列目だったのでかろうじて聞かれたが、後方席や2階席のひとはどうしたんだろう。

ほかにも旅回りの劇団による劇中劇で雛飾りを出していたが、渡辺謙がやったときのハムレットと同じで(要するにひな壇が階級社会を表すというもの)なつかしくも思えました。

なんかいままでの蜷川さんの総決算のような舞台の印象で大いに楽しませてもらいました。

ちなみに藤原くんのハムレットはかなりの熱演ではあるもののちょっと熱すぎる、苦悩しすぎる・・・とちょっとtoo muchな印象もありましたかな。

満島ひかりはここ最近の舞台を観るかぎりだとメキメキ舞台女優としての腕もあげていたので今回のオフィーリアは興味津々でしたが、シェイクスピア独特の台詞回しがまだ板についていない印象であったかな。この辺はもっと場数を増やしたほうがよいかも。
でも後半の狂乱の演技はなかなかオフィーリアの儚さをうまく出していたとも思う。


以前の藤原くんの出た蜷川ハムレット



作 :W.シェイクスピア
演出:蜷川幸雄
翻訳:河合祥一郎

ハムレット:藤原竜也
オフィーリア:満島ひかり
ガートルード:鳳 蘭
クローディアス:平幹二朗
レアティーズ:満島真之介
ホレイショー:横田栄司
フォーティンブラス:内田健司*
ポローニアス:たかお鷹、
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