mixiユーザー(id:1682634)

2010年10月06日13:07

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手札をプレイするタイミング

経営や交渉や戦争やゲームなどにおいては「手札(リソース)は適量を適時に投入すべきもの」とされています。勝敗が決する要所に集中されるよう適切に投入していくのが効率的です。負けが確定した後もリソースを投入し続けたのでは、自分の傷を広げるだけです。

さて、尖閣諸島問題では既に中国側の得点が確定しました。中国側の実績(領有宣言できたこと、日本が船長釈放したこと、紛争地域としてクロースアップさせたこと、スプラトリー周辺諸国への影響など。また海底油田開発の進捗も)を打ち消す手段はもうありません(これらは数十年後を見据えた布石です)。したがって、いまや日中関係を悪化させるメリットはもうほとんどありません。双方の国民の多くが不愉快と思っているかも知れませんが、双方ともにほどほどに国民を宥めながら修復を図るのが最善の形になったと思います。
日本側はさっさと衝突ビデオ公開をすべきでした。現在においては、公開による短期的あるいは長期的なメリットよりも日中関係悪化のデメリットの方が大きいです。日本にとって理想は「ビデオ公開してなおかつ反目を再燃させない」なのですが、そのような冷静な対応はこの国民気質からして難しいでしょう。もはやこのカードは、使う機会を逸してしまったのです。

日本的民主主義の構造的な問題点の一つが「意志決定の遅さ」です。事前にドクトリン(基本原則)を作成しておかねば、しばしば時期を逸します。国家にとってプラスであっても政治家にとってマイナスな選択肢ならばなおさらです。
今回の教訓を忘れずにドクトリンを確立させることが大事だと思います。しばらくは国民を刺激しない形で交渉しながら実行支配の強化を図ることになるでしょう。
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