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2008年02月04日12:12

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笑い事

いささか旧聞に属するが、地元の話だし、この件について一言。

原田泰治氏 贋作の売買に怒り
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=394489&media_id=4


原田泰治氏は原田泰治美術館が出来た時、ほとんどの作品を同館に売って、その年、納税者番付に載ったりしていたが、その他では自分の絵を売らないので作品が市場に出ることはない。
もともと彼は職業画家ではなくイラストレーターなので、版権料などで稼いでいたのだろう。
つまり原田泰治氏の絵には市場価格というものがないのだ。

この東筑摩郡の男性は娘の結婚祝か何かにこの絵を購入したそうだが、100万円という値段はいかにも御祝儀然としている。
御祝儀だったら高い値を付けた方が縁起がいいのだろうから、これはこれで良しとすればいいのではないだろうか。「その絵」自体は手に入ってるのだし。

原田泰治氏も自身の絵を他の人にパッチワークで描かせて、その展覧会を前出の美術館で開催したりしているのだから、意匠権を主張したいわけではないだろう。
アクリル画の原画をパッチワークで描くのはOKで油絵だと贋作と騒ぎ立てるのでは首尾一貫しない。

描くのは良くても売るのはNGというわけか。
でも欲しいという人がいたら値段がついてしまうのが貨幣社会というものではないか。
何しろその絵自体に相場がないのだから、例えば本作が一億円と設定すれば、その模写だって100万だったとしても別に不思議ではないだろう。

原田氏は今後も自分の絵を売らないのだったら、まったく自身に実害はないのだから、憤りを覚えることもないだろうに。


本物と偽ったことが許せないとしても、誰もが自分は騙されたと言えば、偽りの主体はわからない。
はっきり言ってオークションにしろ松本の画商にしろ、それが本物でないことは百も承知だったはずだ。被害者面すれば責任逃れできるのがこの世界だ。そんな魑魅魍魎の世界に首をつっこんだ素人が間抜けだったと言うより他ない。

『なんでも鑑定団』で毎週のように同じような間抜けな蒐集家が出ては、観客や紳介に嘲笑されてるではないか。
同じようにこの東筑摩郡の男性も「お気の毒でしたねぇ」と笑い飛ばして終わりにすればいい事柄だ。
結婚する娘さんは5000円のポスターだろうと100万円の絵だろうと、同じように「ありがとう」と言ってくれるだろう。


だいたいこの手のことでいちいち詐欺罪の立件を考えたら、弁護士がいくらいても足りないし、訴えたところで、「勉強代と思って諦めた方が身のためですよ」と諭されるのがオチだろう。

痛い目を見れば、本当に自分にとって価値のあるものを見極める目を持とうと努力するか、あるいは羹に懲りて膾を吹くようになるかするだろう。
いずれにせよ斯界にとっては、いい加減な参加者を駆逐できるので質的向上に繋がるだろう。

ま、たいていは後者なので、美術がいつまでもマイナーな世界にとどまってしまうのだけど。

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 長野県諏訪市在住の画家原田泰治氏(67)の絵の贋作(がんさく)が同県内で売買されていたことが29日までに分かった。原田氏は「原画はほとんど手放していないので、贋作があればすぐ分かる。悪質で怒りを覚える」と話している。

 この絵は、1983年に福井県勝山市の風景を描いた「お嫁入り」。本物はアクリル絵の具で描かれ、諏訪市原田泰治美術館が所蔵している。贋作は本物より一回り大きく、縦横の比率も違うほか、油絵の具で描かれていた。画面右下には筆記体で「Taizi」のサインがある。

 同館によると、長野県東筑摩郡の男性が約1カ月前に松本市の美術商から100万円で購入。この男性が今月26日に同館を訪れた際、展示されていた本物を見て驚き、購入した絵を同館に持ち込んだ。原田氏本人が27日に贋作と確認した。販売した美術商は、県内で開かれたオークションで贋作とは知らずに購入したという。
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