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2024年04月22日17:53

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映画 「フェイブルマンズ」

スピルバーグの幼少期〜映画会社の下請け会社でバイトが決まるまで、の人生の
2023年制作の映画。

スピルバーグ姓じゃなく、架空の名前をつけての物語。

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電機〜コンピューター技術者の父、元ピアニストの母
と妹3人の家族で、最初に映画館で映画の魅力にハマり、
8ミリカメラで中学校のボーイスカウトたちを使って西部劇や戦争映画を作って
その才能が開いたと思ったら、父の仕事で引っ越したカリフォルニアに
移ったとたん、母のパニック症候群と親戚の男との別れがつらいと
別居し、スピルバーグも母に反抗的になり、、
高校ではユダヤ人とのことでいじめにあう。
いったん映画の趣味をやめようとするが、
その後、父の尽力で映画会社の下請けのテレビドラマ部門で仕事が見つかり、
その面接後に、「映画の神様に会わせてあげよう」と
連れて行ってくれた事務所が、ジョンフォードで、
ってな作品。
ある程度史実で、史実じゃないシーンもある。
この辺は、自分で作る自伝だと自分のつごうよく作るのが私小説でも同じ事。

5歳時で親に連れて行ってもらった映画館で観たのが、
1952年公開の”史上最高のショー”で
サーカス団の列車事故シーンに夢中になり、
鉄道模型を買ってもらい、それを8ミリで映して、ってな小学校時代で
家庭内がずーっと映るのだけど、
その家に親戚が来て晩飯食べるのが、
紙の皿、紙コップ、プラスチックのフォークとナイフ、で
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終ったら真ん中に集めて、敷いてる紙のテーブルナプキンごと全部捨てる、
と言うシーンが
二度出てきて、なんじゃそれ、当時のアメリカってそんなん?って面白い。
で、義理母の御婆ちゃんには
「銀のフォークとか出し惜しみしてるのか?
プラスチックだと不味いわよ」と不満だったり
幼い妹は嫌いなメニューを皿の下に隠したり。

高校でいきなり大人の世界を垣間見て、
スポーツも出来ず面白くない生活で
ユダヤ人だといじめられた同級生二人が混じっての
集団での海水浴旅行先で撮った映像を編集して学校で公開したら
とんでも受けたが、そのいじめっ子をカッコよく撮ったら
「おれはあんなにかっこよくねえ!お前、俺に何を媚びてんだ!」
と怒り心頭で罵られるが、
「君を意識して映画を撮ったわけじゃない、できたらそうなった」
と説明し、お互いの気持ちを言いあって和解できる。
、、
ただ、そのシーンを観てるとドキュメント作品でも
出来た作品を作り手と映され側の気持ちが一緒ではない、
その辺がドキュメント作家の難しいところで、
それがよくわかるシーンを入れて◎だった。

あと彼女が出来たと思ったら、彼女はキリスト教徒で、
イエスキリストの姿が大好きっ子で、家の中キリストの絵だらけで、
ユダヤ人はキリスト信じねえよ、と。
その辺は早回しで観たけど。

スピルバーグは史実では高校でユニバーサルスタジオを見学した時に
巧い事にスタジオ入館パスをもらってコネを作り、大学の休み中に
そこに入り浸ってその後、テレビ用映画の監督になるのだが、
フェイブルマンズでは、
いきなりテレビドラマ制作会社のアシスタントで働ける、って
シーンで終わる。
その働けることができたところで、面接してくれた責任者が、
「五分だけだぞ!」と
晩年のジョンフォードに逢える。
それがこの物語の核で、
その部屋にあった西部劇の3枚の絵を観て、
「それを説明しろ」というくだりがあって、
「地平線が真ん中にあるカットがあるのはクソ映画」
ってことを教えてもらう。
で、そのラストシーン、
スタジオの建物を出た若き日の主人公を
映すキャメラが、気づいたようにキャメラ位置を動かして地平線を下に持ってくる、
ってなシーンでいきなり映画は終わる。

西部劇や戦争映画ばっかりの195〜60年代の暮しや風俗が◎だけど、
当時のアメリカ史はさっぱり描かれてなく。
その辺が娯楽の好きなスピルバーグだなと。

アメリカは、才能がある人間が、歳が若くても仕事を与えるのは
給料が安く済むから、でもある。

スピルバーグの、その後の活躍の映画も見たいわ、
刑事コロンボや、テレビ映画の激突、続激突カージャック、
の時も観たい。

私が映画を見始めた頃に、スピルバーグとジョージルーカスが出てきて、
それまで、芸術作品やアングラ、オカルト、カンフー、エログロ、バイオレンスが
主になってしまって、子供が楽しめ無くなった映画産業を
娯楽作品の世界に元に戻してくれた二人がいなければ、
未だに、へーんな芸術作品の世界を延々とやっていて
もしかしたらテレビに飲み込まれてたかもしれない。
その辺では、ジョージルーカスの自伝も観てみたいが、
それは「アメリカングラフィティ」で観られる。

監督の自伝映画、って他にもあるかなあ、
北野武の一本、
カメラを停めるな、(フィクションの監督)
アメリカの夜、
あの頃ペニーレインと
ヒッチコック(観てない)
エドウッド は、傑作。
他、8二分の一はあるが、あれは難解な映画だった。

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