「PERFECT DAYS」 見てまいった。
素晴らしい。
他に言葉は要らない。
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なぜ、ヴェンダースを見なくなったのか?
何となく、もう上がっちゃって、サイコロを振ったところで、どこにも行かないツマラナサを感じていた気がする。
しかし、23年ぶりに見たヴィムは、振り出しから もう一度やって見せたのである。
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おそらく、デジタルで撮ったと思うのだが、なぜか、画角を【スタンダード】にした。
当然と言うことになっている、商業主義の結果なあなあで決まった【ヴィスタ】を却下したのである。
どのように撮影したのか、鈍感な 1,100円のパンフは何も伝えない。
スクリーンはヴィスタで開いており、スタンダードの画角の余分な両サイドも黒が映っているらしい。
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役所広司のセリフは、全部足しても原稿用紙1枚にもならないと思う。
映画というのはそういうものだ。
主役の平山の人生が、なぜ、こうなったのか、映画を最後まで見てもわからない。
日々、物語漬けになっている連中は、混乱して帰っただろう。
それが映画なのだ、と覚醒するきっかけになれば重畳。
納得できなければ、映画の情報源を変えることだ。
テレビ局から金を貰って、提灯持ちをする評論家モドキが、楽しい映画をいくらでも教えてくれる。
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外国の監督が日本で映画を撮ると、日本人と視線の異なることがある。
日本人の目には当たり前の物として見えなくなっているものを見ている時がある。
ひとつ例を挙げるなら、高速を含めて、絡み合うように町中を縫う東京の道路は画になるらしい。
タルコーフスキイが『ソラリス』を撮ったときも、首都高に異様な興味を示していた。
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平山の人生を目撃するのも悪くない。
何の実利がないとしても。
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