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2023年04月26日07:07
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憲さん文芸論 安政七年三月三日の江戸に降る雪はいつ止んだのか？ 作家吉村昭氏の歴史小説の執筆作法から学ぶ！ 後編
※画像は吉村昭氏原作の映画『桜田門外ノ変』のポスター
前編から続く
そして実は憲さん最近この吉村昭さんにはまっている。
彼の小説は何冊か読んで憲さん随筆にもあげている。
参考
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憲さん随筆
人と熊の共生は可能なのか？ ドラマ『羆嵐(くまあらし)』二編を視聴して考える
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憲さん随筆
丹那トンネルで日本の階級闘争に思いを馳せる 階級的小説吉村昭著『闇を裂く道』を読んで
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そして、最近幕末の日本の外交史を調べるため“川路聖謨(かわじとしあきら)”について彼の書いた『落日の宴』を読もうと図書館で『吉村昭歴史小説集成 四 落日の宴他』を借りた。
参考
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【吉村昭歴史小説集成 四】
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【川路聖謨】
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【落日の宴】
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憲さん随筆
再考！ 人間の“死に様”を考える。 保阪正康著『Nの回廊』に書かれた西部邁の死に様
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そして、はまってしまった！
この本は是非とも手許に置いておかねば！との衝動に駆られてAmazonで「ポチっとな〜」してしまった！
定価6380円が送料込みで2000円である！
安い！
それにしてもAmazonは便利である！
“仮面ライダーアマゾン”もビックリである！
(´艸`)くすくす
参考
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【仮面ライダーアマゾン】
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おっと！話が逸れた！
吉村昭氏が書いた小説は膨大である。しかし、そのモチーフのほとんどが憲さんの興味を持つものと一致している。
『熊嵐』しかり
【『熊嵐』】
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“丹奈トンネル”しかり
【『闇を裂く道』】
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(これらは前述した通り憲さん随筆にあげている)
『高熱隧道』しかり
【『高熱隧道』】
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『漂流 』しかり
【『漂流』 (小説)】
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参考
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憲さん随筆
空前絶後！ 土佐長平の無人島からの脱出！ 『江戸時代のロビンソン』を読む
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『三陸沿岸大津波』しかり
【『三陸沿岸大津波』】
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『関東大震災』しかり
【『関東大震災』】
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参考
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九月、東京の路上で−私たち日本人は百年前何をしたのか？
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である。
そして、特に彼の歴史小説は秀逸である。
参考
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【吉村昭】
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【吉村昭の歴史小説】
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この中でも憲さんやはり『落日の宴』などの幕末ものが好きである。
そして、彼の歴史小説の技法はウィキペディアにもあるようにこうである。
「地道な資料整理、現地調査、関係者のインタビューで、緻密なノンフィクション小説（記録小説）を書き、人物の主観的な感情表現を省く文体に特徴がある」
この、「主観的な感情表現を省く」というところが憲さんにとって大変好感がもてるところである。
司馬遼太郎氏などは登場人物の「主観的な感情」どころか、著者自身の「主観的な感情」や「余談」が多く憲さんは読んでいて辟易となる場合が多い。
さらに吉村昭氏は、それでいて「当時の文壇では珍しい速筆の作家としても知られていた」そうである。
その能力といったらとてつもないものであろう。
そして、ウィキペディアにはこうも書いてあった。
「『彼ほど史実にこだわる作家は今後現れないだろう』と言っており、フィクションを書くことを極力避け、江戸時代のある土地の特定年月日における天気までも旅商人の日記から調査して小説に盛り込む、ということまで行っている」
本当か？
憲さんはこの吉村昭氏の歴史小説の執筆作法に並々ならぬ興味を抱いた。
そして、上記の事実を本人が証言する随筆に突き当たった。
それが先日図書館で借りた吉村昭著『わたしの取材余話』である。
参考
↓
【『わたしの取材余話』】
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内容はその表題の通りなのだが、その中の一編「雪、そして下田」に上述した『桜田門外ノ変』についての余話が書かれており、こう記述してあった。
以下、本文引用
史料収集につとめ、それは一応満足すべき成果を挙げて筆をおくことができたが、ただ一個所、事実をつかめずに不本意ながら推測で処理したことが心残りであった。と言うのは事件当日、いつ雪がやんだか知ることができなかったのである。
以上、引用終わり。
桜田門外の変が起きた当日、その日の夜明け前から雪が降り始め季節外れの大雪になったことはさまざまな記録に残されている。
しかし、その雪がいつやんだかはいくら調べてもわからなかったそうだ。
氏は「気象関係の機関や武家、商人らの日記をあさることにつとめた」そうだが結局わからず仕舞いだったそうである。
そこで、水戸の豪商大高六右衛門の「大高氏記録」御用留に、「雪八ツ(午後２時)やむ」とあったので、水戸と江戸では距離があると思いながらも小説では「八ツ」に止んだと不本意ながら書いたそうである。
しかし、それが心残りであったのだろう。その後も執念深くそれを明らかにする史料を探してついに発見したそうである。
それは氏の講演を聴いた読者が、たまたま当時の国学者齋藤月岑(さいとうげっしん)の日記(斎藤月岑日記)を読み、当日の雪がやんだ時刻が記されているという情報をもたしてくれたそうである。
参考
↓
【斎藤月岑】https:/
【斎藤月岑日記】
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斎藤月岑は江戸在住でそこにはこう書かれていたそうである。
「昼時過雪雨止む」
氏は「八ツ」は「昼時過」と考えてよく、安心したそうである。
恐れ入る。すごい執念である。
さらに余談だか、氏は「桜田門外ノ変」を書くときその主人公となる関鉄之介の病気について調べている。
随筆「『逃亡者』の誘惑」にはこうある。
「関が梅毒におかされていたということは、多くの研究所に記され、ほとんど定説化されている。(中略)私は、やはり、と思い、困ったなと、とも思った。
(中略)主人公が梅毒で体に吹出物があっては好ましくない。読者、特に女性は主人公の関に嫌悪感をいだくはずだ」
そして関の日記を徹底的に調べる。
そして、日記に書いてある関の食事の中身や服薬していた薬を順天堂大学医学部医史学研究所の教授に読んでもらったらしい。
すると、「糖蜜病です」との回答。
糖蜜病とは糖尿病のことで、吹出物も出るそうである。
ちなみに関鉄之介は映画の大沢たかおのようにスラリとしてはなく、「小太り」だったようだ。
吉村昭氏はこう書いている
「私は大いに安堵し、関鉄之介の子孫のためにもよかった、と思った」
なんとも人間味溢れる作家ではなかろうか？
しかし、こんな氏であってもやはり全能ではない。
いくらかやらかしている部分もある。
私にとっては尊敬する先達の吉村昭氏であるが、憚りながらそれをここで指摘させていただく。
それは前出した岩波書店発刊の『吉村昭歴史小説集成 四』の中にある「洋船建造」という中編である。
この小説は1979年に発表されたものであり、幕末の日本に日露和親条約を締結しにディアナ号に乗って来たロシアの軍人プチャーチン一行が安政の東海地震とその後の大風でディアナ号を失い、西伊豆の戸田で幕臣の川路聖謨の協力も得て、地元の船大工たちと西洋式の帆船を建造するまでを描いた作品である。
参考
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【「洋船建造」吉村昭著】
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また、この物語についてはアニメ『幕末のスパシーボ』にも詳しいので参考にされたし！
参考
↓
【アニメ『幕末の幕末のスパシーボ』】
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本編全編
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憲さん随筆
墨だし職人・大工必読！ “墨壷”は偉い！ 東アジアの“墨壷文化圏”が作り出した最高の大工道具だ！
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そして、この小説『洋船建造』が後の1994年に書かれた川路聖謨の評伝『落日の宴』の下地になったと思われる。
この小説で憲さんが発見した誤りは三ヶ所(正格には二ヶ所)である。
以下にあげる
��478ページにこうある。
嘉永7年11月4日、安政の東海地震が起きたときの描写である。
「一時間ほどして起きた川路は、朝食後、休息をとっていたが、五ツ(午前八時)すぎ、自分の体が不意に横倒しになるのを感じた」
江戸時代の時刻は不定時法である。
参考
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【不定時法】
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11月の「朝五つ」は現在の定時法で言うと小説で書いてある通り午前８時すぎである。
では、安政の東海地震は何時に起こったか？
これは史料ではっきりしている。
実際には朝五つ半(午前9時半)と現在では確定されている。
参考
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【安政東海地震】
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上記ウィキペディアには以下のようにある。
嘉永七年甲寅十一月四日己巳の辰下刻-巳刻（五ツ半-四ツ）（1854年12月23日、日本時間9時30分頃）、熊野灘・遠州灘沖から駿河湾を震源（北緯34.0度 東経137.8度）とする巨大地震が起きた。フィリピン海プレートがユーラシアプレート下に沈み込む南海トラフ沿いで起きた海溝型地震と考えられている。下田港に来航していたロシア軍艦ディアナ号の記録では9時15分に突き上げるような海震と思われる震動が2-3分間ほど継続したという。この地震の発生時刻（津波の励起時刻）は、サンフランシスコやサンディエゴの検潮所で観測された波形から、世界標準時で0時30分頃、日本標準時で9時30分頃と推定される。
以上
「戦史小説では、例えばアメリカ艦載機の来襲を、極端ではあるが一分間まちがえて書けば小説の価値は消える」(随筆「私と歴史小説」)と書いている吉村氏らしくない。
ちなみに蛇足だが安政時代には日本には巨大地震が頻発している。
参考
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【安政の大地震】
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この嘉永七年(安政元年)の安政東海地震の32時間後には安政南海地震が発生し、安政2年10月2日(1855年11月11日)には安政江戸地震(安政の関東大震災)が発生している
この安政江戸地震で水戸藩の藤田東湖は小石川の水戸藩邸で圧死している。
参考
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安政の大地震〜「水戸の両田」藤田東湖、戸田忠太夫が落命
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憲さん、安政地震とはこの安政江戸地震だけと思っていたが、安政東海地震や南海地震が安政元年に起きているのをはじめて知ったよ！
いや〜！
歴史って奥深い！
さらに、吉村さんの小説『洋船建造』では震源が「紀伊半島南端」とあるが、ウィキペディアには「熊野灘・遠州灘沖から駿河湾を震源（北緯34.0度 東経137.8度)」とある。これは熊野灘「紀伊半島東沖」であり微妙に違う。
小説の書かれた1979年はそれらが定説だったのであろうか？
しかし、「ディアナ号の記録では9時15分(定時法)」とあるのだからその記録までは確認しなかったのだろうか？
謎だ。
それにしても、現在はネットで何でも調べられるので本当に便利だが、そのうち歴史小説も“チャットGTP”とやらに書かれてしまっては味も素っ気もなくなるし、何よりも“物書き”としては恐怖しかないであろう。
(´Д`)=*ハァ〜
��481ページに「翌十一月六日」との表記があるが、小説では地震発生の「十一月四日」の表記と描写はあるが、翌日五日の表記と描写がない。
ということでこの小説では十一月五日がすっぽり抜けている。
「翌十一月六日」の記述の後に「その日、大砲で圧死したソボレフ水兵の埋葬がおこなわれた」とありそれは11月6日に執り行われたのが史実だから「十一月六日」の記述は正確である。
だとしたら、小説には五日の描写がないのでここでは「翌々日」と書かねばなるまい。
とても細かい指摘ではあるが･･･
��486ページに「就寝していた川路は起こされ、書状をひらいた。そこにはディアナ号が原と吉原の間で破船し、プチャーチン以下乗組員を宮島村三軒屋浜に収用したことが記されていた」とあるが、現在富士市の旧宮島村には“三軒屋浜”という土地はない。
あるのは“三四軒屋”という地名である。
これはGoogle Mapでも出てこなかった。
参考
↓
【三四軒屋緑道公園】
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なのでこれも著者の勘違いかと思いきやさにあらず。
憲さん調べているうちにこんなサイトを見つけた！
こちら
↓
２００８．５月「吉原宿・三四軒屋浜」取材旅行 その４
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ここにはこうある。
以下サイト引用。
しかしおばあさんの言われるには、かつて大きな津波があって、集落の人家のうち３軒、そして４軒しか残らなかった（つまり後は全部津波で破壊され流された）ために、「三軒屋」「四軒屋」という地名が生まれ、それが合わされて「三四軒屋」になったということのようです。
以上、引用終わり
これはおそらく安政の東海大地震の前に起きた「東海トラフ地震」で津波が発生して当時「三軒屋」「四軒屋」という地名が生まれ江戸時代まで残り、それが近年合わさって「三四軒屋」という地名になったのではないだろうか？
なので、安政の東海大地震のときはまだ「三軒屋浜」という地名であったことが確認された。
以上結論として、�，賄�時の情報による誤差かも知れないが少なくとも�△砲弔い討亙埆献汽ぅ匹旅酸汽譽戰襪妊船Д�出来ないものなのだろうか？
と、憲さんは思ったが、それにしても吉村昭氏はすごい作家である。
そして、この氏の随筆集『わたしの取材余話』の最後の「私と歴史小説」という随筆は圧巻である。
そこにはこうある。
かいつまんで紹介する。
「歴史小説の記録は、あたかも庭の飛び石のように点々と並んでいて、石と石の間の空間−記録のない部分を想像で埋める以外にない。まちがいなくこうであったはずだ、という確たる信念のもとにその空間を埋めるのだが、それはフィクション同様の創作で、その作業に戦史小説では味わえぬ自由な喜びを覚えたのである」
「歴史小説は、史実に忠実であらねばならぬという信念をいだいている」
「森鷗外が自戒の意をふくめて『歴史其儘』と書いたように、史実のみに固執すると、その羅列に終始して小説としての性格は失われる。その点が歴史小説の難しさであり、それはむろん私の大きな課題でもある」
そして、一番憲さんの心に印象に残ったのが以下の一文である
「歴史小説は、その背景となった時代の性格を裁断するという役割にもなっている。方法としては、作者が表面に出て自らの解釈を明確にすることと、史実を記してその判断を読者にゆだねることの二つがある。
私は後者の立場に身をおいているが、それは多分に自分の素質にもとづくやむを得ないものだと思っている。
あらゆる事象を分析し、それによって一つの解釈を生み出す能力は私にはなく、基本的に物事はすべて漠としたもので、割り切った解釈をすれば、必ずなにかの誤りを生ずる恐れがある、と考えるからである。その点、私は臆病であり、自ら語ることはせず、ひたすら読者の思い思いの判断に一方的にまかせるという、一種投げやりな姿勢をとっている」
これはおそらく「国民的作家」と称された司馬遼太郎氏を意識しての記述ではないだろうか？
明らかに司馬遼太郎氏は前者の立場である。
しかし、憲さんから言わせれば「小説家」にして独自の“史観”を作り上げてしまった司馬遼太郎氏なんかよりははるかに吉村昭氏のほうが信用できる。
氏は自分のことを「臆病であり」「一種投げやりな姿勢」と謙遜、卑下しているがそんなことはない。
吉村昭氏こそ「国民的作家」ではなかろうか？
この随筆からは吉村昭氏の歴史小説にかける並々ならぬ思いとその姿勢がはっきりと伺われ、読んでいて背筋が伸びる思いである。
しかし、また憲さんが歴史小説を書いたとしたら明らかに前者の立場になることは想像に固くないが、そのような性格だからこそ、憲さんが読むと後者の立場の吉村昭氏との親和性が高いのかも知れない。
と、そう思ってしまう。
氏が亡くなられてもう15年以上が経過するが亡くなられてもなお氏の作家としての功績は色褪せていない。
それが証拠に2011年に発生した東日本大震災の後に氏の著した『三陸海岸大津波』がベストセラーになっている。
歴史は吉村昭氏の小説こそ必要としている証左ではないだろうか？
憲さん吉村昭氏を記念した荒川区の「吉村昭記念文学館」に訪れていない。
参考
↓
【吉村昭記念文学館】
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今度、氏へのお礼も兼ねて伺ってみたいと思う。
やはり吉村昭氏はいい作家である。
どーよっ！
どーなのよっ？
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