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2022年04月03日21:05

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憲さん随筆アーカイブス 憲さんみちのく一人旅紀行 第四章 “キャンプ場目指して”

フォト


※画像は小安峡温泉にある「大噴湯」

※この随筆は1995年のお盆休み(8月15日〜)に憲さん(当時28歳)が東北をオートバイでツーリングに行ったときに初めて長文の紀行文を執筆した憲さんの歴史的文章を加筆訂正したものです。

※ただし加筆訂正は一部最小限と注釈にとどめ、ほぼ当時の原文のままに再録します。

※憲さん随筆アーカイブス 憲さんみちのく一人旅紀行 第三章 “鳴子温泉に寄り道” から続く
https://hatakensan.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-6a5a08.html

『 憲さんみちのく一人旅紀行』 第四章 “キャンプ場目指して”

六時頃に(鳴子温泉のホテルで)早々と寝てしまったせいか、はたまた暑さのせいか、夜の11時頃に目が覚めてしまった。

寝汗をかいていたので再び風呂に入る。

温泉宿は24時間コンコンと温泉が沸いているので、いつでも風呂に入れるのが魅力だ。

風呂から上がりジュースを買い込み部屋に戻る。

テレビのスイッチを入れると2チャンネルで何やらいかがわしい声が聞こえるが、姿は見えない。テレビの上の説明書を読むと一時間100円でHビデオが見られるらしい。 悲しいかな、男の性、200円も投資してしまった。

その夜はそのせいか、はたまた空調が不調のための暑さのせいか、悶々として眠れず結局2時頃まで起きる羽目となった。

翌朝、予定通り7時に起床。朝飯をかきこんで早々に宿を立つ。

8時出発、目的地は前日のうちに行くはずだった小安峡温泉である。

参考

【子安峡温泉】
http://akitayuzawa.jp/midokoro0321.html

前日はいろいろと寄り道をしてしまい結局目的地まで到達しなかった反省の上にたち、本日はわき目も振らず目的地に直行することとする。

鳴子町から国道47号線より分岐している国道108号線を北上し、鬼首温泉を通過、この温泉にも地図上では“間歇泉”や“片山地獄”などの見所があるらしいが、泣く泣く無視して通過する。

参考

【鬼首温泉】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%AC%BC%E9%A6%96%E6%B8%A9%E6%B3%89

ところで、私の持っている地図だが、これは昭文社の『二輪車ツーリングマップ東北版』(1993年1月第9版)だ。

この地図はバイクツーリング用の定番でツーリングをしている者は必ず持っているといっても過言ではない程のベストセラー版だ。

これの優れているところは、スタッフが実際に踏破したお勧めのコースが紫色で示されており、さらにいろいろなアドバイス、例えば「紅葉の名所、渓谷沿いにコーナー連続」などと書かれているところにある。

しかし、その反面、その道がダート(舗装されていない砂利道)であるか否かは詳述されていない。私のバイクはオンロードバイク(舗装されている道専用)なのでダートは苦手である。もちろんオフローダーの人達は好んでこのような砂利道を走行する人達もいるが、私のバイクにおいては道の荒れ具合によっては走行不能になる場合もある。だから、いくら地図に載っている道でも実際のところ走ってみないと分からないのが実情だ。

これから通ろうとする道もその類いの道だ。

鬼首温泉を過ぎていくらか行った所(軍沢部落)から398号線への抜け道(県道248号沼倉鳴子線)がある。

参考

【県道248号:沼倉鳴子線】
http://www.henari1.jp/C-6-001.htm

もちろんこれを越えなくても子安峡には行けるのだが、そうするには今まで来た道を花山村まで戻るか、さらに国道を北上して大きく湯沢市方面まで迂回するしか無い。しかし、それでは面白くないし、何しろ時間がかかる。そこでこの道を通ることを決断する。

このような得体の知れない道(県道248号沼倉鳴子線)を行くにあたっては情報収集が肝心である。その道の近くにいる地元の人や、その道からきた対向車のドライバーに道路の様子を聞いてから行くのが安全である。ちょっとしたロールプレーイングゲームの感覚だ。

しかし今回、行こうとする道はそもそもその入り口すら見つけるのに苦労した程の道だ。

やっとのことで県道の入り口を見つけるがその周辺に人影すら無い。走っているうちに対向車にすれ違うだろうという気持ちでダートに突入して行った。

入り口から200メートルも過ぎるとそこは沢づたいの細い道でハンドル操作を誤れば沢にそのまま転落である。慎重に慎重に、ハンドルを操作し時速10キロ位の超低速でその林道を走る。

景色は良く沢の音と蝉の泣き声、そしてバイクのエンジン音しか聞こえない。

ダートはフラットで走りやすい。

ダートも終わりに近づいたころ、道が二股に分かれており、右、 “国道398号”、左、“盗人滝”と書いてある。この奇妙なネーミングに誘われて左折してはみたが、間もなく道はますます荒れだし、しまいには道が沢の中を横切り、さらに前方を見ると急傾斜のダートである。これ以上は無理と判断し滝は見ないで引き返し、国道398号に出た。

参考

【盗人滝】
https://mugen3.com/Taki20.html

このダートを横断中、結局対向車はもちろん、ハイカーにもあうこともなかった。

林道やダートはこのようなことは珍しくなく、もし事故ったり沢に転落したら下手すると命取りにもなりかねない。

しかし、またそのスリルがたまらないところでもある。

国道の舗装された道路に出れば相棒の十八番(おはこ)である、時速100キロぺースですいすい飛ばし、ほどなく目的地の小安峡温泉「とことん山キャンプ場」に10時に到着した。

参考

【とことん山キャンプ場】
https://tokotonyama.com/

このキャンプ場はスキー場に併設されており、その名前のからも分かるとおり相当金をかけて造った一大アウトドアランドだ。

前述した通りキャンプ場内に露天風呂がありさらには、テニスコート、温水プールなども完備しており、もちろん便所は水洗である。

まだ朝の10時だというのに、多くの家族連れのキャンパーたちがすでにテントを張っていた。

このキャンプ場には孤独なバイク乗りにはいささか不向きだと感じながらも、露天風呂にひかれてここで一晩明かすことにした。

早速テントを張る場所を探すが、どこも家族連れの大型テントで、私のような一人用のテントなど見当たらない。

めぼしい場所を見つけてテントを設営するが、周りの家族連れなどはなにか訝しげにこちらを見ている気がする。

しかしそんな視線など無視して、すぐにテントを設営し終わる。一人用なのでいとも簡単である。私にとってはキャンプなどは宿泊の手段に過ぎず、宿をとる煩わしさや、経済性に規定されそうしているに過ぎない。

にわかアウトドアーたちを尻目に、早速荷物をバイクから降ろ し、雨具などデイパックに詰め込みバイクで賑やかなキャンプ場を後にした。

目指すは、滝壺の天然露天風呂である。まだ午前中だし、今日はゆっくり温泉を楽しむぞ!

自然とアクセルも開きがちになる。

次回 第五章 “いざ、滝壺の温泉へ!”へ続く。
https://hatakensan.cocolog-nifty.com/blog/2022/04/post-6ab87b.html

乞う、御期待!

どーよっ!

どーなのよっ?
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