ウクライナがどんな国なのか、普通の人は「肥沃な大地が広がる牧歌的な農業国」だったり「ソビエト時代の遺産をうけついだ工業国」だったりするかもしれない。
私の認識はちょっと違う。ソースのほとんどがロシア経由だったりするので信用していただく必要はないが、覚え書きとして残そうと思う。
念のため最初に書いておくがロシアは多民族国家である。
ロシアがEU(たしかブルガリアなどだったと思う)向け天然ガスを止めたことがあった。
このときロシアはウクライナが「パイプラインから中抜きをしていたため」としている。EUへのパイプラインがウクライナを通っており、ロシアから送った量とEU側が受け取った量にかなり大きな差異があったということらしい。
ロシアは延々と交渉を行い、価格を下げたもののウクライナからの支払いはなかなか行われず、ついにはクリミア半島のセヴァストーポリ(軍港)を租借する契約で落ち着いたようだ。
クリミアはソビエト時代に「クリミア自治共和国」として連邦の一員で、ソビエト崩壊とともにウクライナ領になったものの、ロシア系住民は多く、議会などがまだ残っていた。
軍港をロシアが使えるとなれば、当然ロシア人がクリミアに入ってくることになる。クリミアへの電力・水道などはウクライナから送られていたらしいが、どういうわけか供給が滞る事態が連発したらしい(ウクライナも嫌がらせをしたくなるのはわからんでもない)。
困るのはクリミアの住民。議会はロシアへの併合を議決し、ロシアがそれを了承した。その後、ロシア側から橋がかけられたようだ。電力や水道もそちらから供給されているのかもしれない。
ウクライナはヨーロッパの穀倉地帯だと言われているが、それにしては生産性が高いとは言えない。ひとりあたりGDPを見るとロシアの半分以下(米ドル換算で年間4000ドル程度だったと記憶、日本の10分の1ぐらいだ)、豊かな国とは言えない。
工業のほうもソビエト崩壊以来ぱっとしない。
クリミア併合で、ソビエト時代に工業地帯だったドンバス地方(ドネツク・ルガンスク)では内戦が発生。ここもロシア系の住人が多かったらしいが、アフガニスタンなどの難民も多数流入していたらしい。
ウクライナ軍と住民の間の戦闘はずっと続いていた(ドンバス戦争)。
赤十字(ICRC)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が活動しなければならない状態で、国内避難民・難民が少なくとも数十万人存在していた。また、UNHCRなどのレポートによればその多くがロシアに対して保護を求めていたらしい(どれぐらいの割合なのかはわからない)。
また、内戦がはじまったころ、ロシアは数十万人の難民をウクライナから受け入れていたらしい(未確認)。
噂レベルの話ではウクライナではロシア語が禁止されていたとも、そんなことない、日常的にロシア語でもウクライナ語でも挨拶していた、という話も出ていた。
そんなわけで「ウクライナが平和で豊かな国だった」というのに対し、私は懐疑的だ。
もちろん、ロシアが関わっていることも否定できないが、ロシアがウクライナからの難民を受け入れていたことも事実らしい。
これらの認識は間違っているかもしれない。
むしろ、間違っていてくれたほうがいいとは思う。
私はロシアの音楽やバレエがとても好きだし、これからもかわらないと思う。ロシア人にはボルシチとペリメニとウォッカがあって、マヨネーズ漬けでいてほしい。
ウクライナの工芸(独立時計師など)もすばらしいものがある。セルゲイ・ブブカ氏をはじめとするアスリートも尊敬の対象のままだ、そういう文化は大切にしてほしい。
だから、殺伐とした状況は望まない。
「彼はまちがっている、と互いに言い合っているのなら、双方ともに正しくない。本当に正しいことを言っているのなら、誰にも反論はできない」
「ヒーローとはわるものをやっつける人のことではなく、困っている人を助けるもののこと」
なんとかしたいが、なにもできない。「あいつが悪い!」という人の群れには加わらない、それだけだ。
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