mixiユーザー(id:14438782)

2021年06月06日20:35

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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』

 この映画はさすがにハリウッド超大作だけあって、とにかく巨大怪獣たちのシーンの迫力に圧倒される。ところが、意外とその感激は長続きしなくて、画面のクオリティとテンションはずっと高いままなのに、観ているこっちはなんかダレてくるのだった。
 もちろん、IMAXとか観るべきものであって、「てめえの部屋のちんまいテレビなんかで見たって意味ねーよ、ド底辺が」ってことかもしれないけど、映像の刺激だけでそんなに見れるものでもないらしい。
 ストーリーもなんか妙にある家族へフォーカスした内容になっていて、あの母親の言い草にこれっぽっちも共感できないので、「知らんがな」という気になってしまい、ついついネットの方を目で追ってしまいがちになる。

 前作がすでに平成ガメラっぽいという指摘があって、たしかにそうかなとも思ってしまうのだけど、この作品はさらにその傾向へ拍車がかかっているようで、そこも微妙な気がするのだった。
 あと、キングギドラの出現シークエンスにタメがなさすぎて、これについては『ファイナルウォーズ』の方がずっといいと思う。もっとも、あれは『シンゴジラ』のゴジラ形態変化の元ネタでもあるのだろうけれど。

 あと、誰かが自分の命と引き換えにゴジラのところへマシンを操縦していかなければいけないというシーンで、渡辺謙が「じゃあ、私が」と言った時の微妙な雰囲気も忘れられない。
 そもそも、どういうわけかハリウッド映画で日本人は自殺攻撃をさせられがちである(本当はわかりすぎるほど理由は判然としているけれど)。911以降、そのあたりはイスラム教徒にお株を奪われるかと思いきや、まだ生々しくてそういうわけにもいかないのだろうか。
 たしか、『エイセス/大空の誓い』という映画で、なぜか千葉真一だけ敵に体当たり攻撃をかましていた。しかも、それを見ていた仲間たちが「やったぜ!」と叫んで、ガッツポーズをするのである。いやいや、少しは死を悼んでやれっての。

 本作での渡辺謙の役名は芹沢なんだから、「そりゃまあねえ」というか、ロイヤルストレートフラッシュなみに条件がそろいすぎている感じですらある。他の誰かが名乗り出たら、舌打ちされかねないし、渡辺謙が「いやいや、ここはあえて俺じゃないだろ」と言い出せば、別の映画になってしまう。
 とはいえ、同調圧力に抗しえない日本人のありさまを目の当たりにさせられているようで、なんだかひどく別の意味で辛いシーンになってしまっていた。

 とかなんとか、妙にネガティブなことを書き連ねてしまったけれど、小難しいことを考えながら見る映画ではないので、とにかく迫力はすごいしけっこう楽しめましたよ、ええ。

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