いよいよ一気に時間が二年跳び、途中から本能寺の変の年になりました。
本能寺の変のこのドラマでの動機は、最後の最後まで謎にしておくようですね。
伏線はいろいろ張ってあるようですが、伏線がありすぎてどれなのかわかりません。
あるいはその総ての伏線の総合とか……？
信長が月に昇る木を切る話し……朝廷内での信長への不満……義昭や家康とのやり取り……いろいろあります。
加えて今日の帰蝶との会見ですが、もしこれが引き金だとすると、これまである諸説とは違ったこのドラマ独自の見解で描かれるかもしれません。
なぜなら、帰蝶との会見は100％フィクションですから。
帰蝶は実は信長との婚礼を最後に実際の歴史からは姿を消します。
つまり、史料上存在を確認できないのです。
そのため、離縁説や死亡説など諸説が生じていますが、ずっと信長と夫婦関係にあったとは考えにくいです。
信長には信忠、信雄、信孝はじめほかにも数人子供がいますが、帰蝶を母とする子は一人もいません。
ちなみに、帰蝶は目の病で曲直瀬(まなせ)道三先生（斎藤道三ではない）の治療を受けたということでした。
東庵先生は帝をも治療申し上げているくらいですから、実在の人物で実際に帝を治療申し上げていた曲直瀬道三先生は出てこないのかなと思っていたら、今日名前だけですが出ましたね。
しかも、東庵先生と古い友達だという設定でした。
曲直瀬先生は本能寺の変よりも後の話ですが、都の南蛮寺の宣教師のフィゲイレド師を診察したのが縁でキリスト教に入信し、ベルシオール先生と呼ばれました。
さて今回、家康の供応で有名な腐った鯛の話はなかったです。
もちろんその話は信憑性が低く、もし家康が食べる前に臭いで気づくほど鯛が腐っていたのなら、賄いの厨房で気づかないはずがないからです。
一説によると、信長は鯛に毒を仕込んで家康を毒殺しようとして光秀にそれを命じたけれど、光秀と家康はすでに通じ合っていて、光秀がそれを家康に漏らしたために家康は鯛に手を付けなかったという話があります。
そしてその後、家康暗殺に失敗した信長は光秀の供応役を解いて坂本に帰らせ、家康を討つ準備をさせていたという説です。
今日の流れでは、このドラマではその説は採用しないようですね。
信長が光秀に暴行を加えたのは武田討伐の陣中が有名ですが、このドラマではそれはありませんでした。
また、長曾我部討伐の軍議中の暴行を、黒人小姓の弥助が宣教師に語った目撃談がありますが、それもありませんでした。
そもそも、もう弥助はいたはずなのにこのドラマでは登場しないようです。来週は出るかな？ 弥助は本能寺の変を現場で目撃した貴重な証言者なのに。
その弥助もルイス・フロイス師のリアルタイムのローマへの報告書には頻繁に登場するのに、後にまとめられた『日本史』では全く存在が抹殺されているという謎があります。
今日、森蘭丸が登場しましたが、本当は森乱丸なのです。
江戸時代に信長と乱丸のBL説が流行し、ウケであった乱丸はなよっとした美少年というイメージが出来上がって、「乱」の字ではそのイメージに会わないということで、江戸時代の人が勝手に「蘭丸」に変えたのです。
でも小姓というのは信長のSP、ボディーガードなのですからなよっとした美少年ではなく、筋骨隆々としたたくましい男であったはずです。その点、今回の蘭丸はそれに近いと思います。
では、いよいよ来週、このドラマが本能寺をどう描くか、楽しみです。
来週は15分延長です。その延長した15分が山��の合戦になるのかな？
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