mixiユーザー(id:7410632)

2020年12月03日14:58

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11月の。

11月に観たのは『赤ずきん』のみ。

●『赤ずきん』
田舎の村。豚を生贄に捧げ続け20年保って来た狼との約定は破られた。人殺しの裏切り狼を殺せ!村人は森に分け入り狼を退治するが、翌日訪れた狼退治の専門家たる神父は告げる「それはただの狼。奴は君らを騙した。狼はこの村に居る。人間に化けて」そんなん。
例の童話を翻案した映画。退治の専門家が猟師ではなく『神父』な時点でアレだけど狼は普通の狼ではなく狼男?まぁ魔物。村人に化けて村に潜み、噛むコトで仲間を増やし、教会に入るコトが出来ず、銀の武器でしか退治出来ず、死ぬと人間の姿に戻る。そんな存在。村人に化けて云々は『鍛冶が婆』だね。洋の東西を問わず狼はそんな存在らしいよ。つうか舞台設定は『人狼ゲーム』だと思えば話は早いな。
教会に入れないのだったら村人全員教会に集めりゃ見破れるんじゃ……?て思ったけどまぁ人間のトキは大丈夫なのだよねきっと。そして神父が狼では……?と思って仕舞ったけどまぁコレは無理もないよ。ゲイリー・オールドマンだもの。そしてまぁ、狼はともかくとても彼らしい役でした。とだけ。
主人公ヴァレリー、幼馴染の貧しい木こりピーター、そして許婚の裕福な鍛冶屋のヘンリー。このヘンリーがホントいいヤツなのよ。驕りもなく仕事に誇りを持ち、ヴァレリーの心がピーターにあるのを知って潔く身を引き、だけど彼女の救出のため恋敵のピーターに協力を申し出、身を賭して動いて呉れる。
雪の舞い散る閉塞した村。生活の全てが小さな村で完結し、村を出る=社会からドロップアウトした放浪者になると云うコト。「一緒に村から出よう」とヴァレリーに囁く狼。「村から逃げよう」と誘うピーター。祖母からは狼と同じ麝香の香り。その祖母はヴァレリーの姉の死からヘンリーに疑いを抱く。友人に裏切られ神父に拘束されたヴァレリーは別の友人からも「私は騙されない」とののしり嘲られ。
誰が狼であってもおかしくなく、神父の「狼の印、異常な振舞い、奇妙な匂いを見逃すな」て云うコトバに踊らされ、疑心暗鬼に囚われてお互いを狼ではないかと疑ってゆく村人たち。主人公も例外ではなく、観る僕らの疑心も彼女の疑心とシンクロして揺れる。この辺のミスリードは結構上手かったかな。
タイトル通りの展開になるのは映画開始後1時間半くらいからかな。ご丁寧に狼の腹に石を詰めるトコまでやって居たけど自然に繋がって居たからいいや。この原作をなぞる流れが最後のミスリードにも繋がってたしね。ただの遊びじゃなかった。まぁ、それも含めてなかなか面白い映画でしたよ。雪に閉ざされたモノクロームの風景の中、ヴァレリーの赤だけがクッキリと鮮やかに焼きつく、そんな映画。

●●●
今年もアト一月。
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