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2020年10月27日21:57

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ピアノ・デュオは楽しい/『コーカサスの風景』2題

室内楽の分野でもピアノ・デュオは地味な存在だと思う。ラベック姉妹、に最近はティッセン兄弟と華麗な人達が多くても、花形スター揃いのソロの世界とは比べようがない。

でも、だからデュオは面白くないかというとそうではない。つい最近そんなことを知った。

一口にデュオといっても、1台のピアノを連弾で弾く場合と2台のピアノをそれぞれ弾くスタイルがある。前者はペダル(左側の人が担当)のタイミングを合わせるのが難しく、後者は(ピアノは近接していても)2人の間に7mの距離があり呼吸を合わせるのが難しいのだそうだ。もちろん、プロはそんなことは感じさせない訳だけど。

イッポリトフ=イワーノフと言えば『コーカサスの風景』で、とくに4曲目の「酋長の行列」はポピュラーヒットにもなっている。じつはこの組曲には第2組曲もある。

そんなイッポリトフ=イワーノフの作品の面白さを聴かせてくれるのがマリア・イヴァノーヴァとアレクサンダー・ザゴリンスキーのデュオ・チーム。2つの『コーカサスの風景』、『アルメニアン・ラプソディ』『トルコ風マーチ』などの編曲版が聴ける。

本題からは離れるけれど、オケの原曲はチェクナヴォリアンが録音している。

さて、ピアノデュオの魅力は何か?だが、オーケストラの色彩感が薄くなる代わりに原曲のメロディーの面白さが浮かび上がってくるところだろうか。写真に例えると、オケはカラーでピアノデュオはモノクロt言えそう。広瀬=カツァリスチームもそんなようなことを語っていた。

そんなことを想ったのも、『コーカサスの風景』の聴き比べが面白かったから。オケ版では圧倒的なスケールで迫る第1番に対し、思索的な面がある第2番は地味に聞こえてします。「酋長の行列」の有無に拘わらず。しかし、ピアノ・デュオ版だと2つの組曲の距離感が縮まるように感じられるから不思議。もちろんデュオチームの演奏が素晴らしいこともあるからだけど。

もっともっと聴いてみたいゾ、ピアノデュオ。


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