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2019年09月25日07:19

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佐藤忠志氏の時代。金ピカ先生のご冥福をお祈りします。

同業者として、金ピカ先生を振り返ると、時代の流れと、不易なる世情がヒシヒシと感じられます。

予備校講師には様々な面があり、実に多様な役割があります。
普通のおじさんより無口な窓際族風の人が、地味な背広を着て「本当の数学の美しさを」などといい、淡々と黒板に向かうというケースもあります。そのタイプの方が数的に多いですが、稀に金ピカ先生のようなケースもあります。

下位の生徒に、まず、予備校に足を運ばせるという点では、抜群の方でした。
非常に重大なことであり、違うタイプが批判することは、勉強が素晴らしいか酒が素晴らしいかを論じるのと同じです。意味がありません。

生徒を集めることがが出来たのは、
バブルのころは、「四流、五流の大学でも、中で頑張れば道が開ける」という考え方がまだ世間に残っていたからでしょう。
実際に、私の青春時代は、「野心家は二浪しても東大を目指すが、欲がないものは、三流私大に行きのんびりとした青春を過ごす」という通念がありました。
今、同窓会に行っても、後者の方がよい人生を送っているケースがあります。
今は、早慶でも下手をすれば派遣しかありません。。

バブルは、金権主義でした。
五百万稼いでいる者より、五千万稼いでいる者の方が十倍の価値がある…という類の考え方は、この時代から始まり、今に至っています。

バブルははじけました。
しかし、貧乏なOLさんがカップ麺啜って、ヴィトンを買う…という悪癖は残りました。フランスでは、ビニールのバックに(モノグラムシリーズは、皮ではありません)十万払うのは年収五千万クラスです。

当時は、夢があったから、いつか自分も金ピカ先生のように、リッチなアクセサリーを付けて贅沢に暮らせるかもしれない…と思ったのでしょうね。

「キツイこと、無理なことはやらせない」と公言していたという話があります。だから、予習を強制しなかった。だから落ちた…という噂を聞きますが、真偽のほどはわかりません。

成績が悪いものの心理として、「自分にとって心地よいものが善である」というものがあります。
もちろん、心地よい褒め言葉を言う人間が善人であるかというと、全く違います。「だから、オマエは、成績が伸びないんだ」という批評も可能でしょう。
しかし、普遍的な心理であることはまちがいありません。

私らも、たとえばガンにかかり、A医師が「大手術になり、一年近く入院になる。しかし、まず助からないだろう」と言い、B医師が「薬で治る」と言ったら、後者を信じたくなります。これは、人情です。

また、極めて日本的な人情として、「みんな同じ」「やればできる」というものがあります。

私は生徒には、「みんな同じではない」「やればできるかどうか、やってみないとわからないが、保証を求めないのが人の道である」としています。だから、締め切り講座は稀です。

しかし、真実を述べることがいいことかどうかは、わかりません。できない生徒をその気にさせるのも、天下国家のためになる重大な教育ですから。その点で、金ピカ先生を誹謗する気にはなれません。

予備校講師をやると、自分の正体がわかります。私も正体に気付き、少しずつ他の道にシフトし始めています。

しかし、彼は、人寄せ系の予備校講師が正体でした。
晩年、朝からビールを飲んでいたのは、よくわかります。
真剣にやった結果として、一種のフラッシュバックが起きたのでしょうね。

ちなみに、面識はありませんが、マイミクさんです。一覧の最後の方に残り続けるでしょう。

ご冥福を心からお祈り申し上げます。

https://hochi.news/articles/20180704-OHT1T50192.html

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6337541

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