九重山と云えば「坊がつる讃歌」。
半世紀前の学生時代、旅宿にしたYHで良く流れていたのは、知床旅情と坊がつる讃歌。自分は芹洋子の声の方が歌のイメージに合って好みで、自然と覚えて今も山歩きの時に口ずさんだりします。
♫人みな花に恋する時も 残雪恋し山に入り 涙を流す山男 雪解の水に春を知る、ミヤマキリシマ咲き誇り 山くれないに大船の 峰を仰ぎて山男 花の情けを知る者ぞ♫、ホント泣けてきます。
「坊がつる」は九重連山に囲まれた盆地。阿蘇へと続くやまなみハイウェイの長者ヶ原PAからは登山道となり、２時間は要します。花の季節は6月で少し尚早、他に寄る所もあって今回はパス。
気持ちが通じたのか、PA脇にその「坊がつる讃歌」の歌碑を発見。山仲間が資金を出し合って立てたもので、説明文には九大生が歌ったものが編曲を経て、紅白歌合戦で芹洋子が歌い広まったと。
いつか行ってみたい所です。ここ長者ヶ原は九重山の西麓。５月の青空の下、所々で赤いミヤマキリシマが咲き始めています。散策路の吊り橋ではロープに巻き付いた藤蔓が紫の花をつけ見事です。
この後、牧ノ戸峠から阿蘇山を眺望し、瀬の本高原の昔泊まったYHと、黒川温泉で日帰り入浴した旅館を再訪、つげ義春が旅行記にした涌蓋山の峐の湯へ。どうやら思い出探しの旅になりました。
彼が描いた半世紀前の峐の湯は、田圃に涌く温泉蒸気を利用して、農家が副業で営む温泉宿。今も残る3軒は高級化路線の旅館へ。豊後高田の昭和の街のように、昔のままの姿を期待したんだけど。
ログインしてコメントを確認・投稿する