元日といえど仕事で、しかも30分早い出勤。
バイクでの出勤途中で出くわしたのは、開けた風景の向こうのそれはきれいな朝焼け。
風景が開けているのはもっともなことで、そこの壁から先は、日本の法律が通用しないアメリカの軍用地。
なんだか戦地での美しい朝を迎えているような、そんな印象。
世界の近現代史が教えてくれたことは、人間の欲望はとどまるところを知らないということ。それに反して、地球の自然環境は有限。そして今、人間の欲望が、自然環境のマックスラインにいつ届くのか、十年後か、百年後か、それとも明日か、考えたり、考えるのはしんどいからそれについては無視していたり、そんな風に人類は生きている。
「明日人類が滅亡するとしても、私は今日新しい樹を植える」
かつてタルコフスキーはそう言ったけれど、そんな思想以前に人間は動物で、動物である以上、子孫を残す本能を持っていて、私はその本能に従って子供を作ったわけで、そのことにまったく悔いはない。
元日の朝焼けは、そんな私にほんのわずかな安寧を与えた。
人類は、ある時大量に、ある時少しずつ、衰退していく。
そして、最後のその日。
人類が最後のその日も、きっとこんなきれいな朝焼けが見られるかもしれない。
人類を失った地球はそして、また少しずつ、新しい生態系を作っていく。
私たちがそれを見届けることはできないけれど、きっとその風景も美しいはずだ。
それが、今抱けるわずかな希望。
みなさまあけましておめでとうございます。
みなさまにとって今年一年が良い年でありますことを。
ログインしてコメントを確認・投稿する