今夜は昨日と打って変わってＮＤＲというハンブルグの大編成オーケストラの演奏をＴＶで
見ました。
普段は、あまり聴かないですがワーグナーとブラームスというベートーヴェンの後継を自認
しつつも、その方向性が真逆という作曲家の作品を聴きました。
大編成という意味ではワーグナーですね。「ローエングリン」の前奏曲、確かに
アラン・ギルバートさんの仰る通り美しいですが楽器の種類が多い。
ドイツ系にサンドウィッチされてフランスのラヴェル作曲ピアノ協奏曲。ト長調の曲ですがト長調
らしくはない。明るいが吹っ飛んで行った感。ジャジーな感。最近ガーシュウィンの作品を聴く
機会があったが、ガーシュウィンが弟子入りを志望したのが分かる。「ラプソディーインブルー」
や３つの前奏曲に影響を与えた、と思われる。カデンツァが第１楽章になくて第２楽章の冒頭に
置かれる。瞑想的。それを木管楽器が受ける。アンナ・プリツカヤさんはイングリッシュホルン
をウェイトを置いて話されていた。アンコールはドビュッシー・イヤーなので「亜麻色の髪の乙女」
と思ったら、もう１曲も同じ前奏曲集第１巻から第12曲ミンストレル。
後半はブラームスの交響曲第４番。ホ短調で書かれている。昨夏、茂木大輔さんの指揮で
生演奏を聴く機会があった。冒頭はツーと涙が落ちるような悲しみを感じさせる、そういう始まり。
方向性が真逆、と書いたが共通点は動機の音楽である事。冒頭の動機を幾重にも重ねて進む。
第２楽章は「繊細」(ギルバートさん)。第３楽章は、ぱっと聴くと明るく珍しくトライアングルまで
出て華やかだが、これは感情の爆発。であるから終楽章が息が詰まるようなパッサカリアが
展開する。しかし最終的にシャコンヌが崩壊して幕切れを迎える。ドイツ３Ｂの一人に数えられる
作曲家がもう一人のＢであるバッハに倣いながらも極めて独創的な作品。
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