先週末で大師線スタンプラリーが終了した。用事のついでにスタンプをゲットするのが理想的だったのだけど、鈴木町駅と産業道路駅にはついぞ用がなかったので、仕方なく最終日に鈴木町駅まで歩いてスタンプを押し、産業道路駅まで乗ってスタンプを押してコンプリート、そこからまた歩いて帰ってきた。
せっかくそろったので、それらを一覧して、ついでに昨年と較べていこうと思う。
[京急川崎駅(2017)]
[京急川崎駅(2018)]
川崎駅のスタンプは去年も今年も車両を図案化しただけの、ありきたりというか、あまりやる気の感じられないデザインとなっている。勇んでとりかかった鉄道ファンが、このシンプルさにやる気を削がれてしまわないか、老婆心ながら気になるところではある。
仮にも政令指定都市のメインステーションに近接しているのだから、なにかしらありそうなものだが。駐車場になったさいか屋とか、マルイが逃げ出すルフロンとか。って、ダメなのばっかりか。西口ならラゾーナがあるんだけどなー。東口は人の流れをごっそりあっちにとられちゃったもんなー。
どうもいきなり先が怪しくて、恐縮である。
[港町駅(2017)]
[港町駅(2018)]
そんな、のっけからいきなりモチベーションに水を差してくる大師線スタンプラリーだが、次の港町駅はけっこう頑張っている。去年のスタンプはここが最寄り駅になる川崎競馬場のお馬さんをかたどっている。動物というチョイスはたしかに無難といえる。
今年のスタンプはついに三棟めが完成したタワーマンション、リヴァリエであろう。京急が関わっているタワマンなので、手前みその誹りは免れないが、別に京急だって慈善事業でこんなイベントをやっているわけでなし、あらゆる機会を捉えて自己アピールに努めるのは資本主義社会における私企業の行動として当然といえよう。世知辛い話ではあるが。
次の機会があれば、いよいよ堀之内のお姐さんたちに期待がかかるわけだけれど、まあ、ないでしょうな。
開業当時は日本コロムビア川崎工場の前にあって、その名もコロムビア前駅だったし、今でもそれを記念して関連の陳列があるくらいなのだから、そちらの路線も期待したいところではある。
[港町駅の展示]
[港町駅の展示]
[港町駅の展示]
[鈴木町駅(2017)]
[鈴木町駅(2018)]
鈴木町駅というか、味の素駅でいいんじゃないかっていう駅なのだが(開業時は味の素前駅だったし、今でも時間限定で工場に直結している改札口がある)、なんか頑なに味の素色が払拭されていて、図案も2年連続で車両の正面図という、なにかしら陰謀や隠蔽が疑われるほどの投げやりっぷりなのだった。
工場のコンビナート然とした外観も悪くないと思うのだが、なにか事情があって使えないのだろうか。それとも、単に許可をとるのが面倒くさかったのだろうか。
国登録有形文化財である川崎河港水門もあるというのに、もったいない話ではある。
[川崎河港水門]
[川崎大師駅(2017)]
[川崎大師駅(2018)]
去年のスタンプは京浜急行創業70周年だかに据えられた車輪を摸した発祥之碑をかたどっている。
[発祥之碑]
以前はまわりに草がぼうぼうに生い茂っていて、柵の外からしか見れなかったはずだが、今年は創業120周年なので整備されたのか、ちゃんと見えるようになっていた。
それに対して、今年のスタンプはただの駅の図案で、何の変哲もないように見えるけれども、いま川崎大師駅には以前にはなかったはずの大きな駅名表示(駅がわざわざ旧字体の驛になっている)があり、これが創業120周年にあわせてのことで、それを図案化しているのではないかと思う。
[川崎大師駅]
やはり、創業の地なので、それなりに敬意を払っているのであろうか。
今後、創業関連以外でなにかアイテムを選ぶとすれば、駅前にある金山神社のかなまら祭の男根神輿なぞはどうかと思うのだけれど、これも難しいでしょうな。
[東門前駅(2017)]
[東門前駅(2018)]
東門前駅もなにもないところで、ただ、ちゃんと調べたわけではないのだけれど、何の東門前かといえば、やはり、川崎大師の東門前らしい。事実、川崎大師駅といっても、川崎大師のすぐ近くにあるわけではなく、距離からいえば、東門前駅もさほど変わらない。
だから、初詣に来て帰る際には東門前駅から乗れば座れる可能性がある(そもそも、初詣になんの意味があるのかわからないが)。
なので、川崎大師関連のアイテムは東門前に割り振ってもさほど支障はない。去年のダルマは、まさにそうだろう。
川崎大師の仲見世商店街にダルマのお店がいくつもあって本当に不思議である。誰が買うのだろうと思うのだけど、正月あたりに近辺を歩くと買って帰る初詣客がけっこういて、今度は驚けるというお得なアイテムなのである。
しかし、今年のバスの図案はわからない。そりゃ、東門前駅の近くにバス停はあるけれど、過疎地じゃあるまいし、そんなものは大師線沿線のすべての駅にある。しかも、東門前駅に近いバス停は別に東門前駅前などではなく、とっくの昔に移転した小松製作所前である。つながりはうすい。
産業道路駅には隣接するバスターミナルもどきがあるので、スタンプ制作者がそれと混同したのかもしれない。あのバスターミナルも浮島方面しか路線がないので、ふつうに川崎駅前から行けばいいじゃないかとしか思えない、不思議な存在なのだけれど。
付近にナントカ観音とか、カントカ地蔵とか、ごくローカルな信仰対象も残っているらしいので、川崎大師関連を外したとしても、そっちでどうにかする手はあったと思う。
[産業道路駅(2017)]
[産業道路駅(2018)]
産業道路駅は去年も今年も大師橋である。それはまあ、たしかに如何ともしがたいところかもしれない。
地下化で早晩なくなってしまうのだから、タモリ俱楽部でも取り上げられた巨大踏切を図案化する手もあると思うのだけど、京急にしてみれば自慢になるものでなし、触れずに葬り去りたいところなのかもしれない。
[小島新田駅(2017)]
[小島新田駅(2018)]
小島新田駅は去年も今年も工場の風景になっている。ことに工場夜景は観光資源にもなっているが、駅前にあるのは飲み屋ばかりである。この一帯に近接してJRの貨物線があり、これは多摩川をくぐるトンネルを通じて対岸の大田区ともつながっている。工場地帯ははその貨物線の向こうにあって、駅からはけっこう離れている。
他に殿町キングスカイフロントもあるけれど、研究拠点を図式化するのは難しいので、仕方がないといえば仕方がない。
なんせ小さな路線だから、7つしかない駅だけでは間が持たない。今年は周辺の4つの営業施設もスタンプラリーのチェックポイントに加えてかさ増ししている。
[ウィング川崎(2018)]
やっとこさ2周年、京急川崎駅に隣接していて駅ビルといえなくもない、ウィング川崎である。ロゴがこうなっているのだから仕方がないと言われれば、それ以上はこちらも追及しかねるが、とにかくスタンプして図柄を確認した瞬間、もうなにもかもどうでもよくなるほど投げやりでシンプルなデザインである。
でも、ここってこのスタンプのためにしか入ったことがなかったけど、あらためて調べてみるといろんなお店が入っているので、いつか機会があったら入ってうろついてみようと思った。
[京急ストア川崎店(2018)]
そして、ここも京急川崎駅のすぐ近く、京急線高架下にある京急ストア川崎店である。
他のスタンプの設置場所は店員や他の客の邪魔にならず、それでいて見つけやすいところをきちんと選定してあったのだけど、ここだけはどういうわけか品出しの店員とバッティングする場所になっていて、どうということもないはずの押印作業がなんだかスリリングだったことを憶えている。
[マーケットスクエア川崎イースト(2018)]
近隣はリヴァリエほか、大きなマンションがすでに存在しているか建設中だが、同時に川崎競馬場とも隣接しているため、主な客層が比較的にリッチな若い家族と競馬場の客という、股裂き状態の複合商業施設である。
とりあえず、テナントのラインナップをみる限り、ターゲットはリッチな若い家族に絞っていて、馬券を買うような人間は眼中にないと思われる。モツ煮込みが売りの立ち飲み屋なんてものはない。
しかし、競馬場の客がそこらへんの雰囲気を読んで自粛するはずはなく、開催日の食品館あおばの総菜コーナーなんかは、さぞかし混沌とした雰囲気になっていることであろう。
しかも、競馬場と隣り合っているということは、すぐ横の第一京浜を渡れば堀之内なのだから、そんなところを子ども連れで買い物して大丈夫かニューリッチファミリーよと思わないでもないけど、余計なお世話ではある。
[ラウンドワンスタジアム川崎大師店(2018)]
スタンプという制約の大きなメディア(単色で、つぶれてしまうから微細な表現はできない)に落としこむとなると、やはり、デザインの地力みたいなものが如実に出てくる。その点、やはり、ラウンドワンは一頭地抜きんでているといえるだろう。というか、京急グループは弱すぎである。
全長4kmしかない路線に7つも駅があるのだから、駅ごとの特色を出すのが至難の業であることは理解できるのだけど、スタンプ制作者のモチベーションの低さが懸念される結果となってしまったのは、きわめて遺憾である。
なんてことはなくて、別にどうでもいいのであった。またあったとして参加するかどうかは、その時にあらためて考えようと思う。
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