高校時代、考えたアポリアがあります。
連続殺人などは、異常である。だから、刑事責任は問えないのではないか。
だが、そう考えると、全ての犯罪は、異常になる。刑法と処罰というものが崩壊する。
一方、本人がやったことは、全てが本人の責任ともいえる。
だから、精神異常のために、免罪するべきではないのではないか。
だが、そう考えると、まことにお気の毒な精神障がい者の方の罪を問うことになる。下手をすると、ヒットラーになってしまう。
上記のアポリアは、
私なりに整理が出来ました。
あるとき、極悪人と闘う悪夢を見て、叫んだことがあります。
場合によっては、隣に寝ていた家内を殴ったかもしれません。
こういう妄想状態は、正常の精神状態ではないので、免罪するべきでしょう。
しかし、酩酊はどうでしょうか。
…私の経験からすると、酒を飲んでやったり発言したりしたことは、全て、自分の本音です。(といっても、酒癖は良いので、大した悪いことはしていません。ただ、酔っ払うだけですが…)
ぼくは、精神医学も法律も素人ですが、疑問が残ります。免罪するべき人は、全くの妄想によるものなど限られるのではないでしょうか。
もっとも、自分の飲酒について知っているだけで、他人の内面、特に滅多にいない例外的な人の内面については知りませんから、あくまでも、与太話の域を出ませんが。
しかし、私と同じようなことを考えている人は多いと思います。
彼に対する世間の目は厳しいと思います。
単なる痴漢だと思う向きも多いと思います。
酒を飲んだのは、彼の責任です。だからどのように精神状態が変わろうが、山口は免罪されないという考えもアリでしょう。
何よりも思うことは、
酒が好きならば、どうして、一生、飲み続ける途を選ばなかったのでしょうかということです。
一生飲み続けたい
酒好きが取るべき途は二つしかありません。
1 アル中にならないように、セーブして飲む。
2 家庭が崩壊し、会社もクビになり、家屋敷が人手に渡っても、路上で転がって酒を飲む。
しかし、12の選択肢しかないことは、なかなか見えにくいと思います。
…私が1になったのは、身体の衰えを自覚したからです。放っておけば、高血圧やら高血糖やらになる。
いや、これは、カッコを付け過ぎています。
健康が心配だというだけなら、「まあ、そのうちに…」と、そのうち勉強すると称して勉強しない怠け者の受験生のように、禁酒できなかったに違いありません。
前もお話ししたように、一ヶ月一滴も飲まず、その後も機会飲酒になった直接のキッカケは、頭を打って、硬膜下血種になったからです。
あるお医者さんが、ぼくの話を聞いて、「ICUに入ると人が変わりますね。実は私もそうでした」とおっしゃっていたのが印象的です。
その通りです。
硬膜下血種がさほど心配する病気ではないのは、ネットで検索してすぐにわかりました。しかし、ICUは、衝撃でした。死にかかっている人が入るところに入ったのですから…
そういえば、(プライバシーですから、少し、脚色しています)
五浪の末、医学部にめでたく入った、五浪丸(家族にそういう仇名を付けられた)君を思い出します。(仮名)秀一などという、頭がよさそうな名前をとりあげられて、親御さんに、四浪丸と呼ばれてもへらへらしていた彼ですが、五浪丸になって、彼が奮起したのは、親が、調理師学校のパンフを持ってきたときです。「医学部は、あきらめろ。金を出してやるから、将来、お前が好きな、洒落たバルでも開け。」
焦った彼は、人が変わったように勉強しました。
そして見事に地方の私立医大に入りました。
こういう衝撃がないと、人間は変われないのではないでしょうか。
受験生は、99%挫折しています。
(五浪丸も、本音では慶應の医学部に行きたかっただろうから。)
同様に、よほどのことがないと、アル中からの離脱は困難でしょう。
山口は、アル中。もう一生飲めなくなるか、2の道しかありません。
国分太一「甘えるな」 山口達也を厳しく叱った
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=5088753
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