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2017年05月31日17:53

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侍戦隊シンケンジャーの魅力(17)ー第18話「侍襲名」

第18話「侍襲名(さむらいしゅうめい)」

番組公式サイト 東映 http://www.toei.co.jp/tv/shinken/
第18話 あらすじ http://www.toei.co.jp/tv/shinken/story/1188889_1569.html

脚本:小林靖子 監督:諸田 敏

ナレーション「突然やってきた寿司屋の源太、誰も知らなかった
『シンケンゴールド』を名乗り、さらに丈留のことも知っている様子。さて
この男、実は…」

 「とののおさななじみ!?」
 志葉家に流ノ介の素っ頓狂な声が響いた。「あの屋台の男がですか?」
 座敷の上座にはいつものように丈留がすわり、すぐそばに彦馬。その前に
流ノ介がいる。
彦馬「昔、この近くにあった寿司屋の息子だ。もう十数年も前になるか、
店がつぶれて一家で夜逃げしてな。それきりだ」
 ことはも、茉子も千明もそれぞれの格好で彦馬の話を聞いている。
千明「夜逃げ、って、なんかスゲーな」

彦馬「手に負えぬ坊主だった…稽古の邪魔だと何度追い払っても…
(画面はモノクロになり、丈留の幼いころのシーンへ)気がつけば屋敷に
潜り込んで…」

(幼い丈留は座敷で手習いの稽古をしている。彦馬がそこを離れるのを
見越したように幼い源太が寿司桶をもって、床下から現れる)
幼い源太「タケちゃん、また泣いてんのか?寿司、一緒に食おうぜ」
(嬉しそうな笑顔を見せる幼い丈留)
彦馬「こらっ!源太!」幼い源太「うわ〜っ」

(現在の座敷に戻って、どことなく懐かしそうな顔をしている丈留)
茉子「でも、その幼なじみがどうしてシンケンゴールドに?」
彦馬「わからん」立ち上がって歩き出す。「源太の奴めはまだか」

 一方、当の源太は、自分の屋台のそばで…
源太「いや〜、お屋敷行くなら、やっぱりそれらしい格好しないとな」
と、洋風のシャツの上に、歌舞伎の江戸もののような上下と長袴をはいて、
めかしこんでいるつもりらしい。
源太「俺もついに『侍』で候、ってとこか」ー

彦馬(いらいらと歩き回りながら)「源太め、遅い!、(千明に向って)
あ、烏賊折神は持っておると申しておったか?」
千明「さあ、なんで?」
彦馬「あれはな、わしの知らぬ間に殿がこっそりやっておしまいになった
ものだ」
チラリと丈留を見る彦馬。驚く侍たち。さすがに丈留もバツが悪そうに、
丈留「まだ小さかったからな。あとでじいに絞られた」
彦馬「当然でございます。知ったあとには夜逃げのあと、探そうにも
『取り戻したら侍をやめる』とそれはもうガンとして…」
丈留「もういい。昔のことだろ」
 丈留の思わぬ小さなころの秘密をしって、笑顔になる侍たち。茉子から、
「懐かしいでしょ」と声をかけられた丈留だが「まあな。」というだけで
なぜか顔色はさえない。
 そこへ…

 珍妙な格好に小太鼓をうちならしながら源太がしずしずと入ってきた。
思わず叫び声をあげてずっこける千明。

源太「六人目の侍、梅盛源太、ただいま見参!」

 そのあまりの格好の珍妙さに、唖然となる丈留、彦馬、侍たち。

源太「これから、タケちゃん、殿様たちと一緒に外道衆と戦うつもりに
そうろうなんで、よろしくお願いそうろうでございる」平伏する源太。
顔をあげて「聞いてる?」

 笑い出す千明。けげんそうなことは。丈留は「あとは任せる」と言い
捨てて座敷からでていってしまう。

源太「なんだ、タケちゃん、便所か。昔から腹弱かったもんな」

彦馬の雷が落ちる「無礼者!!」
「お前にあきれられたに決まっておる。なんだその格好は!?」
源太「じいちゃん、変わんね〜」思わず、彦馬に背をむけて這々の体の源太。

 座敷をでた丈留は…
 縁側へでると、こらえきれずに吹き出して笑い出した。縁側にすわりこんで、
昔を思い出す丈留。「あいつ…変わってない」

 丈留の目の前の庭に、幼い丈留と源太のイメージが現れる。
幼い源太「タケちゃん、ほら見てみろって、俺もさむらい!!」
 丈留は袴姿に木刀をもっている。源太は寿司屋のはっぴに紙兜をかぶり、
おもちゃの刀を振り上げている。
幼い丈留「うふふ、ヘンなの」
幼い源太「あ〜あ、俺も侍になりたいなあ。そしたら一緒に戦えるのに」
おもちゃの刀で稽古台の防具をたたく。
幼い丈留「え、ほんと!なってよ、俺、教えるから」
幼い源太「ほんとに!じゃあ、俺、寿司、教える」
 笑い合う幼い二人の姿。丈留もふと笑みをもらすが、なぜか次第に真顔に
かわっていく。

 六門船。ドウコクがシタリに当たり散らしている。今日も六門船は
ススコダマでいっぱいだ。封印の文字なんて探る必要はない、第一、やたらに
あやかしに「封印の文字」のことを教えるなといったのは、シタリではないか
と、機嫌の悪いドウコクである。

 シタリは自分の好奇心を弁解しながら、話を「6人目のシンケンジャー」に
もっていく。
 そこへ、凄まじい勢いで回転しながら乱入してくるあやかし1体。全身が
刀でできた、ヒャクヤッパだ。ヒャクヤッパは古い馴染みのイサギツネ
(前回、シンケンジャーに倒されたあやかし)の仇をとる、と息巻いて奇声
をあげながら三途の川に飛び込んでいく。

 志葉家の座敷では、彦馬が、不可思議な源太の変身アイテムをみている。
二つ折りの白い携帯電話なのだが、見た目が寿司そっくりだ。
彦馬「なんと、電子モヂカラ。では昔、殿から教えられたことと、烏賊折神の
ディスクだけを頼りにこれを作ったというのか?」
 源太の話によると、親父の手前寿司屋は継いだものの、侍になりたくて
たまらず、一人でずっと剣とモヂカラの稽古をしてきたという。そして、
ようやく形になったので丈留のもとへ駆けつけたのだ。
 これから一緒に外道衆をやっつけよう、とあくまで意気軒高で、愛嬌
たっぷりの源太だが、彼を歓迎しようとすることはと千明に対して、彦馬は

彦馬「いや、ならん!!」

と手厳しい。「正しい稽古をしていないものが戦うのは危険すぎる。お前だけ
でなく殿たちもだ。絶対にならん!」
 流ノ介と茉子もいい顔はしていない。源太は必死で自分の心意気を強調する
が、彦馬にスシチェンジャーを取られてしまう。侍たちと源太、彦馬で小競り
合いになったところへ隙間センサーがなった。

 侍たちと彦馬に緊張が走る。丈留も座敷に現れ、黒子たちがさっと地図を
さしだす。丈留を先頭に駆け出す侍たち。

源太「俺も行ってもいいよな、タケちゃん!じいちゃんが戦うなって言うんだ
よ。侍じゃねえって。ひとつ言ってやってくれ、俺はもうシンケンジャー
だって」
 しかし、丈留も厳しい顔つきのまま。
丈留「じいの言うとおりだ。お前は侍でもないし、6人目でもない」
 思いがけぬ丈留の拒絶のことばに、絶句する源太。
丈留「いいから帰れ。お前の助けはいらない」

 シンケンジャーたちは出撃していき、源太はショックのあまり、ぶっ倒れて
しまい、床下の敷石に頭をぶつけて鼻血をだして気を失ってしまう。

 ヒャクヤッパは、通行人を襲い、駆けつけてきたシンケンジャーと戦闘になる。
 文字通り、全身が刀のヒャクヤッパは「全身刃」(全身から刀を限りなく
繰り出す技)でシンケンジャーを追いつめる。さすがのレッドもその勢いを
受け止めかねるほどだ。しかしちょうどそのときヒャクヤッパは水切れを
起こし、一時、撤退する。
 ヒャクヤッパの技を次までに見切らなければ…そのときピンクが「助っ人
はいなくていいの?」とレッドに声をかけた。

 源太は自分の屋台で、烏賊折神を相手にいじけていた。水槽の烏賊折神の
隣には、見慣れぬ折神らしきものがみえる。
 そこへ、ことはと千明がやってきて、源太を慰め、もう一度屋敷へいって
頼んでみようと誘う。別れるふりをする源太だが、そうしたくないのは見え
見えだ。

 志葉家の縁側。稽古着姿の丈留が、手の中のスシチェンジャーをみつめて
いる。
 そこへやはり稽古姿の茉子が姿を見せる。茉子はまるで丈留の心を見透か
すように

茉子「いいの?幼馴染み、帰っちゃうよ」
丈留「問題あるか。あいつは侍じゃない」
稽古台に向って木刀を振り下ろす丈留。
茉子「また…最近、くだけてきたと思ってたんだけど」
庭に下りてくる茉子。
丈留「俺は同じだ。変わってない」茉子は、振り下ろす丈留の木刀を自分の
木刀で止めて
茉子「ほんとは嬉しかったくせに。」打ち合いになる二人。
茉子「巻き込みたくないんでしょ?でも…ひとつ勝手な推測。幼馴染みが
いたんじゃ、今までみたいな強い殿様で居づらい。だから追い返した」
丈留は心の動揺を見透かされたように、茉子にうちこまれ、木刀を落として
しまう。
茉子「当たり?」
丈留「自分で言ったろ?勝手な推測だ」

 その会話を庭の柵の向こうで源太が聞いていた。

源太「ばかやろう!!幼馴染みを助けたら、なんで強くねえんだ!」
柵をとびこえて庭に入ってくる源太。

源太「水くせえぞ!!俺だって覚悟を決めてきたんだ。いくらだって命預ける!」
つらそうな表情の丈留。
源太「だから巻き込めよ、俺を!もう、ぐるっつぐるに!」
丈留「馬鹿。いいから帰れ、お前は…」

 庭に入ってくる千明とことは。

千明「丈留!源ちゃんから聞いたぜ。子供のころの話」
ことは「怖がりでようお漏らししてはったって」
千明「もうひとりで格好つけらんねえな」

丈留「お前たち…」

茉子「強くなきゃ、殿様でいられない、っていうのは違うんじゃない?
たまには弱かったり、誰かに頼る殿様でもいいじゃない」
源太「えらい!綺麗な人はいいこと言うねえ」

 そこへ、流ノ介も現れ、源太には否定的だった彼まで、丈留に源太を侍と
して受け入れよう、と進言する。源太と流ノ介は角つきあっているが、丈留
も心を決めたようだ。ふと笑みをもらして茉子にこたえる。

 隙間センサーが鳴り響いた!

源太「返せよ!スシチェンジャー。あん時の約束だ」

 幼い源太と丈留の別れの回想シーン。
幼い丈留「これ(烏賊折神)あげる」
幼い源太「いいのか、こんなのもらって」
幼い丈留「(顔は涙でぐしゃぐしゃだ)遠くに行っても友達だから」
幼い源太「よし。稽古して、タケちゃんが殿様になったら、俺、家来になって
やるよ。だから、侍にしてくれよな」
幼い丈留「うん」 幼い2人は指切りを交わす。

丈留「お前がシンケンジャー6人目の侍だ!」そういってスシチェンジャーを
源太の手に返す。
源太「よっしゃー」嬉しそうな源太。

 工事現場でヒャクヤッパがシンケンジャーをおびき出すため、作業員たちを
名無しに襲わせている。そこにひびく志葉家の太鼓と、あがる旗指物。
 源太がはいったことで、慣れない黒子たちと小芝居があるが、無事、源太も
そろって「一筆啓上」「一貫献上」変身するシンケンジャーたち。

 はじめての6人の名乗りだ。

 たちまち始まる名無しとの乱戦。自分に酔っていたシンケンゴールドだったが、黒子に促されて、得意の居合いで名無しの一団を切り伏せる。烈火大斬刀で、これも名無しの一団を一撃のもとに倒したレッドのところへ駆け寄って、

ゴールド「やるなあ、タケちゃん(烈火大斬刀の大きさをみて)すげえな…」

 ヒャクヤッパが手裏剣乱れ撃ちを放ち、レッドが大斬刀でゴールドと自分を
かばう。

レッド「源太!奴の剣は分裂する。一人では捌ききれないが…」
ゴールド「へっへん、2人なら、か。任せろ、捌くのは得意だからよ」
 2人でヒャクヤッパに立ち向かい、見事「全身刃」の技を受けきり、必殺技で
ヒャクヤッパの一の目を撃破する。

 二の目との巨大戦。相変わらずヒャクヤッパは全身刃を使ってくる。
ゴールドが烏賊折神をよび、侍武装したイカシンケンオーの「烏賊槍襖」で
ヒャクヤッパの刃を砕く。「烏賊冷凍」で凍り付いたヒャクヤッパを
「鑓烏賊一閃」で撃破。

 レッドが「これにて」といつもの締めの台詞を言いかけたとき、ゴールドが
ちょっと待ったをかけた。勝利の1本締めをしようというのだ。
 乗せられた5人が一本締めをしたあと「これにて一件落着!」
 新しい戦いの形が生まれたようだ。

 屋台で源太の寿司を食べる侍たち。少し離れたところで丈留と彦馬が…

丈留「俺は弱くなったのか。前は独りで平気だったのに、今は…」
彦馬「さあ…それを申せば、そういう殿をお諌めできぬどころか、少し嬉しく
思ってしまっているじいもまた…」
 笑顔になる丈留と彦馬。

 丈留と彦馬も、源太のごく「普通」の寿司を食べる輪に加わって…

 「6人目の戦士」はリーダーの幼馴染み。上下関係のある侍たちと殿とは
違う絆によって結ばれた戦士である。この「侍とは違う」という源太の存在
は、最終回にいたるまで、陰に日向に、丈留を支えることになるのである。

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