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2017年05月02日11:48

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読書感想文「人生が楽しくなる気持ちのいい日本語」  萩本欽一

いやー。久しぶりに楽しくて考えされられる本に出会ったわ。
一気に読んだよ。
欽ちゃんの本だよ。

僕ら世代だとドリフ⇒欽ちゃん⇒ひょうきん族⇒とんねるず
と笑いは移って行ったよね。
そして不思議なことに過ぎ去った笑いは全く笑えなくなるばかりか、嫌悪感すら感じちゃう。
あれ、なんなんだろう?
ドリフの下品さ。欽ちゃんの「しつこさ」や「わざとらしさ」。ひょうきん族のガチャガチャさ。。。
とんねるずなんて今となっては何が面白いのか全く分からない。
不思議だよね。なんなんだろう?あんなに大笑いしてたのにね。

そしてさらに不思議な事に年を重ねると、その裏側が分ってきて、その人間性が見えてきて別の魅力に再発見する。

面白いね。

萩本欽一、欽ちゃん。
「視聴率100%男」とか「好きなタレント」の何年も1位とか。すごい人。
なんだか愛される人。
その秘密を読み解いて見たよ。

さて、どういう感じでまとめようかと悩んだんだけど。
心に残った言葉を拾い上げて、それに対して僕がどう思うかを書いていこうかな。


○正論には可愛げのある言葉を足す
これ、好きだな〜。
「正論こそ優しく言って上げなくてはそれは凶器にしかならない。」と僕は思っているの。
誰もが叱られた事あるでしょ。
「はいはい。確かにそうですね〜。あなたのおっしゃる事は正論ですね〜。」
「はいはい。私が悪いんです。」
「はいはい。」
と聞くけど、全然心に響かない。むしろ「うるっせーなー。お前の鬱憤を俺にぶつけるなよ!」と怒りさえ覚える。
よくあるよね。
これは、完璧に正論を振り回している方が悪いんだよ。
正論を振り回す事に気持ち良くなっているだけで、相手の事なんて何にも考えていないのよ。
つまり「正論を叫ぶバカ」なのね。
正論を言う時こそ可愛げのある言葉を足す。
「〜なーんて僕は思うんだけどちょっと格好つけちゃったかな〜。」とかね。
「〜って、誰かが言ってたような気がするぞい。」とかね。
そういう、可愛いおまけが必要なんだよね。


○知らん顔するのも道徳 事なかれ主義も正義。
これもうんうん。と、うなづきっぱなしの数ページだったわ。
欽ちゃんは、マナーの悪い奴に大声で罵倒する奴の正義を、そのマナーの悪い奴よりも嫌うのね。
「正義面した奴が一番嫌いだ!」というわけ。
それはなぜか。
答えは簡単。
正義を振り回して戦う準備をしているから。そういう人は喧嘩したくて仕方ないからだよ。
ネットの社会でもいっぱいいるよね。
そして、そういう正義に喧嘩を売る奴もいるよね。←それ、まさしく、僕だったりするんだけど(笑)。
つまり、どっちもどっち。
正義を振り回す奴も。正義を振り回す奴に対抗したがる奴も。
心の中は同じで、喧嘩をする準備万端なわけ。
お互い違う正義で、お互い同じく喧嘩がしたいわけ。
これ、僕の事なんだよね〜。よーーく分る。
それなら「知らん顔するのも道徳 事なかれ主義も正義。」その方がいい。
もし、一言いいたいなら「正論には可愛げのある言葉を足す」
これだね。
反省。


○「すみません」「しらない」「分らない」と素直に言わない。
「ちゃんと謝りなさい!」とか「分らないなら分らないと言いなさい!」と僕らは当然のように言うけど。
それは面白くないと欽ちゃんは言うのよ。
つまり、それを言ったら会話が終わっちゃうじゃんってね。
「すみません。」って簡単に言うのではなくて、なるべく許してもらえる言い訳を考える。
「しらない。」ではなくて、なるべく知っている事を言う。
時にそれは、反省の色がなかったり、的外れな言葉に捉えられるけど、そうならない為に必要なのは「笑い」なのね。
簡単に会話を切るのではなく。なにかしら笑いで繋ぐ。
難しいよね。でも、魅力的だよね。
多分、この手法が行き過ぎると、「しつこい」とか「わざとらしい」との僕が欽ちゃんを嫌った感じになっちゃうんだろうけど。でも、今となっては分るな〜。
会話ってそういうすれ違いが面白いんだもんね。


○人間の距離感。
欽ちゃんといえば二郎さん。
リアルタイムで「コント55号」のコントを観た記憶はないんだけど。面白いね。
二人には台本なんてなかったんだって。設定だけ決めて。後は全部アドリブ。
「今日は、僕が政治家。二郎さんはその秘書。」それだけ。後は全部アドリブ。
凄いよね。
それだけ息があってたから為せる技なんだろうけど。
二人は、なんかストリップ劇場に働いていて、たまに組んで舞台に立ったこともあったけど、お互いに「しつこい」という印象で嫌い同志だったんだって。
それが、コンビを組む事になって。
舞台以外ではお互いはつきあわない。食事しない、会話しない、夢語らない。
最初にそう約束したんだって。
「仲が良いからメシを食べようじゃない。仲を悪くしたくないからメシを食わない。」
そういう距離感もあるんだよね。
すごく分るな〜。
よく「友達なら相手の非を正してやるのが友情だろ!」とか言う奴いじゃんない。
僕、そういうの大嫌いなのね。
そんなの友達じゃねーよ。とすら僕は思うの。
友達だからこそ、相手の非に目をつぶってやる。そういう関係の方が僕は居心地がいいの。
だってお互い大人の人と人だもん。
距離感って大事だよね。


○イヤでも嫌いにならない。
「あいつ嫌いだな〜。」って思うでしょ。
でも、その嫌いなあいつの何がイヤなのかってよくよく見ると、あいつという人間の15%くらいなんだよね。
他の85%は知らないか案外いいじゃんって思ったりする。
その15%のイヤの為に100%を嫌いにしちゃうのはもったいないよね。
さらに、陰で誰かと悪口言っちゃうと。二人なら200%嫌い。三人なら300%の嫌いになっちゃうのね。
これ、自分がそうされたら。怖いよね。15%が300%になっちゃうんだよ。
この増長が、芸能人叩きだったり、冤罪だったりするよね。
冷静でいたいね。


○本を読むのではなく相手の気持ちを読む。
本やマニュアルに頼って行動しても上手くいくわけないよね。
だって、相手だってその本やマニュアルを読んでいるんだもん。
上手い人間関係は、やっぱり気持ちなんだよね。空気感。
それは、本を読んでも読んでも読んでも磨かれない。
実際に会うのみ。
この頃、娘が合コンで上手くいかないってメールが来るの。
「ダメでもいろんな人とやれ。合コンに限らず、いろんな人とつきあえ。」と僕は答える。
頭でっかちの人はダメだよ。
往々にして知識を深くすればするだけ反比例的に視野が狭まるからね。



○「飢えて死にそうな時はどうする?」
欽ちゃんが弟子たちに「3日間食べるものがない。時はどうする?」って質問したんだって
大抵は「水でしのぐ。」とか「ひたすら我慢」とかだったんだって。
でも、欽ちゃんは言うの。
なんで誰からに「お腹すいて死ぬそう〜。誰かご飯ご馳走して」って言わないの?って。
そうだよね〜。
友達に頼めばいい。近くに友達いなかったら、道行く人に頼めばいい。
困ってたら、牛丼いっぱいくらい。誰でもご馳走してくれるよね。
そういう人と人との関係から、面白い事って起こるんだと思う。
という、僕、案外、人にお願いするの苦手なんだけどね。


○その他。
まだまだねいっぱいいい話はあるんだよ。
出前のバイトで駐車中の車に傷つけちゃった話とか。
お姉さんと呼んでいた女性と結婚したいきさつとか。ね。
まあ、それは興味があったら読んでみてね。
きっと面白いから。


○言葉づかい。
最後に言葉づかいね。
ほら、欽ちゃんって語尾に「〜ね」とか「〜よ」とかつけるじゃない。
これ、意識的に語感を和らげるために付けてるんだって。
もともとは江戸っ子だもんね。コント55号の時なんて乱暴な言葉だったもん。
実は僕も本を読む前から、mixiの言葉はちょっと女子っぽくしてるの。
気づいていた?気持ち悪かった?(笑)
言葉って大切。
柔らかいイメージと笑い。
これがあれば、多少、つっぱった言葉でも緩和される気がするのね。
そしたらほら。余計な争いをしなくていいじゃない。
ね。
みんな仲良く楽しく生きたいもんね。



そんなこんなで
何度でも読みなおしたい本でした。









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