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2017年04月29日00:18

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今日のいちまい

今日タワレコにて入手。
フォト

モーリス・ラヴェル:
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)

アンサンブル・エデス(合唱)
レ・シエクル(管弦楽)
マリオン・ラリンクール(ソロ・フルート)
フランソワ=クサヴィエ・ロト(指揮)

「春の祭典」の初演譜・ピリオド楽器による録音で音楽界に旋風を起こしたフランソワ=クサヴィエ・ロトとレ・シエクルが、ラヴェルの大作「ダフニスとクロエ」に挑戦。純フレンチ・スタイルのピリオ楽器による限りなく初演に近い響きの再現の試みです。
「ダフニスとクロエ」の初演は1912年、「春の祭典」の1年前です。弦楽器はすでにスチール弦になっていましたが、張力はまだ弱かったので、現代よりローピッチ、管楽器は現代とほぼ近いシステムですが、純フレンチ・スタイルの個性的な響きは現代のオーケストラが失ってしまったものです。
ピリオド楽器による演奏ではどうしても現代オーケストラに比べダイナミック・レンジが狭くなりますが、その分フランス音楽の命とも言える一音一音の細かいニュアンスが表面に浮き出て、古典劇らしいみずみずしい叙情を生み出しています。第3部(第2組曲)のフルート・ソロは当時の所謂細管ですが、ニュアンスに富んだスマートで美しい響きが奏者の歌心を引き立てて素晴らしいです。
指揮のロトはピリオド楽器オーケストラのシェフということで、古楽屋さんかと思ったら、ミヒャエル・ギーレンの後任としてSWR交響楽団(旧南西ドイツ放送響)のシェフを務め、ブーレーズやリゲティやパヌフニクの録音も製作するなど現代音楽も得意とする指揮者で、譜面の解釈は現代的でアグレッシヴです。古典的な響きをアグレッシヴに展開する…ギーレンの後継というより、20世紀音楽におけるアーノンクールのような存在でしょうか。
管・打楽器は指定通り、弦楽器も必要最小限の編成で、合唱は40人弱の室内楽的な規模で、細かい動きもくっきりして、新鮮な驚きです。しかし音楽のスケールはおおらかでリズムのキレもよく、繰り返し聴きたくなるご機嫌な演奏です。録音もホールトーンを程よく拾ったニュアンスにあふれ優秀で、新しい「ダフニス」の名盤としてオススメします♪
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