【首藤剛志 失恋三部作 その3】
○アイドル天使ようこそようこ
第41話 雪のラビリンス
ゴーショーグンやミンキーモモから約10年後。
首藤氏の失恋ネタも、3回目となると捻りが出てくる。
この「雪のラビリンス」の完成度は、極めて高い。
ある日、渋谷を襲った大雪。
ヒロインの、ようこは、雪の中に佇み、バイオリンを弾く青年を見る。
やがてこの雪は、渋谷にしか降っていない事が判明。
雪が降り続けてから3日目。
バイオリン青年に、ようこが話しかけると、青年は応える。
「良かった。今日が最後なんです。雪と約束したんです。ここには3日しか、いられないと…」
ゴーショーグンで「過去の恋人」
ミンキーモモで「現在の恋人」との別れを描いた首藤剛志は。
本作で「未来の恋人」との別れを描く。
三部作の中で、一番ファンタジー色が濃い作品である。
バーで仲間のお誕生会を開いている中。
ようこがバイオリン青年に会いに出て行く時に、カウンターに座っていた事務所の社長(演じるは鈴置洋孝さん)が、グラスを片手に視線を向けず「気をつけて」と呟くシーンがカッコいい。
まるで、これから、ようこが会いに行くものが、人ならざる者である事を、知っていたかの様だ。
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