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2016年11月02日01:54

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山元町とパウエル通りとこれから 2

10/1(土)〜16(日)
カナダ・バンクーバー

「Japanese Poets North of the 49th」
カナダと日本を詩で繋ぐ、ポエトリー・コラボレーション


濃厚だった山元町の日々から、一気に飛んで来ましたのが、カナダはバンクーバー!
海外での公演は、昨年8月のドイツ・ベルリンでの多次元フェスティバル出演以来
”カナダと日本を詩でつなぐ”をコンセプトに、バンクーバー在住の詩人・高山宙丸(そらまる)くんが主宰するポエトリー・コラボレーション・プロジェクト「Japanese Poets North of the 49th」
その記念すべき第一回目のゲストとして招聘していただきました〜☆☆☆

【公演記録】
◇10/6 (木)
20:00〜 Visual Space Gallery
◇10/8(土)
13:00〜 Vancouver Japanese Language School
15:00〜 Vancouver Japanese Language School
◇10/10(月)
19:00〜 高山宙丸のポエムナイト
◇10/11(火)
19:00〜 Historic Joy Kogawa House
◇10/13(木)
19:00〜 Nikkei National Museum & Cultural Centre
◇10/15(土)
19:00〜 Uncommon Cafe

今回のプロジェクト名は、アメリカとの国境線、北緯49度線以北にあるカナダのことを指す別名”North of the 49th”に由来し、”日本の詩人をカナダに呼ぶこと”を表しているとのこと
日系カナダ人の詩人/小説家のJoy Kogawaさんの生家を運営する”Historic Joy Kogawa House”と”Frank H,Hori Foundation"、そしてカナダ芸術評議会の支援を受け、構想から一年をかけて実現にこぎ着けた渾身の企画です
う〜ん、ビバ!宙丸!おまえ、男の中の男だ!思い返せば、一昨年の6月に彼が一時帰国して国内をライヴツアーで廻っている時に、まだ円山町のSpace Turboでやっていたオイラとイシダユーリさん主催の詩のオープンマイク「tamatogi」にフラリと参加してくれたことが、そもそものきっかけ。いや〜、人の縁って、どこでどう繋がっていくか、わからんもんねえ
そのtamatogiの時に、彼が一緒にユニットを組んでいた、ゆりえほよよんさん(イラストレーターとしても大活躍中!)が今回はスタッフとして参加。さらに、共同主宰者として、バンクーバーのアーティストグループ「TASAI(多彩)」創設者・Steve Frostさんが、さまざまな面でサポートをしてくれました
とにかく、この三人がいないと、オイラはバンクーバーでは赤子も同然。なんせ日本を経つ前にバタバタしていて、事前にバンクーバーに関する情報をほとんど仕入れていなっかったもので…って、オイラは旅に出る時はいつもそっか?
それでも空港に出迎えてくれた彼らと熱い抱擁を交わして、その笑顔を見た瞬間に、自分がこの街で何をすればよいのか?ということがくっきりと見えてきたのでしたっ

着いたその日は、食事をしながら軽い打ち合わせをして、街を散策。さっそく一目惚れしたジャケット(帰国後に”メオトパンドラ”イベント会場で着てたやつです)を購入して、即席バンクーバーっ子に変身♪んで、大した時差ボケもなく早めに就寝〜
翌日10/2(日)からは、素敵なウェルカムパーティーを開いてもらったらり、現地マスコミの方々に取材をしてもらったらり、6(木)Visual Space Galleryでのイベント初日に向けてのリハーサルをしたりと、なんだか楽しく瞬く間に時間が過ぎていきました
聞けば、この”Japanese Poets North of the 49th”は、来年以降も継続して開催され、毎年日本の詩人を招聘して行く予定とのこと。また、バンクーバーにおいて、これまでにない規模のポエトリーイベントであり、現地での注目度もかなり高く、そのことは現地入りしたオイラも我が身を持ってヒシヒシと感じておりました
ま、一言で言えば、絶対にこけられないステージってやつですね。さあ、どうする?おれ!

そんな中、向かえたイベント初日
会場は立見も出る盛況ぶりの中、まずは宙丸くんがパフォーマンス。うん、集中力と好奇心の強い、柔軟なよいお客さんだ。宙丸くんのアクトにもどんどん熱が生まれていっている
出番直前、オイラの頭によぎったのは、山元町のお客さんの顔、それから、ずっと自分のことを応援し続けてくれている、いろんな土地のお客さんの顔、顔、顔…
常々、”桑原滝弥のファンは世界一”と公言して憚らないオイラですが、これまでにお客さんとつくってきた時空を想えば、何も恐れることはなく、いつものように全力で孤独になって、そこからお客さん一人一人の孤独と繋がるだけ
あとは、今この瞬間にどこかで死に行く命と、生まれ来る命に挨拶して、いざ、舞台へ∞

細かいことは、もう、あんまり覚えていませんが、とってもすんなりとバンクーバーのお客さんと出会えた気がします
それは会場の場力や、スタッフの方の細やかな心遣い、宙丸くんの誠実なアクトなど、いくつかの要因が重なったことが上げられますが、何よりもバンクーバーで暮らす人々が日常から持っている、他者(人間以外の生命も含む)への眼差しのしなやかさによるものだとおもいます
とにかくパフォーマンスをやっていて、ものすごく楽でした。今おもえば、もっと楽にできたなあ、そしたら、もっと、みんなと幸せになれたのに!なんて感じております
この初日から、公演記録を見ていただいたらわかるように、ほぼ一日おきにイベントに出演しました
日本語学校の高校生の前でエッセイ「詩人失格」の自分の初体験エピソード部分を読んだり、ワークショップでお題をもらってオイラが即興詩をつくり、それをお客さんがグループに別れて英語に翻訳して発表し合ったり、”桑原滝弥と語り合う”夕べ”なるイベントまで開いてもらって、客席に美女が多いのをいいことに、ほぼストロベリートークに終始したり、天候の悪い夜に少人数のお客さんと不思議な一体感を共有したり…

そんでもって、気がつけば、ほんとうにアッという間に千秋楽!!!
会場のUncommon Cafeのある場所は、かつて日系人の方が多く住まわれていたパウエル通り
しかし第二次世界大戦中に、日系人は財産を没収され強制収容所に送られたため、現在では、仏教寺院や日系人のメソジスト教会などのかつての名残はあるものの、日系人コミュニティの街というカンジではありませんでした
どちらかと言えば、ホームレスが多く集まるスラムっぽい所という印象でした
それでもエリアの中にあるオッペンハイマー公園では、毎夏に「パウエル祭り」が開かれ、神輿や太鼓など日本にちなんだ催しものが行われているとのこと
おもしろいのは、その祭りの期間だけは、普段公園にたむろしているホームレスの人々もジャマにならないように、どこかにちゃんと移動しているということ。なんか紳士的!
実際、オイラもライヴのない日にパウエル通りを歩いたけど、たしかにホームレスはいるけど、ぜんぜん殺気立ったものがない。世界中のいろんなスラム街をこれまで歩いてきたけど、こんな感覚は初めてだなあ、と思っていたら、ちゃんと毎日、食事が支給されているのだそうな。そうか、そりゃ、食う心配がなければ、それほど物騒な雰囲気にはならないよなあ
ラストステージは、会期中に全カナダで一番大規模な活動をしているDaily Hive社バンクーバー支部による”この秋バンクーバーでするべき50”に本イベントが選ばれたためか、またもや立見の出る大盛況っぷり
オイラはそんな中、パウエル通りを歩いてつくった詩を披露して、今ここに生きている人間がすべて死んでからの世界に想いを馳せてみました
いやぁ、もの凄く力強い拍手をいただきました。もう身体の芯まで響き渡りました。パフォーマンス中だからわからないようにしてたけど、めちゃくちゃ震えたもの
これはもちろんオイラ一人の力じゃなくて、この企画に関わったすべての人、さらに言えば、土地を追われ、すべてを失くしても、けっして心を失くさなかった日系の先人の方々と、その心に対して心を持って向き合ったバンクーバーにいるさまざまなルーツを持つあらゆる民族の先人の方々の、魂のおかげだと大袈裟ではなく信じています
気がつけば、山元町の旅からの、どこか地続きな部分を感じています。すべてのステージでいただいた拍手を、オイラは生涯忘れません

ちなみに今回のイベントは、この章の冒頭に書いたように、日系カナダ人の詩人/小説家のJoy Kogawaさんの生家を運営する”Historic Joy Kogawa House"をはじめとした各機関の支援などによって実現できた訳ですが、こちらのJoy Kogawa Houseは、一軒家の半分がJoy Kogawaさんの記念館的な展示がされていて、各パーティーやイベントなども行われているのですが、もう半分は作家専用の宿泊施設としても機能しているのです
外観はこんなカンジ〜 http://www.kogawahouse.com/wp/
そう、だからオイラはバンクーバーにいる間、このお家でひとりぼっちでのんびり過ごしていました。なんでも、これまで世界中からさまざまな企画で訪加した作家が滞在してきたけど、日本人が泊まるのはオイラが初とのこと!んま、なんて光栄なっ!
お家の奥側にはテラスがあって、可愛らしい庭があって、ぼんやり一服なんかしているとリスや小鳥が寄ってきたりします。ああ、なんか、すごく心が洗われるぅ
振り返ると今年は、”俊読”や”30周年ライヴ”などの各種イベントや、”メオトパンドラ”の出版やさまざまな執筆活動があり、それにプライベートの変化も重なって、息つくヒマがあまりなかったような気がします。そういう意味でも、このJoy Kogawa Houseで暮らした日々は、とてつもなく貴重な心身の充電のひとときとなりました
ああ、近所に住んでいる管理人の、バンクーバーの肝っ玉母ちゃん、アン・マリエさんの笑顔が恋しいよぉ

あとはオフの日はよく歩きました
地図を持たずに無目的にひたすら気のおもむくまま
友だちもたくさんできました。アート関係だけでなく、さまざまな仕事をしている人たちとも。中には、生涯の友となるような人との出会いもありました
一度、Joy Kogawa Houseから歩いて10分くらいの距離に住んでいる大好きな友だちの家で遊んでいて、夜中の12時くらいに帰ろうとしたら、迷子になったことがありました 笑
住宅街でなんの目印もなくて完全に自分がどこにいるのかわからなくなりました。わりと本降りの雨が降っていて、携帯電話も使えずに、寒さも手伝って、ちょっと心細くなったりしたのですが、それと同時に、妙になつかしいような、心が落ち着く感覚が自分の中で芽生えてきました
ああ、おれは今、よく知らない国にいて、まったくわからない道を歩き、そして、何者でもない。もしかしたら、これがおれの本来の姿なんじゃないだろうか?なんか、ずっと迷っていたい!
気がつけば、風景の中にとけ入っていく自分がいました。自分がなくなり、すべてが自分になっていくような、、、詩、のような息吹き…
その瞬間に、オイラは初めてこの街に迎え入れてもらった気がするのです
二時間ほどずぶ濡れになってさまよい、宿に辿り着いた時は、ホッとしながらも、どこかさみしい気持ちになっている自分がおりました☆

改めて、この旅で出会ったすべての命に感謝を申し上げます。ありがとうございました

そして、さまざまな困難を乗り越えてオイラをはるばる呼んでくれた、宙丸くん、ゆりえさん、Steveさんに格別の感謝を申し上げます
ほんとうにありがとうございました

「Japanese Poets North of the 49th」が、今後どのような発展、深化を遂げていくのか、すごく楽しみです

最後に、こちらのバンクーバー編でも、やはり自分一人では伝え切れない部分がめっちゃありますので、この章の締めくくりとして、Yahoo! Japan 国際ニュースに取り上げられた記事のリンクと、ゆりえさんがまとめてくださったバンクーバーの人たちの声をご紹介いたします〜


【Yahoo! Japan 国際ニュース】
桑原滝弥さん、バンクーバーでポエトリーパフォーマンス 「JPN49」の初企画で
http://vancouver.keizai.biz/headline/2306/

【バンクーバーの人の声】
「詩でこんなに大笑いしたことなかった」
「また見たくて来ちゃいました」
「大笑いして、泣いた」
「こういう時間、必要でした」
「素晴らしい瞬間に立ち会えて幸せでした」
「普段と違った空間に身を置ける喜び」
「永遠に聞いていたい」
「本当に皆を誘って良かった」







そんなこんながありまして
日本に帰ってきて
あいかわらず日々暴れまくっている今日この頃、
というワケでございます

さあ、
ココアも飲み干したし
(底に固まったミロはよくかき混ぜてね!)
旅先でもらったキラキラを
また次の街へと
ぶっ放しに行きますよ〜!!!

ポエムはつづくぜ、どこまでも♡



【今後の予定】

11/10(木)19:00〜
「メオトパンドラ」刊行記念
キッチンミノル×桑原滝弥 トークショー
会場:東京 渋谷 HMV&BOOKS TOKYO 
http://www.hmv.co.jp/st/event/26276/
※桑原滝弥による詩の朗読もあります!

11/17(木)19:00〜
「らせんの夜」
出演:桑原滝弥(詩) 、島田篤(音)、ミヲ(野口あや子/歌人, 古田一晴/映像, CazU-23/音楽)
会場:名古屋 鶴舞 K.D ハポン
http://www2.odn.ne.jp/kdjapon/
※ミオ主催の人気シリーズに初参戦!

11/18(金)〜30(水)12:00〜21:00
「メオトパンドラ」出版記念展
作家在廊日:キッチンミノル・桑原滝弥 18(金),27(日)
会場:名古屋 千種 喫茶モノコト 〜空き地〜
※新たにオープンする”空き地”での名古屋初展示 !

11/18(金)19:00〜
「メオトパンドラ」発売記念・トークショー
出演:キッチンミノル、桑原滝弥
会場:名古屋 千種 喫茶モノコト 〜空き地〜
※名古屋ならではの暴走トーク炸裂の予感!

11/25(金)発行
雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.44 2016 December」
発行:USP研究所
全国書店、及び、amazonなど通販サイトで発売
https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html
※毎号コンピューター用語をタイトルに詩を作る連載シリーズ!
 
11/27(日)14:00〜
「メオトパンドラ」発売記念
桑原滝弥・ソロライヴ
会場:名古屋・千種 喫茶モノコト 〜空き地〜
※実に五年ぶりとなる名古屋でのガッツリソロ!

12/11(日)18:00〜
桑原滝弥 × イシダユーリ presents
「tamatogi 2016」
会場:東京・池尻大橋 CHAD
http://chadlive.jimdo.com/
※あのオープンマイクが一夜限りの復活!

12/16(金)〜1/15(日)10:00〜20:00
(12/31〜1/3休み)
「メオトパンドラ」出版記念展
会場:京都 俵屋町 誠光社
http://www.seikosha-books.com/
※この展示のみの撮り下し&書き下ろし作品を発表!

12/17(土) 19:00〜
「メオトパンドラ」発売記念・トークショー
出演:キッチンミノル、桑原滝弥
会場:京都 俵屋町 誠光社
http://www.seikosha-books.com/
※京都でもこの夜しか話せないネタ満載でまいります!

12/18(日)
「メオトパンドラ」発売記念
桑原滝弥・トークショー&ライヴ
会場:滋賀 (昼夜二会場を予定)
※毎回独特のうねりが起きる滋賀での久々のイベント!



各イベントの
さらに詳しい情報は
こちらのBlogでも追々発表してまいりますので
楽しみにしていてくださいね

尚、いろんな所で話題に出してもらっている
「メオトパンドラ」ですが
現在発売中の「東京かわら版」「週刊朝日」でも
取り上げていただいております
よかったらチェックしてみてねっ


【絶賛発売中】

「メオトパンドラ」
写真:キッチンミノル
詩:桑原滝弥
デザイン:尾原史和・三觜翔(スープ・デザイン)
定価:本体2000円+税
ISBN 978-4-9909145-0-9
A5判 / ソフトカバー /216ページ
発行:FOIL
http://www.foiltokyo.com/book/art/meoto.html
※全国書店、amazonなどの通販サイト、
 及び、桑原滝弥・関連イベント会場などで発売中
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