東京都知事選挙にジャーナリストの鳥越俊太郎氏が立候補なさるという事で、記者会見を見ました。おっしゃったことは三つ、
�＼�治とカネの問題で、前知事が二代続けて辞職した。高額な出張旅費は都民の税金であることを忘れてはならない。納税者の気持ちを考えて「住んで良し」「働いて良し」「環境良し」の「３よし」を守りたい。
�■驚�６千億の予算。日本一豊かな都政。公共事業を止めて、介護福祉を手厚くしたい。
�９颪領�れが変わり始めた。元に戻したい。憲法改正にブレーキをかける。
外国に行って帰国したら、古賀茂明氏から「都知事選に出ませんか？出るのなら応援したい」との話があったがお断りした。しかし、周囲の要請もあって立候補を決断した。と言うような内容でした。
僕はこの方を都知事にしてはいけないと思います。ジャーナリストは「岡目八目」で、常に「問題点を自分の視点から抉り出し、攻め続け、論破すれば仕事をしたことになりますが、組織のトップはそれではいけません。勘違いしてはいけないのは、「ジャーナリストの視点」だけでなく、東京都には色んな立場や役割を持った利害関係者が暮らしており、それぞれの住民の暮らしを守ってあげなくてはならず、ご自分の意見と異なる住民の暮らしを切り捨てることは許されないのです。たとえて言えば、「突然原発事故が起きた福島第一原子力発電所の所長に交代で赴任する」ような覚悟が必要なのであって、そこにはどんな危険性があって、優先順位は何で、現状はどうなっているかをよく把握していなくてはなりません。１００歩譲って「知事の思い通りの政策を実行する」としましょう。その予算は十分なのか？議会の賛成はえられるのか？これまではなぜそれは行われなかったのか？そうした現場に密着した視点で、一から組み立ててゆくべきで、まだ小池百合子さんの「鳥の眼＝鳥瞰」「虫の眼＝接眼」「魚眼＝動体視力」で見ると言ってくださる方が安心です。
ジャーナリストのように、外野席からヤジを飛ばすような感覚では都知事は務まりません。グラウンドに出て自分の投げて、打って、走るにはそれなりの根性と技量と体力が必要です。根性は「経験」によって鍛えられます。経験と言うのは「何年そこに居たか？」と言う事ではありません。「何度ピンチを乗り越えたか？」と言う意味です。この「腹の座った男」でなければ、大きな組織のトップに座られたら、その部下が悲劇に陥れられます。「技量」と言うのは最も難しいもので、「人を動かす」ことです。人は「カネ」のためには動かせません。「カネ」で動かせば、「金の切れ目が縁の切れ目」で、「カネ相応の仕事」しかできません。「命令」で人は動きません。「面従拝復」では都政は行き詰るのです。都政を預かるトップは「我欲を捨てて徳を行う」ことです。都政が「感動に満ち溢れたら、都民はその都政を讃える」でしょう。「素晴らしい都政」を「分かる」人が、都政を預かればうまく「出来る」とは限りません。テレビでゴルフや野球の解説をする専門家が居ますが、その専門家に「実際にプレーして見せてください」と言ったらできない人の方が多いのです。
英国の「ＥＵ離脱」の際に、立役者となった元ロンドン市長や独立党首は、キャメロン総理が辞職した後を引き受けて「ＥＵ離脱」政権を当然立ち上げるものと誰もが思っていましたが、アッサリ逃走しました。東京都知事もこのような、「体制批判で倒閣を目指す人」に都政を預けてはならないのです。危険なことは鳥越俊太郎さんは先日までデモの中にあって「安倍政治を許さない」と声を張り上げ居ていた方です。今や日本人の３分の２が安倍総理を支持している中で、その足を引っ張ることを主張し、都民を混乱に陥れる人は都知事にふさわしくないと思います。中国の日本の排他的経済水域への軍艦の侵入や戦闘機の威嚇が続いても、「中国が日本に攻めてくることはありえない」と主張なさる方です。個人がそのような意見を持たれるのは許されるとしても、組織のトップに立って住民を危険な状態に置くことは、行政の長としての資格はないのではないかと思います。
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