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2016年07月09日11:26

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競っていた試合ではなかった。

 昨日の藤浪の立ち上がりは、思わぬような点の取られ方だった。
 いきなり3失点して、それがそのまま決勝点。

 結果だけ見るなら、二回・三回の追加点はあってもなくても同じだが、
 この追加点の取られ方も、藤浪にもうちょっと気を遣う余裕があれば防げたのであろうとは思う。


 まだ、今年のキャンプのころ。
 練習の最後の方に取り入れられた、「リレー」を見ていて、
 藤浪の身体能力の高さ、というのは改めて感心させられた。
 
 身長が高く、ストライドも広い。
 走ると、短距離でもアッという間に加速できる体のばね。

 他の選手には望んでもかなえられない、生まれつきの身体能力、というのは誰から見ても明らかだろう。彼なら、今までの投手になしえなかった、どんな偉業でも達成できそうな気がした。

 そんな、ことを同じように金本監督が考えているのかどうかは知らないが、
 どんな監督が来ても、藤浪には10勝以上を望むだろうし、そのような起用法になるはず。

 今の阪神でも、裏ローテーションの一番手を任されている。
 それ故、メッセンジャーと並んで勝ち頭になっていて欲しい所なのだが、
 実際にはなかなか勝ちが付かない。

 期待に応えられる力がある、と思われているから期待されるのだし、
 昨日の試合は何点取られても完投させる、という作戦だったのかもしれない。
 二点差のまま、8回裏の攻撃に移っていたら、逆転もあったかもしれないし、
 その結果、9回は藤浪がぴしゃりと押さえて完投勝利となっていた可能性もある。

 大方、批判の多い起用法だが、
 もし勝てていれば、藤浪はブレイクスルーがあっただろう。
 こんなチャレンジは、どの投手にもできるわけではない。

 どんな偉業でも。
 現代の日本の野球で、リードしていて、終盤に来ればリリーフエースが受け継ぐ、というスタイルは確立されている。
 そんな中で、藤浪は完投での勝ち星を100以上積み重ねられる可能性のある投手だと思う。
 
 きっと狙いはその辺なのだろうが、昨日失敗して、次の登板でも同じ作戦で来るだろうか?
 ローテーション通りなら、次は22日のマツダスタジアム広島戦。
 ここで、負けるとちょっと広島戦はトラウマになるかもしれない。

 一人の選手生命をかけるようなギャンブル的起用法であることは間違いない。
 打線が一回の表から4点ぐらいとって、スイスイと投げさせる展開を作れることが大なのでは、逆に前半でビハインドを背負ってしまうようなら、5回で二番手投手に引き継ぐ、ぐらいの常識的采配が金本監督にできるかどうかだが?

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■阪神・藤浪に161球を投げさせた金本采配の是非
(THE PAGE - 07月09日 06:01)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=4084438

 雨がふりしきる甲子園に異様な空気が流れた。
 8日の阪神ー広島戦。
 3点を追う7回二死。阪神の先発、藤浪晋太郎投手(22)の打席に代打が送られなかったのである。

 ここまで藤浪は5失点。すでに投球数は131球に達していた。しかも、まだ3点差である。だが、金本監督は走者がいなかったこともあって代打も使わず、8回のマウンドにも藤浪を立たせた。疲労を隠せない藤浪は明らかにボールが浮き、制球は安定していなかった。結局、また二つの四死球が絡み、二死満塁とされた。ここを食い止めれば、まだゲームの行方はわからなかったが、代打・岩本に球威のなくなったボールをジャストミートされ、右中間を破る走者一掃のスリーベース。打たれるべくして打たれた。これで勝負あり。2−8の完敗で、借金は「10」に戻り、8回、13奪三振7安打8失点で161球を投げたエースの今季5敗目と同時にチームの自力Vも消滅してしまった。

 試合後、金本監督は「今日は(藤浪を)最後まで投げさせるつもりだった。責任というか、あの立ち上がりがすべてでしょう。何回目かな。ストライクが入らずに(ストライクを)取りにいって打たれた。昨日の青柳のピッチングを見て、さあ、前回のマツダ(スタジアムでの敗戦)のリベンジというところで、あれではねえ。去年14勝したピッチャーがやることじゃないでしょう。そういう意味では、責任を持って、何点取られようが、何球投げようが(最後まで投げさせる)と思っていた。今頃、10勝くらいしていても、おかしくないピッチャー。それくらいの責任は感じて欲しいし、感じないといけない」と、さすがに完投はさせなかったが、藤浪に161球を無理強いした理由を語った。

 藤浪は、課題の立ち上がりに2つの四球が絡んで二死満塁を背負うと「転がせばなんとかなるんじゃないか」と考えていたドラフト同期の鈴木誠也に三遊間に153キロのストレートを打たれた。江越が打球の処理に手間取ったことも手伝って2失点。さらに一、三塁から、重盗を仕掛けられ、守備陣も対応できずに3失点目。3回には、二死から田中に甘い変化球をライトスタンドへと運ばれた。3回にも大和のエラーで先頭の丸に出塁させると、一死三塁から松山に犠飛を許して5点目……。

 指揮官が藤浪に8回、161球を投げさせたのは、6月2日の楽天戦以来、勝てないエースが同じミスを繰り返すことに対して責任を喚起させるための処置だったのだろう。超変革の金本采配はファンの目やフロントの目を気にしすぎて、どちらかと言うと保守的だった阪神のタブーを打ち破り続けてきた。それらの金本イズムは評価すべきものだが、この日の161球は、怒りに任せての懲罰登板に見えた。
 金本監督が、藤浪の今後に期待して試合を預けたとも取れるが、藤浪のためにゲームを捨てたと受け取られても仕方がなかった。雨の中、雨具を着て応援を続けた阪神ファンの目には、どう映ったか。賛否が起きて然るべき采配である。

「理解ができないし、ちょっと考えられないね。おそらく来週は、球宴でゲームがなく登板間隔が空くこともあって藤浪への期待の裏返しで投げさせたのだろうが、どうなのだろう。金本監督は、現役時代に自分がやってきた野球との、あまりの違いに歯がゆさを感じているのだとは思う。それはわかるが、長いシーズンを考えると161球も投げることの悪影響の方が大きいし、首脳陣と藤浪の間にコミュニケーションがあるのか、と心配になる。こういうことをやると、選手がしらけてしまう。ノムさんの監督時代の2年目以降がそうだった。あのときの最悪のチームの雰囲気を思い出してしまう。超変革の名のもと4月にはあった大胆さがまるっきりなくなってしまっているのも心配だ」

 元阪神のチーフスコアラーで現在、岡山商科大の特別コーチの三宅博さんは、厳しい意見。ちなみに三宅さんは、現役時代に金本を広島からFAで阪神に獲得する際、「なぜ金本が阪神に必要か?」というオーナーへの説明用のレポートを書いた人物でもある。
   

 野村克也氏が阪神監督時代の2年目以降、新庄や今岡を報道を通じてこきおろす“ぼやき節”や目に余るような起用法で、こっぴどくバッシングしたため、彼らはそっぽを向き、チーム内にはしらけた空気が流れてチームは空中分解してしまっていた。その過去を知る三宅さんは、チーム成績が好転しないことで、金本監督が辛口のコメントで選手を斬り捨てたり、懲罰起用のようなことを続けてしまうと、ノムさん時代のような暗黒のチーム状態に陥る可能性があると警鐘を鳴らすのだ。

 筆者も近鉄時代の鈴木啓示監督が、1994年7月の西武戦で、野茂英雄に191球の完投勝利を無理強いさせ、その後、肩を痛めて戦線離脱。結局、この事件が野茂のメジャー移籍を最終決断させるきっかけになった悪夢が、フラッシュバックしてしまった。藤浪は、昨年オフには肩に異常を訴えて、侍ジャパン参加を辞退したほど。まだプロ4年目の肉体は161球に耐えられるほど万全にできあがっているわけではない。肩は消耗品なのだ。中4日登板のメジャーに右に倣えの「100球至上主義」には疑問もあるが、5失点しながらの161球登板は、スポーツ医科学の面から見ても、あまりに非常識である。

 そして、三宅さんは、こうも続ける。

「打線がどうしても点を取れないので、先に点をやってはいけないとピッチャーにもプレッシャーがかかる。こういうことを繰り返す中でピッチャーに根気がなくなってくる。今、大事なのは藤浪に161球を投げさせることではなく、根本からの建て直しだろう。1対1で打者を打ち取るという気迫、力で押す気持ちを藤浪に持たせることが大事。制球に気を配りすぎるため、小さくなって藤浪の良さが消えてしまっている。大谷翔平との今の差がどこにあるか考えてみればいい。このままじゃ普通のピッチャーになってしまう」

 藤浪は、ここまで何度かピッチングフォームの修正などを続けながら課題の克服に対峙してきたが、その作業を繰り返す中で、本来持っている長所を見失う危険性もはらんでいるという。元中日の“レジェンド”山本昌さんも「勝てないときこそ、自分で何が原因かを考え、周りのアドバイスにも耳を傾けながら、何かを変えていかねばならない」と語っていたが、161球を無理に投げることよりも、重要なのは、首脳陣とコミュニケーションをとりながら勝てない元凶を解決することだろう。

 消えた自力Vなど、今後の展開でいくらでも復活するし、最下位といえど2位とのゲーム差は3.5ゲームしかない。ここから始まる勝負の夏場で、阪神が反撃するには、藤浪の復調がカギを握ることは間違いない。その期待感が、金本監督に、この日の采配を決断させたのだろうが、繰り返すが投手にとって肩は消耗品。そして藤浪にもプライドはある。投手コーチなど周囲のスタッフが止められなかったのか? ということも含めて疑問の残る采配だった。藤浪をキーマンと考えるならば、なおのこと他に再生手法はあるはずである。

 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)
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