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2015年11月26日13:11

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星形エンジン

http://thekneeslider.com/radial-engine-motorcycle-2/

こういう風に横置きとしているモノと、クランク軸を前後に向けて縦置きとしているモノがある。

もともと星形エンジンというのは航空機用で、零戦とかも空冷複列星型14気筒とかを使ってる。
このバイクのは、空冷単列星型7気筒だと思う。

星形エンジンというのは、一見すると水平対向やV型のエンジンの気筒数を増やした感じに見えるが、水平対向エンジンがクランクに各気筒がコンロッドで繋がっていて結果として各気筒の位置がクランク軸方向へ少しづつずれているのに対し、星形は単列の場合、同一平面上に全ての気筒の中心がある。ひとつのコンロッドにすべての気筒のコンロッドが繋がっている。

バルブ機構はサイドバルブかOHVであり単一のタイミングカムで動作している。
つまり吸気・圧縮・燃焼・排気のプロセスが各気筒が順番に回転移動、作動してゆく。

ある意味、今も航空機関銃などとして使われているガトリング砲とかの発想と同じだ。

また古い時代には、潤滑と冷却のため、そしてフライホイールとして用いるためエンジン自体が回転するなどと言うのもあった。このエンジンが本来のロータリーエンジンで、ヴァンケル型は後から出てきたモノだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3_%28%E5%88%9D%E6%9C%9F%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%29
バイクにも使ってたという。マフラーとか不可能なので恐ろしくうるさいと思うが…

気筒数は3,5,7,9と奇数である。11、13くらいまであったかもしんない。
無論、振動の減少のため直線上にシリンダーが並ぶのを避けるためだ。

こういうエンジンがかつてあったのは、いや、もしかしたら現行機種もあるかもしれないが実際のトコロ、技術が未熟で動作が不確実だったためだと思う。

自動車はエンジンが止まっても動けなくなるだけ…いや困るのは確かだが、飛行機ほど致命的ではない。また確実な動作を期待するにしても重くするわけにもいかない。
それで冷却機構も省いて空冷とし、できるだけ部品数を減らして単純化したワケだ。
星形エンジンというのは見た目凄くインパクトがあって複雑そうだが、使われている部品数、種類共に結構少ない。

それでいて信頼性は結構高い。例えば星形7気筒のうちひとつや二つの気筒が爆発しなくても回ってしまうのだ。出力は低下するけど。

星形エンジンはレシプロエンジンの一種ではあるのだけれど、現在最も多く使われているのは直列4気筒か。せいぜいV型程度でその他は珍しい部類だろう。技術というのは収斂してゆくモノなんだろう。
ただ、航空機用のレシプロエンジンでもシリンダー軸を出力軸と平行に並べたタイプの星形エンジンというのがあって、これはわりかし最新の技術だ。
クランクが無くて、斜板を押して動作する、油圧のハイドリックモーターみたいな構造のモノだ。
これは星形に比べ前面投影面積が減ってイマドキである。
資料探したが見つからない。w

変容し生き残ってはいるが、そうやって消えてしまった技術というのは結構ある。

…冒頭のバイクみたいなものを見ると、未来的デザインなどと言う人もある。
全然未来ではないんだけど。
しかし、もともと未来的デザインというのは、単に見慣れないモノと言う程度の意味に過ぎない。
知らないんだから今まで無かったんだろうと。
そういうワケで、未来的デザインが実際未来に登場するすることはあまりない。
だが、一般の人たちに未知のモノを受け入れて貰うための糸口として、便利な言葉でもある。
今までになかった形式のものを出すと激しい拒絶に合う。
市場というのは実に保守的で、ワシも新しいモノを押し込むのには苦労した。

若い人は自分の経験が少ないため大抵のモノは初めて見るモノになり、古くからあるモノと新しいモノの区別がつかない。それで、まずは若いオトコたち向けの商品として売り出し…それからおっさん、おばさん…と続けてく。若い女性は一番やっかいで、ものすごく保守的であったり先進的だったり合理的だったりとさっぱりわからない。キャンペーン的なモノのつきあいはいいので扱いにくいとばかりは言えないんだけど。
ワシがおっさんだから分からないのかと思って女性デザイナー達と話してもやっぱり掴めないという。全くもって永遠の謎でもある。

男性より女性の方がオーナメント…装飾的なこだわりは大きい。まあ、男性でも男性的なソレや機能性という装飾が配されているんだが。
平素使わない機能は外見的な装飾と合理性という見地から比較しても優劣は無いだろう。
そこんとこの価値観かな…と仕事をしてきたんだが、そう簡単でも無い。w
商売だから、男女や年齢層で何とか種類分けをしたいと思ってただけで、そのアプローチそのものが誤りなのかもしれないが…

リカンベントに乗って走ってると、いろんな反応がある。これもまた未来的デザインのカテゴリだ。
しかしレトロフューチャーっぽいところもある。
狭義のデザイン…形状を操作して魅力的にすること…を操作して時代にあったプレゼンをすれば売れる商品になるかもしれない。
しかし、根本的な性質が変わるわけではないから、例えヒットしたとしてもすぐにその灯は消える。
そもそも、珍しいモノに乗っているのが楽しいので増えて貰っても困るというのもあるな。w



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