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2015年03月04日07:12

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「青春18きっぷ」で711系乗り納め&旭川駅弁「旭岳べんとう」、旅の総括付き(3/1)

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函館線小樽・滝川間が北海道で初めて電化された昭和42年に導入された2扉デッキ付きの711系交流電車。

デッキ付近の座席は1部ロングシートだから純粋な「急行型電車」ではないが、急行列車への使用も想定し、広めのシートピッチで4人掛けボックスシートが並んでおり、他地区に投入された普通列車用3扉電車とは明らかに異なり、急行型電車に酷似した造作の車両である。

一時は札幌と旭川をノンストップで1時間36分で結ぶ速達急行「さちかぜ」にも充当され、北海道の花形電車として活躍してきた。

昭和50年には札幌・旭川間の急行が特急に格上げされ、昭和53年に北海道専用の781系特急型電車が投入され、急行運用からは徐々に撤退したが、その後
711系電車は室蘭線沼ノ端・室蘭間と千歳線電化開業された昭和55年まで13年にわたり増備されてきた。

千歳線新千歳空港支線開業では札幌と空港を結ぶアクセス快速にも抜擢され、北海道の電化区間の第1線で活躍を続けてきた。

その後2012年の札沼線桑園・北海道医療大学間電化に伴い札沼線にも入線し、青函トンネルがらみで電化された函館地区を除く北海道の電化区間全てで使用された唯一の電車でもある。

その711系も老朽化が進み、最終型でも製造後30年以上経過し、2012年10月のダイヤ改正で千歳線・室蘭線から撤退、入線したばかりの札沼線運用からも退き徐々に活躍の場が狭まり、その後は函館線の電化区間のみで使用されてきた。

そして、去年の8月のダイヤ改正で小樽からも撤退し、夜の上りで1本だけ充当されていた区間快速運用もなくなった。
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現在は細々と主に岩見沢・旭川間の1部の各駅停車を中心に札幌・旭川間(うち札幌・岩見沢間は1往復のみ、車両基地との間の回送列車も含めると手稲・旭川間)で充当されるだけとなり、同時に2015年3月のダイヤ改正で全て引退することも発表された。

その711系が最後の運用に就いている旭川に住んでいて、いつでも711系の電車に乗れるのも2週間を切り、3月1日日曜日に「青春18きっぷ」を使って日帰りで711系乗り納めしておくことにした。

現在711系は札幌運転所所属の3両編成×8編成が「さよなら711系ヘッドマーク」を掲げて1日4編成が岩見沢を拠点に「る」、「をわ」、「か」、「よぬ」運用で使用されている。

そのうち「をわ」および「よぬ」運用は2編成連結して手稲にある車両基地・札幌運転所への入出庫を兼ねて6両編成で手稲・岩見沢間を1往復走るだけであり、札幌から岩見沢への最終列車と岩見沢から札幌への通勤時間帯に1本ずつ運転されているだけで、旭川に住んでいる自分がこれに乗るには岩見沢に泊まらねば乗れないから、旭川8:08岩見沢行きで出発して、昼間を中心に運用されている2編成、「る」運用と「か」運用の711系で走っている列車を組み入れた行程を組み、旭川を出発した。

【行程】
旭川808
↓…711系「か」運用編成
岩見沢949/1005
↓区間快速「いしかりライナー」札幌行…721系
白石1037/1045
↓区間快速「いしかりライナー」岩見沢行…721系
江別1100/1127
↓…733系
岩見沢1145/1230…昼食
↓…711系「る」運用編成
滝川1311/1355
↓…ディーゼルカー(キハ40)
岩見沢1443/1527
↓…711系「か」運用編成
旭川1711/1738
↓岩見沢行…711系「か」運用編成
深川1804/1810
↓…711系「る」運用編成
旭川1838

急行型の雰囲気を味わえる最後の車両に乗って駅弁を食べられるのも711系が引退するまででもあり、朝飯用に旭川駅で駅弁を買ってホームに上がった。

旭川8:08発の岩見沢行きは、岩見沢からの旭川行きが5分で折り返すダイヤだが、何と国鉄時代の塗装に復元されたS-110編成でやってきた。
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S-110編成は11月に運転されたさよなら711系ツアー列車に充当したのを最後に運用を離脱したという噂だったが、まだ生きていたのか。

ということは、最終運用日の13日の朝札幌駅で行われる711系さよならセレモニーのときに入線してくる編成の1部にもこの編成が当たるようにやり繰りしているのではないかとも思うが、ともかく、一足先に引退したと思っていた国鉄色の編成がやってきたのはありがたい。

この編成にはかつて札幌地区の電車に掲示されていた「くるくるポプラ号」風のさよならヘッドマークが掲げられていた(実際はステッカー)。
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最後まで運用される711系8編成には引退するまで4種類の「さよなら711系」ヘッドマークを掲示して運転することになっているが、4種類のうち711系が旧塗装の国鉄時代の塗装だった時代に運転されていた列車は「くるくるポプラ号」だけなので、S-110編成にこのヘッドマークを充てたのは正解である。

早速、モーター付きの2両目、モハ711−110に乗り込む。デッキ付き2扉の急行型らしい雰囲気の車内である。
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自分がいちばん好きな席、いちばん後ろのボックスの進行方向向き通路側座席に座り、買ってきた「旭岳べんとう(950円)」を食べる。
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いわゆる幕の内弁当だが、安っぽい食材ばかりではあるが内容は盛りだくさんで、15種類くらいの料理が詰められており充実している駅弁である。
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前の座席の背もたれを見ながらテーブルを出して狭苦しい中で食べる駅弁とは違い、窓の開く(寒いから開けないが)広いシートピッチの急行型ボックスシートで膝に乗せて食べる駅弁は格別である。

滝川では後続の特急を先に通すため12分停車し、いったんホームに降りて喫煙所で一服。

ついでにトイレに行こうと旭川寄りの最後尾車両にあるトイレに向かう。
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当時は白い陶器じゃなく金属製の便器に新しさを感じたが、今となってはこれでも昔ながらの列車の和式便所である。
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蛍光灯の上にある非常灯もレトロチックに感じるようになった。
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国鉄時代はトイレ内に設置されたこの足踏み式の洗面所も定番である。
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トイレの向かいには単独で洗面所もあるのが急行型として設計された証でもある。
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トイレを済ませて2号車へ向かうが、冷房が設置されなかった時代の車両ならでは、デッキの連結面にある窓も開けることができる。
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座席は急行向けにシートピッチを広く設置しているが、普通列車としても使用する前提で短区間で乗り降りする乗客も多いことを考慮して開発され、窓側の肘掛けを省略してその分通路は広めになっているのが特徴である。
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旭川から1時間41分、国鉄色711系乗車を味わい岩見沢に到着。

この後は昼過ぎまで711系で運転される列車がなく、札幌の白石を往復して時間をつぶし、岩見沢で昼飯を食べて戻ってきた。

次の711系で運転される岩見沢12:30発滝川行きは、冷房改造されたS-113編成だった。
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「空港ライナー」風ヘッドマークが掲示されている。
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この列車には日常の利用客だけではなく、なくなる前に711系に乗っておこうという鉄道マニアもずいぶん乗っており、全てのボックス席に誰かが乗っている状態で運転された。

滝川まではあっという間で、じっくり写真などを撮る余裕もなかった。

滝川からはいったんディーゼルカーの列車で岩見沢に戻り、今度は岩見沢15:27発の旭川行きに乗車。

朝旭川から乗ってきた国鉄色のS-110編成で、この日の行程上711系に1時間以上乗り続けることができる最後の列車である。

特急を待避する茶志内と、時間調整のため滝川でもたばこを吸いに出られるくらいの停車時間があるが、この列車では岩見沢から旭川までの1時間44分、1度も座席を立たずずっと座ったままで711系の乗り心地を楽しみながら旭川に到着。

旭川ではまだ家には帰らず27分で折り返す岩見沢行きに引き続き乗る。
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岩見沢まで乗って行っても旭川へ帰ってくる普通列車はあるのだが、その列車は711系ではないので、旭川から28分乗っただけで深川で下車。

下りホームに回り、岩見沢から来た711系の旭川行きに乗り込む。
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モーター付きの2号車、モハ711−113に乗ったが、車端部にあるこの雪切室、北海道専用車として開発された711系電車が巻き上げた雪を吸い込んで機器が故障するのを防ぐ装置として室内のスペースを犠牲にしてまで導入したもので、これが711系成功のカギだった雪切室なのだ。
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特急「いしかり」用に本州から持ってきた485系電車が雪によるトラブル続きで冬期間の運用がままならず、その後北海道の特急電車用に開発された781系にも取り入れられた機構であり、711系の成功がなかったら今の北海道の電車は撤退していたかも知れず、北海道電化で711系が果たした役割は多大である。

扇風機を撤去して冷房改造されたS-113編成に28分乗って再度旭川に戻る。
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窓の下に大き目のテーブルが設置されているのも急行列車で使用する前提で開発されたものである。
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ただ、現在残存しているのは最終型だがら、テーブルの下にセンヌキは付いていない。

定刻より2分遅れて旭川に到着し、ここで711系乗り納めの旅を終えることにする。

48年もの長きにわたり北海道で走り続けてきた711系電車、長い間おつかれさまでした。
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[旅の総括]
【順番に普通にきっぷを買ったとすると】
1)、3/1乗車券旭川→白石(経由:函館線)=2490円…岩見沢で途中下車
2)、3/1乗車券白石→江別(経由:函館線)=360円
3)、3/1乗車券江別→岩見沢(経由:函館線)=360円
4)、3/1往復乗車券岩見沢矢印左右滝川(経由:函館線)=1680円
5)、3/1乗車券岩見沢→旭川(経由:函館線)=1840円
6)、3/1往復乗車券旭川矢印左右深川(経由:函館線)=1280円

合計=8,010円分乗車

【実際に利用したきっぷ】
3/1「青春18きっぷ」(5回分11850円のうちの1回分)=2,370円、これだけ!
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差し引き=5,640円おトク!

【実際に移動した距離】
JR北海道=408.2km(0.1km単位)
徒歩=7.9km(同)…歩幅55cmとして設定したスマホの歩数計アプリによる計測

合計=416.1km

【1km当たり単価】
5.70円
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