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2015年02月22日15:03

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チェホフの芝居は実は苦手なんです

メトロポリタン・オペラの2015/16シーズンの内容が発表されましたな。
フリットリ、アラーニャの「道化師」グリゴーロの「愛の妙薬」、オポライスの「蝶々夫人」、ディドナートの「湖上の美人」、サロネン指揮シュテメの「エレクトラ」
ルイジ指揮オポライス、カウフマンの「マノン・レスコー」、キーンリサイドの「リゴレット」、ボータの「タンホイザー」
ノセダ指揮ダムラウ、ポレンザー二、クヴィエチェンの「真珠採り」
ラダノフスキー、ガランチャ、ポレンザーニ、クヴィエチェンの「ロベルト・デヴリュー」
カレイヤ、ドミンゴ、フルラネットの「シモン・ボッカネグラ」
ディカ、ゲオルギューの「トスカ」、ネトレプコさまの「イル・トロヴァトーレ」
あたりが目を引いたけど、結構珍しい演目も多く次シーズンは面白そう。
でもほっとんど観に行くことできないですが、新しい有力な歌手とかも知りたいもんです。
(大晦日の「真珠採り」とGWの「エレクトラ」ぐらいがチャンスかな?)
あとサイクル的にはこのシーズンが終わったあとに来日とかありそうですが、どれが来るんだろう?(実際通常よりも早くシーズン終わるようだから毎度のように6月来日なんだろうな)

日曜は渋谷の東急に出向く。
毎度のごとく開場までのあいだ地下一階のワイン売り場を軽くのぞくもちょっと目を引くものは今回はなかったです。もっともそこで買っても劇場に持ち込むには荷物だけどねあせあせ(飛び散る汗)

三人姉妹 @ シアター・コクーン

シス・カンパニープロデュースのケラ演出によるロシアの戯曲家チェホフの作品の第二弾。
今回も余貴美子、宮沢りえ、蒼井優をはじめ実力ある役者をそろえて見ごたえ十分な作品に仕上がっていました。

正直チェホフの芝居って苦手なんです。
ストーリー的には結構うねりはあるものの淡々とすすむことが多い。
なんとなくわざと抑揚を抑制しているかのようでもある。
(シェイクスピアだったらものすごく抑揚つけるんだろうけどね)
また決してスーパーマンみたいなものは登場せず、どこにでもいる人々を描き続けている。
今回観て思ったことにその淡々とした進行が現在の我々の実生活に則しているかのようでリアリティを強く感じる。ただ実生活にあまりにも似通っているゆえに身につまされる部分もときにあり、やっぱり苦手でもある。

以前に三谷幸喜で「桜の園」を観たときは抑揚をつけて快活さすら感じたが、ケラはオーソドックスに抑揚を抑制していた印象です。
(どっちがいい悪いではないのですがね・・・)

今回の役者陣は先に書いた通りだれもがみな実力派ぞろいであるがゆえにそれぞれの役柄に説得力をもったリアリティを感じ、嘘っぽさがない芝居、そこに引き込まれる。
それがゆえに宮沢りえ演じる次女マーシャという役柄にはどうしても感情移入はできなかった。
ただその感想は男性から観てのものであり、女性からしてみると違ってくるんだろうなとも想像がつく。一度意見をうかがってみたいものだ。
(ちなみに初演でのマーシャ役はチェホフの奥さんが演じたそうな)



作:アントン・チェホフ
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

オーリガ:余貴美子
マーシャ:宮沢りえ
イリーナ:蒼井優

プローゾロフ・アンドレイ・セルゲーヴィチ:赤堀雅秋
ナターリヤ・イワーノヴナ:神野三鈴
フョードル・イリイッチ・クルイギン:山崎一
アレクサンドル・イグナーチェヴィチ・ヴェルシーニン:堤 真一
ニコライ・リヴォーヴィチ・トゥーゼンバッハ:近藤公園
ワシーリー・ワシーリエヴィチ・ソリョーヌイ:今井朋彦
イワン・ロマーヌイチ・チェプトゥイキン:段田安則

ところでケラといえば有頂天やナゴムレーベルといった髪の毛逆立てたパンクロッカーのイメージがむかしはあったんですが、いまや完全に芝居のひとですな。
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